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おはよう。


 昨日の告白を受けてからね、私は素敵な夢を見れたんだ。


「ミコトちゃんとハッピーウエディング……」


 二人ともウェデリングドレスに着飾って、結婚式を挙げている夢――


「きゃあきゃあきゃあきゃあミコトちゃんと結婚だなんてぇ!」


 枕を強く抱きながらベッドを転がる私、夢の中でもミコトちゃんは相変わらず綺麗で……お、思い出すだけで。

 二人手をぎゅっと繋いでカーペットを歩いて行って、それでそれで! 私の薬指を取ってそっと指輪を通して、私も同じようにミコトちゃんのスラっとして細いしなやかな薬指に誓いの結婚指輪を通して!

 いつものように照れるとそっぽを向く彼女が決意を決めたように私に向き直って、唇を近づけてきて、それに私も答えて――

 きゃあきゃあきゃああああああああああああああああああああああっ!


「あ……付き合い始めたばっかりなのにね、私ったら」

 

 少し冷静になって、それだけ昨日が私にとって大切な日だっただと再認識する。

 今までは「ミコトちゃんと付き合う」ことを夢見てた、でも今日からは――


「……早くミコトちゃんの顔がみたいな」


 昨日の今日で彼女はどんな表情をするだろう、それが楽しみで仕方ない!


「待っててね、ミコトちゃんっ!」


 私はミコトちゃん見たさにベッドを跳ね起きた。そうして嬉嬉として学校に向かったのー





「おはよう、ミコトちゃんっ!」

「っ! お、おはよう……アユミ」


 昨日のことを思い出して照れてるのかな、すっごい顔が赤い! ああ、可愛いなあミコトちゃんは!


「ねえ、アユミ」

「なにかな?」


 ミコトちゃんらしくなくもじもじしてるのが新鮮だあ。



「私たち……付き合ってるのよね?」



 不安そうに、昨日の出来事が自分の夢見ただけなんじゃないか――そんな表情でミコトちゃんはそう聞いてきた。

 そんな表情はあまり……新鮮ではあるけど、好きじゃないかな。

 この不安の笑顔をにさせたあげたい、私はもう即座だった。躊躇することなく、



「もちろんだよっ、ミコトちゃん!」



 自分の出来るだけの笑顔で、そう答えた。

 

「そっか……そうよね……わかったわ。ありがとうアユミっ」

「っ!」


 ぐ……笑顔で返されたのだけど、その笑顔がぎこちなさはあるけれど柔らかくて。

 やだ……そのミコトちゃんの表情すき。

 ど、どうしよ。こんなこと無かったのに……今私の顔赤いんじゃないかな? 

 これは妄想以上すぎるよ、ミコトちゃん。


「……ずるい」

「?」


 私の好きになった人は、想像以上に綺麗で可愛らしかったことを思い知るのでした。



* *

 

  

 その後はいつものペースに戻って、いつものように話しをする。

 そんな途中に私は思い出したことがあって、

 

「ねー、ミコトちゃん! 今日カフェに行ってみない?」

「そういえば言ってたわね……最近出来たのだっけ?」


 覚えててくれたんだ、そんな些細なことが私にとってはとっても嬉しく感じる。


「うんっ! ミコトちゃんと最初に行くって決めてたんだ!」

「っ……」


 そう私が言った途端に真っ赤にゆで上がるミコトちゃん、澄ましてる顔は綺麗すぎるぐらいなのに。

 照れた途端にこんなに可愛くなるなんて、本当ミコトちゃんは卑怯だよね。


「今日でいいかな?」

「そ、そうね……じゃあ放課後行きましょうか」

「楽しみっ」


 あああ、楽しみだなあ! 早く学校終わらないかなー、まだ授業始まってさえいないけど。

 もうその約束が取れたことが嬉しくて仕方ない。

 

「アユミ」

「ん?」


 私がミコトちゃんの席にやってきて、ミコトちゃんが座って私がミコトちゃんの席にすこし腰をかけて話している構図で。 

 ミコトちゃんは私の制服の裾を指でそっとつまんで、本人は恥ずかしさなのかそっぽを向いて。


「放課後……デートよね。た、楽しみにしてるわ」


 可愛い! なんか最近これしか言ってないけどそれしか表現できないんだもん!

 

「ア、アユミ!? なんで急に抱きつくのっ! ちょっと教室なのに――」

「あーもうミコトちゃんかわいいなああああああっ」


 私は座るミコトちゃんをぎゅっと前から抱き締めた。

 私よりもおっきくて、大人っぽい彼女は……手で触れる髪はさらさらで、暖かくてて、シャンプーのいい香りがした。

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