第2話
大学に着くやいなや、大学で一番仲の良い友達が走ってきた。
「正夢って信じるか!?」
いきなり、そして少し興奮気味に聞いてきた。
「信じねーよ!なんとなくそんな夢だった気がするくらいのもんだろ。」
少し冷たい気もしたが、本当のことだった。
「昨日さ!夢に出てきた子と本当に公園で会ったんだって!これって運命じゃない?」
彼については、いつも思うが少し夢見がちなところがある。いや、夢の話してるんだから当たり前か。
「その子はお前のこと、あ!夢で見た人だ!って言ってたか?」
「そ、そんなことは言ってないけど、夢も現実も車椅子に乗ってたから、きっと同じ子に違いない!」
良いやつなんだけど、親友として、いつか悪い人に騙されないか心配になった。
「本人に確認はしたの?」
「確認もしてない。でも・・・連絡先交換しちゃった。」
前言撤回、さっさと騙されて大損こいてしまえ。
「お前、初対面でそんなにぐいぐい行くタイプだったか?」
「初めて会った気がしなくてさ。夢で見たことあったからかな。」
「前も女の子に会ったとか言ってなかった?それとは別?」
他愛もない話だったが、友達が多いわけでもないから、こいつとの話はよく覚えている。
確か前にも少女に会っただかなんだか言っていた。
「それとは別の子だよ〜。20歳くらいの女の子、いや女性かな。」
彼は鼻息を荒くしながら、自慢げに話す。
「夢の中では女の子だらけかよ!この発情期め!ただ、車椅子の女の子って大変だな。大事にしろよ。」
「どんな苦労も共に乗り越えてみせるさ〜。」
完全に浮かれモードだったが、親友として嬉しかったし、素直に応援してやろう。
あとであいつの後ろつけてみようかな?
その女の子、一目みてみたいし。