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ドリームゲーム  作者: 虎の子太郎
7/9

第6話

今日はどんな夢をみようか。


最近、ユウマが明晰夢ってやつに興味を持った。

毎日日記をつけているらしい。そこまで熱くなるのは久しぶりじゃないか?


その影響か、俺もなんだかよく夢を見るようになった。

深層心理ってやつかな?全くみない日もあるが。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


あいつみたいに、特別訓練はしていないが夢の中では自由だった。なんでも出来た。


「焼肉くいてえ〜ユウマ〜」


夢の中でそういうだけで、焼肉を食べに行く夢になる。

幸福感に包まれながらも、これは”夢だ”と自覚していった。



ー「・・・しを見つけたときにみた・・・・・・実になるの。」


途中、頭の中で何か思い出せそうになっていた。


ー「契約完了したわ。」


思い出した。

そういえば昨日の夢はそんな夢だった。


あの夢を100%信じるわけではないが、確かめてみたくなった。

この夢で彼女を見つけてみよう。


手っ取り早く彼女が現れるように望んでみようか?



「みつけた!」



かくれんぼ定番の宣言をしてみたが、何も起こらない。彼女の名前なんて知らないんだから。

ただ、顔を思い浮かべても似た人すら現れないあたり、どうやらこれは無駄な気がする。



まあいつも通り夢を見てればいいか。

深く考えずに、目の前のユウマとの会話を始めた。


「お前そういえば、彼女居ないよな?」


「いたら毎日のようにツバサと遊んでないよ。」


すこし不機嫌そうに答えると、いい子居ないかな、とため息を漏らしていた。


「どんな子が好みなの?」


「うーん、優しくて、髪が長く・・て・・・。」


ユウマは途中まで言いかけると、口を開いて固まっていた。


目線の先には、確かに優しそうで、髪が長い、綺麗な眼をした女性が居た。

キョロキョロしていて、どうやら道に迷っているようだ。


赤いリボンがよく似合っていた。



「ご指名の子いたな。」


すこし意地悪げに笑って、友人の出会いを楽しんだ。


「どうかしました?」

真っ先に彼女のもとへ助けに向かうユウマをみて頼もしくなった。


あいつも男らしいとこあるじゃん。


彼女はどうやらある喫茶店を探していたらしい。


喫茶店の場所はそう難しくない場所にあった。夢の中だから、ご都合展開なのかもしれない。


「あの、またお会いしたいので連絡先教えてくれませんか?」

ユウマがかなり積極的になっている。一目惚れかよ!


彼女はすこし恥ずかしがりながらも、ゆっくりと頷いた。


「あ!ずりーぞお前!」


俺はからかい気味にユウマの背中をどんと叩いた。



ふと喫茶店の中に視線を移すと、窓際の女性と目が合った。



あ・・・・・



ー「見つかっちゃったわね。」


その女性はすこし嬉しそうにそう言った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


目が覚めると、謎の幸福感に満たされていた。


部屋のデジタル時計は


3/28 7:03


になっている。もう朝か。


重い腰を上げカーテンを開ける。


夢の中の出来事を詳細には思い出せないが、”見つけた”。



それだけは頭の中に残っていた。





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