表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/83

第六十二話 リントとガロ

はい、短いですが、続きをどうぞー。




「えっ、僕が?」

『そうだ。竜に乗った経験はないか?』

「馬ならあるけど、竜は……」

『なら、教えてやる』


 リントはどうしたらいいかわからないが、ガロは既にリントを乗せる気満々だった。何故、そんなことになったかわからないが、王様に屋上まで案内されて、ガロの背中に乗ることは決定されていた。


「リントは、運が良いね。千年前の聖戦で活躍した伝説の黒い竜に乗れるんだから」

「えっ、千年前の聖戦で戦ったことがあるの!?」

『む、そうだが、それ程に活躍したとは言えないな。魔神ゼロは化物で、勇者王カズトのサポートをするのがせいぜいだったな』

「それでも、凄いと思いますよ!!」


 伝説だった黒い竜に乗せて貰えることに、リントは嬉しく思っていた。背中に乗せてもらい、老竜だと思えないぐらいに黒い鱗は手入れされたように光を反射している程だった。


『飛ぶぞ。掴まれ』

「は、はい!」


 ガロの翼が広がり、飛翔のスキルがガロの体重を支えて大空へ飛び出していく。




「ウワァァァァァァぁ――――!? は、速過ぎぃぃぃぃぃ!!」

『む、そうだった。保護をしないと駄目だったな。乗せるの五百年前から久しぶりだったからな!! あはははっ!!』


 飛ぶ際に空気の抵抗に耐えれるように、竜騎士達は身体強化、全身に魔力の壁を作り出すようにしているのだ。その常識を知らないリントは素のままで空気の抵抗を受けていた。それに気付いたガロはリントに変わって、魔力の壁を張っていた。


「――ふぅっ、助かった。それにしても、素早く飛び回れるんだな」

『そうか? これでも抑えている方だ』

「……今のスピードでお願いします。で、千年前の聖戦に参加していたと聞きましたが」

『うむ、あの戦争は今までの歴史で一番でかい戦争だったと言い張れるぐらいに凄かった。なにせ、敵はAランクを超える死体集合体と言う化物が100万もいたしな』

「ひ、百万!?」

『こっちも二百万と人数が多かったが、質は向こうの方が上だった。そして、魔神ゼロに従っていた魔王級の化物も数人はいたのだからな』

「その魔神ゼロを倒した勇者王カズトは凄い人だったんだね……」

『いや、最後の戦いは見たが、ほとんどは魔神ゼロの自爆に近い状況だったな。もし、魔神ゼロが無情な魔神だったら、間違いなくこっち側が負けていた』


 ガロはわかっていた。勇者王カズトが力で勝っていたわけでもないことに。魔神ゼロが最後になって、どこか集中が切れて迷いも出てきたのを感じ取っていた。そして、能力が発動せず、カズトがたまたま弱点を狙えたようにしか思えなかったのだ。


「そうだったんですか」

『あぁ、魔神ゼロははっきり言って、神に近い存在だった』


 それでも、最終的に勝ったのは人間側だった。勇者王カズトのお陰で平和になったのは間違いはないが、どうして魔神ゼロが事を起こしたのか、未だ不明になっている。ガロはその不明を解き明かさなければ、また繰り返されてしまうのではと千年も考え続けていた。そして――――――――今に至る。




『ワシは今回の件、千年前のと繋がっているようにしか思えてならないんだ』

「えっ、それは――――」


 あり得ないとは言えなかった。リントは千年前のことをよく知らないのだから。聖戦を経験したガロにしかわからないことだろう。魔神ゼロは死んだ。なのに、今の世界は何かに包まれているように感じられる。




 その考えが合っているかは、事が起こっている原因を知るまでは誰にもわかることはないのだった――――















「ふふっ、予定通りですね。さぁ、世界に闇を――――」


 一つの影が不気味な笑みを浮かべ、笑っていた。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ