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はじまり

 ──最後に目にしたのは虹色の光。



 ──今目に映っているのは黒い闇。



 自分が自分でないかのような、夢を見ているかのような浮遊感。



 どうしたらいいのか分からない焦燥感。



 ──この『世界』は『私』を拒絶している。



 ──否、拒絶したのは『私』だ。



 だからこそ、排除されずに留まっている。



 ──本当は、存在を消して貰いたいとすら思っているのに。



 この優しい闇は、それすら許してはくれないのだ。



 ──ならばそれを逆手に取ってやろう。



 私の願いを叶えるために。

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