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第三十三話 進化

お待たせました。

続きをどうぞ!

 


 アリスは聖アリューゼ皇国に詳しく、話が通じる魔物か魔人を探すために高低が凄い山を登って降りたりしていく。

 この登山に疲れを知らない人形の魔物であるアリスはともかく、配下の2人には厳しかった。


「ぜぇ、ぜぇ! すはぁーふぅっ……」

「はぁ、はぁ寒いな…」

「大丈夫か……?」


 人間から魔物になって間がないマキナは体力の問題で息切れが酷かった。ちなみに、マキナは半人半造サイボーグで機械に近い生き物になっているのだが、それは左腕と右眼だけで他は生身である。普通の人間よりはマシ程度しかないので、酷く息切れをするのも仕方がないだろう。


「少し休むか」

「ッ! 私はーー」

「無理をする必要はない。急ぎではないし、この空気の薄さに慣れるのも時間が掛かるだろうし」


 現在、アリスがいる場所は2000メートルぐらいはある高い山なのだ。もうすぐで頂上に着きそうな位置で、空気も薄い。慣れない環境に適応するのも時間が必要だと考え、アリスは無理に先へ進もうとは考えてなかった。


「はふぅ、わ、わかりました……」

「こんな高い山を登ったのは初めてだろ? だったら、疲れても仕方がないさ」

「はぁはぁ、空気がこれだけ薄いと慣れないうちに戦闘などは難しいな」

「まだ慣れてない内は俺が戦うから安心しておけ」


 人形だから、空気に影響されるような身体をしてない。2人が生き絶えに深呼吸を繰り返しているのに、戦わせる程にアリスは鬼ではない…………




「と言っている内に敵が向かってきているな」

「あ、あれはワイバーン!?」


 アリスは何処かで見た飛竜のと似ているなと思えば、想像していた通りにワイバーンと言う飛竜だった。

 ドラゴンには様々なタイプがあり、飛べる竜、飛べない竜、神に近い龍と三種のドラゴンと分かれている。

 あれは飛べる竜で、遠距離攻撃が無ければ苦戦する程だとアリスは読み取れた。




 ただし、それは強化していなければの話だ。




「こっちは遊ぶ暇はないから、すぐに終わらせてやる。『狂気発作』、『激昂発作』!」


 10倍に引き上げられたアリスの力は飛べる竜の中でもランクが低いワイバーンでは相手にならない。


「グワァ!?」


 ワイバーンは伸ばされた『魔爪』により、頭から尻尾を通って真っ二つにされて落ちていった。

 現れただけで出番が終わったワイバーンに同情するバトラであったが、アリスの言葉で意識を向けられる。




「あ、来た。進化だ」

「早いですね……。普通なら数年は掛かるんーーーー」


 バトラの言葉を待つこともなく、アリスは頭の中に響く声に意識を集めていた。




 《魔素量が上限に、更に条件も達されました。狂麗体メビウスから狂剣体ソフィスに進化致します》




(ん? 剣が入っているな……?)


 どういう理由で剣が入った種族名になったかはわからないが、条件を達したと流れたので、普通ではない進化をしてしまったかもしれない。

 弱くなっているなどは進化しているから有り得ないと思うが、今までのと違ってしまうかもしれないかと緊張してしまう。



 《条件を達しました。希少スキル『暗闇眼ダークネス』に『愚氷』が追加されました》

 《希少スキル『剣装者タチキルモノ』を獲得致しました》

 《通常スキル『斬撃固定』を獲得致しました》

 《通常スキル『斬撃強化』を獲得致しました》

 《通常スキル『斬撃無効』を獲得致しました》

 《通常スキル『思考』が『高速思考』に進化致しました》



(色々と新しいスキルが出たな。殆どが斬撃関係じゃねぇか…………もしかして、条件が斬撃繋がりだった?)


 よく思い出してみれば、今までは斬撃に関係がある『魔爪』を使いまくっていたのだ。それがトリガーとなった可能性が高い。

 新しく手に入った希少スキルの『剣装者タチキルモノ』の能力を鑑定しーーーー


「ふむ、希少スキル『剣装者タチキルモノ』も面白い能力じゃないか」


 アリスは面白い能力だと判断し、ニヤッと笑っていた。


「え、希少スキルを……あっさりと取得出来るものでしたっけ?」

「いやいや、普通じゃないから。信じられないかもしれないが、アリスが特別なのだから……」

「なるほど。さすが、我の主ですねッ!!」

「あっさりと納得するの!? この説明でいいんだ……」


 まだ知識が浅いマキナはハテナを浮かべていたが、バトラから説明してもらい、疑問を持たずにあっさりと納得していた。素直な所はいいが、あっさりと信じられては、いつか騙されそうで心配するバトラであった。








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