第4話
今日は何をしようかな。
朝から降りしきる雨、雨、雨。
こういう日は家にこもってゲーム三昧もありかな。
今のお気に入りはインクで塗り合うゲーム。かなり面白い。
ゲーム機の電源ボタンに手をかけたところで、あることを思い出した。
『24日にこの前の女の子とご飯いくことになった。(照)』
あいつの照れた顔と、羨ましさで苛立ちも一緒に。
今日か、あいつ今頃ご飯前にどこか行くのかな 。
ゲームで一通り遊んで、時計を見る頃には、17時を回っていた。
「このゲームは本当に時間感覚がおかしくなるんだよな。」
いい加減お腹も空いていたので、近くのコンビニまでご飯を買いに向かった。
帰り道にふと見覚えのある男がいた。車椅子の女性と一緒だった。
「見つけた!可愛い子っていってたよな?!」
迷わず後をつけた。彼女の顔を見るまでは死ぬわけにはいかんのじゃい!
しかしあいつのあんな優しい顔は初めて見たかも知れない。
それにとても楽しそうで、幸せそうで、本当に爆発してくれませんか?
探偵にでもなったようなスリルを味わいながら、少しずつ距離を詰めていた。
側から見たらただのストーカーである。
そんなとき、彼女の髪からリボンが落ちた。それを拾おうと止まった彼らは、横断歩道のど真ん中。
なぜかとっても嫌な予感がした。デジャヴっていうやつ?
考えるより先に、彼らの背中を押していた。
気がついたら、目の前には自分の体が転がっていた。痛みはない。
自分の腰あたりに、何か見えた。
『00 Game Over』
何だあれ、あんなのいつからあったんだろうか。
もう考える力なんて残っていなかった。
ああ、彼女の顔見れなかったな。
ユウマ、頑張れよ。