第三十二話 聖アリューゼ皇国
お待たせてすいませんでした!
忙しくて、書く時間が足らなかったです。では、続きをどうぞ!
聖アリューゼ皇国、勇者と聖騎士が一番多いと名高い国である。ルーディア帝国に次いでの兵力を持ち、簡単に堕とせるような国ではない。
ーーだが、今は混乱に陥っていた。
別にローテ街のように魔物の軍隊が攻めてきたわけでもない。ただ、奇妙なことが起きているだけで。
その奇妙なことは全ての教会で起こっていた。教会にいる筈のない物が見えたり、誰もいない時に教会の物が壊れていたり。
一番酷いのは、教会の隣にある修道院で育てている子供がいなくなったのだ。それも、1人や2人ではない。聖アリューゼ皇国にある幾つかの修道院を合わせれば、十数人に昇る。
勿論、指を咥えて見ているだけではなかった。解決しようと、奔走していたが…………解決の種さえも見つからない状況だった。
初めは教会で起こった奇妙なことから、幽霊系の魔物がいると考えたが、全ての教会で同時に現れるのは偶然にしてはおかしく感じるし、更に魔力の残り香さえも見つかってない。幽霊系の魔物なら、聖なる建物である教会に侵入すれば、必ず魔力の残り香がある筈なのだ。
そして、子供がいなくなることから魔物が何のために誘拐するのかと謎が増えてしまう。
「教会の件、どうすればいいんだ。他の者はどうだ? 何か案があれば、聞かせて欲しい」
立派な礼服を着た男達が会議室のような部屋に集まっていた。その中で一人だけ、教祖と呼ばれる者は他のより豪華で高貴な振る舞いをして話を聞き続けていた。
「案と言われても、正体が不明ではやりようがないのでは。それに、現れるのは夜だけだが、毎日というわけでもないだろう」
「修道院も、子供の誘拐があってから見張りを立たせていたが、それも役に立たなかった」
「見張りに見られず、子供を誘拐したか……普通ではないな」
「教会も変な物が通ったり、物が壊れたりすることが増えています。幽霊系の魔物ではないなら、一体どういう現象が起きているんだか」
このような現象は、聖アリューゼ皇国が出来てから、一度も起きたことは無かった。なのに、最近に地震が起きた時からその現象が起き始めていた。
「…………人間がやった可能性は?」
「それは…………考えたことはありませんでしたね。教会では変な現象が起こったから、幽霊系の魔物がやったかと思いましたし、修道院も見張りがあったからただの人間が侵入などは難しいと思い、無意識に候補から外していました」
「普通の人間なら不可能ですが、普通ではない人間だったら……」
「それも推測でしかないが、その可能性があるなら良く調べてみるべきだな。私が教会、修道院の関係者を洗ってみます」
話を聞くだけで何も話さなかった教祖がついに、口が開く。その空気は重く、周りにいた教会関係者は口を慎み黙る。
「人間か魔物の仕業かは判断は出来んが、このようなことが続けば、教会の示しが付かん。すぐに解決の道を見つけ出せよ」
「「「はっ!!」」」
皆は教祖の言葉に了を唱え、自分のやるべく事をするためにそれぞれか動いていくーーーー
「アレが星神宮がある、聖アリューゼ皇国か」
「はい。村で話を聞き、星神宮は聖アリューゼ皇国にあると。しかし、詳しい場所まではわからないようです」
「そうか。お疲れ様だったな」
「いえ! アリス様のためなら、何でもやる所存なので!!」
マキナは道中で見つけた村に入り、左腕と右眼を隠せば人間のと変わらないのを利用して、情報を集めてもらったのだ。その後に、その村は潰してアリスの糧にしていた。
「うーん、聖アリューゼ皇国って、領土みたいな括りだよね? なら、星神宮はアレだけ広い領土から探し出すのは不可能じゃない……?」
バトラはリディア王国と違う領土を見回し、首都となる聖アリューゼ皇国の他に高低が激しい山を見てゲンナリとしていた。
星神宮を見つけるために、探し歩くとなるならこの高低が激しい山を登り続けなければならないからだ。仙人が住んでいそうな山ばかりで脚で探すのは諦めた方がいいと遠回しに伝えていた。
それはアリスもわかっているようで、歩き回ろうとは言わない。
「今回は流石に現地の案内が必要だ」
「えっと、他に仲間を作ると?」
「ふむ、別に仲間にしなくても場所さえ、聞ければ充分だしな」
アリス達の目的は、星神宮で勇者の情報が詰め込まれた魔道具を奪う事にある。星神宮のことはたまたま見つけた書物に書かれており、勇者に関する情報があるとわかったのだ。
「まず、ここら辺に詳しそうな魔物か魔人を探すぞ。ついでに、集落を見つけたら聞き出してから潰すのもいいだろう」
「潰すのはいいけど、そろそろ来そうか?」
「もうすぐ?」
2人が言っている意味はアリスにも伝わっており、アリスは自分の手を見て微笑を浮かべていた。
「ふふっ、この感じならもうすぐで…………」
進化出来る。




