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第二十五話 人間の村

今日も一話だけですいませんが、続きをどうぞ!!

 


「もしかして、『転移』を手に入れるアテが?」

「そんなのねぇよ。進化すれば可能性はありそうだが、今はまだ不明だな」


 岩山を降りた2人は、頂上から見えた人間の村に向かっていた。ついに、人間の村を襲いに行くのだ。頂上から見えた村の近くまで近づき、隣山から村を見下ろす。


「あれ? 少し大きくなっているや」

「ふむ、山に囲まれた村か。一つだけ大きな屋敷があるな」

「前に見た時は、大きな屋敷なんてなかったのに」

「なら、アレは村長が住んでいる屋敷かーーーーこの辺りを統治する領主がいるんじゃないのかな?」


 村に屋敷があると、村長か領主が住んでいると予測出来る。上から見下ろした限り、村にいる人は思っていたより少ない。


「これぐらいなら、何とかなりそうだ」


 これから村を襲うことに決まった。歩きながら準備していた物を取り出していくーーーー





 ーーーーーーーーーーーーーーーー






 領主が住む屋敷にて、身体を大きく太らせた男がいた。立派な服装をしており、外にいる村人とは大違いの格好をしている。

 そんな男が顔を怒りに染めて、自分の書斎で机を蹴っていた。


「クソクソが! 何故、この私がこんな村にぃ!! 私はローディムア伯爵だぞ!? 王都から離して、あのガキがぁぁぁぁぁ」


 ローディムア伯爵はこの間まで、王都と言うリディア王国にいた。だが、政治に関わり始めた第一子のクリスチャス王子のせいでこんな辺鄙な場所に飛ばされた。

 理由は、伯爵が何も出来ず無能だからと階級を落されずとも、こんな辺鄙な場所に飛ばされていた。今のリディア王国はクリスチャス王子によって、変わり始めている。

 国民までにまだ影響はないが、貴族内ではゴタゴタとしている。明らかに深部で何かが起きているのだが、無能であるローディムア伯爵はどうすれば王都に戻れるかだけしか考えていなかった。

 側で伯爵が怒り狂う様を見ていたが、何も言わない。毎日、よく怒り狂えるなと呆れていた。もう此処へ移ってから日が経っているのだが、毎日も飽きることもなく伯爵はクリスチャス王子に対して、罵倒を繰り返して物に当たっていた。


「クソ、あの奴隷を呼べぇ!!」

「……畏まりましーー」


 執事が返事を返そうとした所に、屋敷の警備をしている者が慌てた様子でノックもせずに書斎へ入り込んでいた。


「なんだ! ノックもせずにーー」

「それどころではありません! 魔物の敵襲です!!」

「何だと!?」


 ベランダに出ると、村は所々から火が上がっていることに気付いた。


「皆の者を集めろ! すぐに逃げるぞ!!」










「チッ、流石に俺達と人形だけじゃ、村にいる人間を全員殺せないな」


 火が上がる村の中にアリスとバトラが入り込んでおり、まずは人形爆弾による挨拶をしておいた。

 自爆による爆発で数人は死んだが、他は全方向へ逃げ惑うため、逃してしまう村人がいた。


「しょうがないんじゃないかな。人形を抜けば、こっちは2人だけなんだし」

「人形は自分で判断出来ないのが痛いな」


 アリスは人形には、人が近くに3人以上もいたら爆発しろと命令を出している。それ以外は人を追いかけろだけ設定してある。


「もう少し考える必要があるな。これじゃ、次の街や村でも生き残りが逃げ出してしまうか」

「そうだなーー」

「貴様ら! 魔物だな!!」


 暴れるアリスとバトラを前に現れたのは、この村で自警隊をやっている男衆だった。その数は10人以上はいた。チラッと自警隊の方を見たが、全員が白に近い色だった。


「雑魚が……まぁいいか。死体が増えるんだし」

「こ、この人数相手に勝てるとーーーーーーあ?」

「煩いな。もう死んで」


 アリスは既に魔爪を振り抜いており、10人以上を一度だけで首を落としていた。何も抵抗を許されず、自警隊は死んだのだった。


「冒険者はいないみたいだし、あの屋敷に向かうか」

「何かあるかな?」

「うーん、役に立つ書物とかあればいいな。そのために、人形爆弾を向かわせてないし」

「では、あの屋敷にいた者は既に逃げているだろうね」

「逃げたんだろうな。裏口か地下を通って遠くに逃げた可能性は高いから、もう放っていいや」


 今回は人数の関係で、全滅させることは諦めていた。とりあえず、屋敷に向かって役に立ちそうな物はないか漁ることだ。

 人間の歴史 、今の状況ぐらいは知っておきたいと考えているのだ。


「はい、到着~。やっぱり、脱け殻だな」

「村人を放って逃げたから、よほどのクズだったようだね」


 屋敷の中に入ったが、誰もいなかった。少しだけ中を調べてから本でも探そうと決めたらーーーー




「ん、んん? 小さいけど…………下から魔力を感じるな」

「…………あ、本当だ。この小ささだと、死にかけているみたい」

「ここは襲ってもないのに? ふむ、調べる価値はありそうだな」


 下から魔力を感じたから、地下があるだろうと入り口を探し始めた。






「見つけたぞー!」

「バトラ、良く見つけたな」


 バトラが物置で木箱を退かすと、地下に繋がる扉があった。


「何が出るか、少しだけ楽しみだな。想像は出来るがな」

「んー、人間のことは余り知らないから想像は出来ないですね」


 そう言いながら、隠されていた扉を開くと階段が現れた。ゆっくりと降りていくと、暗い部屋が一つだけある場所に出た。

 そこには、アリスが想像していた通りのモノがあった。




「やっぱり。人間は業が深いなーーーー」




 そこには、鎖に繋がれた1人の少女がいたのだった。














あっさりと村を潰しちゃったな……。

戦闘用のスキルをあまり持ってない村人では、アリス相手に戦えないのは仕方がないことかな?

では、次回は繋がれていた少女とーーーー明日を楽しみにっ!笑

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