第3話
ー「見つけちゃったね。・・・・ごめんなさい。」
少女は俯く。
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今日は、初めて思い通りの夢を見れたと思ったのに、徐々に悪夢になってしまった。
最悪だ。こんなこと望んでないのに。
最悪の目覚めになってしまい、重い気持ちでカーテンを開けると雨が降っていた。
「今日はとことんダメな日かなあ。」
暗い気持ちに追い打ちをかけるような雨に、どうしようもない倦怠感を覚えた。
ふと見たカレンダーには丸印があった。
「ああ、今日は約束してたんだった!」
僕の倦怠感なんてどこかへ旅立った。今日はレイちゃんとご飯に行く約束がある。
初めてのデートがご飯に行くことなんて、ちょっぴり大人な気分だった。
ファミレスだけど。
支度を済ませ、彼女より早く着くために急いで待ち合わせ場所へ向かった。
が、彼女の方が早く着いていた。
「ごめん!もしかして待った?!」
待ち合わせ時間間違ってた?
時計狂ってた?
僕は早々にやらかしたかもしれない失態にパニックになった。
「いいえ!私が早く着きすぎたもので・・・。」
恥ずかしそうに、俯く彼女は本当に可愛かった。同時に、怒っていなくて安心した。
「と、と、とりあえず行こうか!」
恥ずかしさで変な声が出てしまった。絶対に変な人だと思われた。
僕は彼女の車椅子を押す。
まずはどこへ行こうか?彼女は何が好きなんだろう。話したいことたくさんだな。
頭の中で様々なプランを並べて、会話の予定まで立てていた。
朝に見た夢のことなんてすっかり忘れていた。
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5月24日の夢
夜景の見えるレストランで美味しいご飯を食べて、良い気分だった。でも帰りの車で少し眠気が来て、事故を起こしてしまった。猫が通って、急ブレーキを踏んだら、後ろの車がハンドルを切って他の車にぶつかった。親友が乗っていた。どんどんと野次馬が集まってきた。夢なら覚めてくれ!と願ったら目が覚めた。
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