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ドリームゲーム  作者: 虎の子太郎
9/9

第8話


気がつくと真っ白い部屋にいた。


ー「お疲れ様、ツバサ。あなたは本当に優しいのね。」


目の前の女性が涙を浮かべている。


何にも分からない。ツバサ・・・?

俺の名前か?なんで泣いている?


ー「ようこそ、ディーラーの世界へ。」


ディーラー?


何も思い出せない。


「あなたはどなたですか?ここはどこですか?」


記憶も、何もない俺は目の前の女性に質問することしか出来なかった。


ー「あなたに自己紹介するのは2度目ね。サヤカよ。ここは夢の中の世界。」


ー「私も、あなたもディーラー。ゲームを進行する者よ。」


サヤカと名乗る女性は、少し寂しげに教えてくれた。


ただ、突然すぎて何が何だか分からない。



ー「あなたには記憶は残っていないから理解できないでしょうけど、ポイントを全て失ったの。」



”00 Game Over”


ぼんやりと何か思い出しそうだった。


ー「あなたは、元は私の契約者だったの。説明はあとでまたするけど、ポイントを全て使い切るとディーラーとして夢に魂を縛られるの。」


ー「記憶喪失は、そのショックよ。」



次々並べられる言葉を、俺はただただ聞いているしかなかった。

8割くらいは理解出来なかった。


本当に今すぐ休みたかった。


「す、すみません。とりあえず今は休ませてくれませんか?」


そういうと、サヤカは目を丸くしたあと、再び涙を浮かべ悲しげにこういった。


ー「・・・良い夢を。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


無、無、無、無、無。


寝ても何にも感じない。夢もない。ただただ時間を使うだけ。


現実に実体を持たないと、こんな感じになるようだ。


つまり、どうやら俺は死んでいる人間らしい。


ただ、普通と違うのはポイントを使い切って死んだっていうところ。


ポイントを使い切った俺にはディーラーという使命が待っていた。


まさに夢に縛られる身となったわけだ。


そして、ディーラーは、契約者を持つことでやっと一人前ということらしい。

この世界での通貨はポイント。


ようは契約者とのゲームで発生するポイントのやりとりで生活していくということだ。


はあと深いため息をついた。


こんなことになるなんて、俺そんなに生前悪さしてたのかな。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ー「俺と契約して、かくれんぼしないか?いいことあるぞ。」


面倒な説明は省いて、俺は単刀直入に尋ねてみた。


あとで、少し変態に聞こえるって、サヤカに怒られた。



夢の世界は、きらきら輝いて、青く晴れ渡っていた。




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