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第十六話 vsオーガ 前半

本日五話目!

 



 ーー少しだけ時間が遡る。




 アリス達はオーガの集落の前まで着いていた。先程、バトラが武器を作り直していたので準備は完璧に終わらせてある。


「覚悟はいいな?」

「あぁ、裏切った奴らだ。裏切った奴らを殺す事に抵抗はない」


 バトラはやる気満々で槍を抱えていた。元仲間や家族であった者でも、情を掛けないと言った雰囲気だった。アリスも容赦するつもりもなく、魔物は経験値の足しにするつもりだ。


「行くぞ」

「おう!」


 2人は一気に集落の中へ入り込み、近くにいたオーガを斬り裂いていく。こっちに気付いたオーガはバトラを見て驚いていた。


「イキテイタノカ!? カケタモノヨ!!」

「私はカケタモノではなく、バトラと言う名がある!」


 バトラもアリスの勢いに乗り、槍をオーガの弱点へ突き刺していく。オーガの弱点は、魔石がある胸の中心にある部分と頭だ。喉は硬い筋肉によって覆われており、魔石の部分は筋肉の繋ぎ目があり、そこを狙えば簡単に貫通出来る。


「キサマ、ナカマヲ!!」

「お前らなんて、仲間じゃないッ!! 『身体強化』!!」


 バトラの筋肉が少し膨れ上がり、攻撃してきた棍棒を強引に逸らした。敵のオーガがバランスを崩して、その隙に魔石がある胸を串刺しにした。


「コイツ!? ツヨイ!?」

「前までの私だと思うなよ! 『連突』!!」


 一斉に掛かってきた敵には、連続突きで弱点を狙っていく。その狙いは正確で、確実に葬っていた。敵のオーガはバトラの相手になっておらず、一方的な戦局になっていた。

 蹂躙していたアリスも、バトラの戦いように感心していた。


(思ったより強いじゃん。名前を付けられたら強くなるのはわかったが、前から強かったんだな。アレは)


 名前を付けられても、技術は上がらない。だが、バトラは他のオーガと違って、高い技術を持っているのがわかる。それにしても、バトラの欠けたツノは誰がやったのも気になってきた。

 それは後に聞くことにして、今は先にボスをやっておきたい。


「バトラ! ボスはどいつだ!?」

「ここの集落のボスは2体いる。それに、兄弟だ。ツノで権力が強くなると言ったが、あの兄弟は強さも持ち合わせている。前の私だったら勝てない」

「へぇ、兄弟でボスを勝ち取ったわけか。前の私と言っているが、今は?」

「愚問だ。お前から名前を貰って、勝てない道理はないだろう?」

「自身満々で言い切るね」


 余談だが、名付けは高位の位置にいる者がやることで、名付けをする方が強ければ強い程に、付けられたら者も強さが変わる。渡される魔素と魔力の量が違うからだ。

 バトラはアリスがまだ弱い種族の魔物だと知っているが、名付けで譲渡された魔素と魔力は別段に違っていた。高位の魔人から貰える量と変わらないぐらいに。

 つまり、アリスは潜在能力が物凄く高いとバトラは判断していた。それが、自身満々にさせていた理由になっていた。


 余談はそこまでにして、一番奥から2体のオーガが現れた。そのオーガは大きさが違い、身体を大量の筋肉で纏わせたようなオーガと他のオーガより小振りな姿だが、身体は出来ているオーガがいた。


「アレだ。大きい方が弟で小さい方は兄だ」

「ふーん、他のオーガとは違うな。…………変異種じゃん」

「そうだったのか?」

「おいおい、長い間は一緒だったんだろ?」

「アリスみたいに変異種か見破れる眼を持っていなくてな。それに、あの2体は自分のことを喋らないからな」


 随分と秘密主義のオーガもいたんだなと思いつつ、『暗闇眼ダークネス』の『鑑定』で再度確認をしてみるが、変異種であることは変わりはなかった。


(ネームドモンスターに続いて、次は変異種か。まぁ、強くなれるなら誰だっていい)


 大きなオーガは、その身体にピッタリな武器である大きな棍棒を持ち、小さいオーガは両手に剣を持っていた。


「ん? その剣は冒険者から殺して奪った物か?」

「あぁ、作ることは出来ないし、魔物は作るより奪うことが殆どだしな」

「ふむ? 1本は何もないただの剣だが、片方はいい剣だぞ。余程に強い冒険者でも倒したかもしれん」


 いい剣だと言った剣を鑑定をしてみたら、『蛇曲剣スネークソード』と出て、効果が付いていた。蛇のように軌道を曲げることが出来、接近戦を得意とする者から見れば、戦いにくい相手だと思うだろう。


(あんな剣…………魔剣が普通の冒険者でも使っているとなると、面倒だな。少数だけだったらいいが……)


 効果が付いた剣を魔剣と言うことに決め、人間の間でどれだけ流通しているか気になった。

 それよりも、今はその剣が欲しいと思った。


「よし、バトラはデカい方をやってくれ。ちっこい奴は俺がやる!」

「弟の方か。わかった」


 お互いの対戦相手を決め、兄弟オーガを引き離すために『魔爪』を上から振り下ろす。ちょうど2体の間を狙うようにーーーー




「ム!? お前は恥知らずをやれ!」

「わかったー」


 初めて、兄弟オーガから言葉を聞いた。バトラと同じように、流通な言葉を使っていた。

 兄の方は『魔爪』でアリスの方が危険だと理解し、弟へ指示を出していた。向こうも一対一が理想のようで、あっさりと分断出来た。


「わざわざ分断してくれるなんて、実力の差がわからない馬鹿なのかな」

「ほざけ。お前の爪は俺にしか止められん。それに、一対一の方が会話をしやすいからな。ーーで、お前の目的はなんだ? 仕返しか?」


 バトラの方をチラッと見て、アリスに問いかけていた。アリスの目的はわからないが、仕返しのお手伝いってとこだろうと考えていた。

 だが、その考えは否定される。


「バトラの手伝いだと思っているなら、間違いだ。俺にも目的があって、ここに来ているだけさ」

「…………その目的を聞いてもいいか? お前と戦うのはリスクが高すぎるから、戦いを避けたいんだが?」

「ほぅ、実力の差は理解しているわけか。だが、戦いは避けられんな。俺の目的は集落その物を潰すことだからな」

「貴様……、ならやるしかないか」


 兄の方はアリスの実力が高いのを見破っていたが、戦いを避けられないと理解し、覚悟を決めていた。兄オーガは双剣のように、2本の剣を構えてアリスの出方を見ている。

 アリスは兄オーガ、バトラは弟オーガと戦いが始まろうとしていたーーーー











次は夜9時になります!

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