第6話 【偽装技能】
「【火魔法】」
アバンは眠る前に辺りの探索を行うことにした。隣ですでに寝ている晴彦は見慣れない土地に来たストレスからか、はたまたアバンと出会えて一安心したのか、すぐに眠ってしまった。
夜目が効かないアバンは掌に小さな火を灯すと手近にあった太めの枝に着火させた。それを手にこれから先に進む予定の森を調べる。
魔人族は内包している魔力の高さから、魔力の質が高い。そして高すぎる質をもった魔力は持ち主の意思を無視して周囲を威圧するため、しっかりと魔力をコントロールする必要がある。
しかし魔人族で魔力操作が出来る人材は少ない。それは恐れられることで何が困るのか理解しないからだ。強さこそが何よりも優先される魔人族の世界では、魔力操作はあまり必要なかったりするわけだ。
「何が信用の証だ……。嘘だらけじゃねえか」
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【名前】アバン
【種族】魔人族
【技能】【魔力Lv.7】【肉体強化】【魔力強化】【剛力】【跳躍】【火魔法】【水魔法】【雷魔法】【風魔法】【土魔法】【魔人族言語】【人族言語】
称号【なし】
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このステータス画面にノイズが走り、本当のステータス画面が表れた。
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【名前】アバン
【種族】魔人族
【技能】【魔力Lv.9】【肉体強化】【剛力】【跳躍】【魔力強化】【火魔法】【水魔法】【雷魔法】【風魔法】【土魔法】【闇魔法】【偽装】【魔なる威圧】【悪意の掌握】【魔人族言語】【人族言語】
【称号】【魔王の子息】【次期魔王候補】
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「技能の【魔なる威圧】を発動」
アバンの魔なる威圧は魔族、魔人族、魔物と魔という名の付く者に畏怖を与える技能である。
「本当にこれが人族に効かなくて良かったぜ」
ザザザッ…森がざわめき鳥獣類がアバンの回りから去っていくようだ。
それを確認するとアバンは晴彦の元へと戻った。
「寝るか…」
アバンの回でした!