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第三十九話 星神宮

はい、続きをどうぞ!



 九尾族の案内にて、星神宮が建っている山がある場所に着いた。聖アリューゼ皇国から二つの山を挟んだ先に、一つの建物が白き山の頂上にある。そこが星神宮であり、勇者の関する物がある。


「その建物が星神宮になります」

「あー、目立つ場所に置いてあるとは思ってなかったな」

「さっき話した通りですが、そこには強い人間が数人います。無理して進む必要があるとは思えません」

「忠告なら余計なお世話だ。案内は充分だから、ここで別れても構わん。約束ならちゃんと守るから安心しとけ」


 案内で星神宮を見つけたのだから、集落は襲わないと約束を守り、ここで別れるとアリスはそう言い放ったが――――


「いえ、最後まで私も着いていきます。構いませんか?」

「……邪魔をしないなら、勝手にしろ」


 九尾族の女性は最後まで星神宮から離れるまでは一緒にいると。アリスにしたら、足手纏いはいらないが邪魔をしないなら好きにさせることにした。


(目的が本当に情報を集めるだけならいいけど、最後まで見届けて置かないと……)


 九尾族の女性はアリスのことは信用していなかった。何をしですかわからないので、無事にここから離れてくれるまでは一緒にいて、もしもの時は命懸けで止めるつもりだ。


「さあ、少し近付いてみるか」

「私のゴーレムを偵察に行かせますか?」

「そうだな、少しだけ近付けば魂の色が確認できるから、その後だな」

「わかりました」


 まず、アリスが魂の色を確認できる距離まで近付くことに。周りに敵がいないか確認しながらゆっくりと歩いていく。白い山の頂上といっても、周りにある山より少し低いので、登るのに苦労はしなかった。そして、魂の色が確認できる距離になってきたが――――




「む、おい。本当に強い奴が数人はいるのか?」

「え、そうですが…? 強い人は三~四人は必ず滞在して、交代しているのをこの眼で確認していますが?」

「何故かわからんが、強い証である色は一つだけであとは雑魚が十数人ってとこだ」

「えっ、確かに話が違いますね。強い人が一人だけなのは潜入が楽になるのはいいですが、話が違うのはおかしいですね」

「わ、私は嘘をついてはいない!!」

「まあ、戦力が増えているどころか減っていることは嘘の可能性は無いね。でも、戦力が減っているのは気になるな」


 話が違うことに九尾族の嘘だと疑ったが、現在の戦力は話していたことより減っていることにおかしいと感じていた。これならゴーレムで偵察を出すよりはそのまま突入した方が早い。

 バトラとマキナもアリスの考えを理解したようで、九尾族の女性を置いていくぐらいの速さで走り出していく。


「まっ――!!」


 後ろから止めるような声が聞こえたが、無視して星神宮の中へ無理矢理に入っていった。扉は破壊され、強い魂の色を持っている者の元へ向かった。


「何者だ――ま、魔物!?」

「動くな!」


 アリスは雑魚を放って、一瞬で強者の気配を放つ者の首へ爪を添えていた。その強者は一瞬のことで反応できず、動けずにいた。ゆっくりとその者を確認すると、老人で魔法使いの姿をしていた。周りを見ると、雑魚だと思っていたのは、眠っている子供達だった。どんな状況かわからないが、ロクでもないことだと判断できた。


「さて、お前は何もするな。何かをした瞬間に首を斬り落とすからな。理解したか?」

「ッ、は、はい」

「よろしい」


 老人の隣にはバトラとマキナが立っているので、老人が何かをしようとしても、三人の誰かが首を落とせる距離にいる。そして、遅れて九尾族の女性も入ってきた。


「な、何をしているんですか!?」

「あん? 占拠しただけだ。それはそれとして、老人よ、名前を聞かせてもいいかな? 俺は魔物のアリスだ」

「ね、ネームドモンスターか。ワシはカルドだ……」

「よし、次だ。ここは星神宮と聞いてここに来た。だが、この状況はなんだ? ここには強い者が数人はいると聞いたんだが?」


 爪を少し首に近付かせると、カルドは顔を更に青くして震えていた。アリスの爪から魔力が放れており、その強さを感じ取ったかもしれない。


「は、話すから! 爪をこれ以上は近付かせないでくれ!? ワシは聖アリューゼ皇国の宰相だ。わ、わかるか?」

「ああ、宰相か。思ったより偉い奴じゃねぇか。で?」

「つ、強い者はここを守る守備衛隊のことなら、ワシが眠らせてから殺した。別の部屋に捨ててある!!」

「ほう」

「ワシは宰相だが、近々にクビにされるんだ! そんな理不尽なことに従えるか!! だから、ある計画を建てた!!」


 聞いてないことも話し始めたので、大人しく聞き役になっていた。宰相……いや、元宰相になるだろう。カルドは突然に宰相をクビになると調達が来て、それに理不尽な理由であったこと。従えず、聖アリューゼ皇国の陛下に訴えたが結果は変わらなかった。理不尽なことにカルドは聖アリューゼ皇国に復讐することにすると決めたと。そのために、生贄の子供を攫ったり、星神宮にある兵器を使うことに躊躇はなかった。

 しかし、アリスにしたら復讐の内容には興味はなかった。復讐の計画で子供の命が失うことになっても、どうでもよかった。




――だが、アリスはある計画を思い付いた。




 その心が表情に出ないように気を付けつつ、カルドに話し掛けた。


「復讐か。その計画では、一人は無理だと思えるが?」

「くっ」


 計画の内容を知ったアリスだが、その計画には不備が見えた。カルドがやろうとしていることは、聖アリューゼ皇国に対しての復讐だが、今の戦力だけでは町の一部を焼くだけで復讐を達せるとは言えない。だから――――


「面白い、その計画。俺達の力を貸してやろう!!」

「えっ?」

「なっ! アリス、何をするつもりなの!?」

「邪魔をするな。これは俺達にとっても得になり、カルドも得がある。なら、やらない選択はないぞ。いいな?」

「あ、ワシを殺さないのか?」

「ああ、ちゃんと働くならな」

「待ちなさい!! そんなことはさせない!!」


 ここで九尾族の女性は止めに入る。今からやろうとしていることは、間違いなく集落までも被害が出るのがわかったからだ。


「燃え――ごふっ!?」

「遅い」


 アリスは既に『狂気発作』、『激昂発作』を発動しており、九尾族の女性の核を貫いていた。一瞬でその命は消えた。




「集落は約束通りに俺は・・潰さないでやろう。だが、他の人がやっちゃっても知らないが。くくっ」






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