表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/17

だいすき。

 私ことアユミは、ミコトちゃんに告白されました。

 それは授業合い間の休み時間のことだったの。 


 信じてたよ、ミコトちゃん。


 私が告白の言葉を聞いて思ったことは、それだったんだ。

 ミコトちゃんのことをずっと信じてた。絶対に私にその言葉をくれるって。

 

 きっと、私があなたに惹かれたように。

 あなたも私に惹かれてくれる。


 そう私は信じていたから、だから願いが成就した嬉しさと、本当にミコトちゃんと結ばれたことが嬉しくて仕方なかったの。

 わかりきってたことで、いつかその時が来るのを知っていたから。


「ミコトちゃん……私も、だいすきだよ」


 そう、笑顔で返した。

 ……ミコトちゃんの、照れ顔はやっぱり可愛くて綺麗だなあ。

 この表情が私はだいすき。笑顔も、照れ顔もずっとずっと見ていたい。死ぬまで、ずっとずっと瞳に焼き付けて。


「こちらからもよろしくねっ、ミコトちゃん」


 すると私をぎゅっと抱きしめてくれるミコトちゃん。

 温かくて柔らかいよ、その少し不器用に強く抱きしめる腕が心地いいよ。

 感じるミコトちゃんの全てが気持ちいいよ、愛しいよ。


 幸せ、やっぱりその時が来ると。

 実際に言葉で、行動で示してくれるとこんなに嬉しいなんて。

 何度も何度も考えたことだったでも……やっぱり、ああ幸せだよ。 


 ありがとう、ミコトちゃん。

 私は幸せだよ。これからは、ミコトちゃんを幸せで一杯にしてあげるからね?



* *



 ミコトちゃんは見た目以上に純粋で「刺激」が必要だったの。

 照れ屋なのにプライドが高くて、ちょっと頑固で、素直じゃない。

 でもそんなミコトちゃんが可愛くて仕方なかった、ツンとしたミコトちゃんが綺麗だった。


 だからね、私は唐突にあなたに告白したんだ。


 これまでの親友の関係も捨てがたいものだったけど、もっと私は幸せになりたいから。

 純粋な彼女は、きっと断ると思う。でも、信じてるから。それでそれまでの関係が壊れることはないって・

 

 でもちょっと悲しかったよ。ミコトちゃんに告白を断られた時は。

 痛かったよ、心が壊れそうで。体が崩れ落ちそうで……苦しかったよ。でも信じてたから。

 その後にミコトちゃんはやっぱり「一緒にいたい」って言ってくれて嬉しかったよ。

 温かったよ、みるみる心が満たされていく感じで……幸せな気持ちになれたよ。


 それからも「刺激」をミコトちゃんに。

 ミコトちゃんの手首に優しく舌を動かして、あの時の恥ずかしさに悶えるミコトちゃんは可愛すぎたなあ……私が家に帰ってから、ずっと悶えちゃうくらいに。


 ずっと繋ぎたい手を、昨日の出来事に任せて握ったのも。

 ミコトちゃんが意識しているのを私がわかっていないように、演技するのも。


 でもミコトちゃんの胸があそこまで大きくなってるのは予想外だったなあ。

 ……触れたい、触れたいと思ってたけど。少し本気で嫉妬しちゃったぐらいに、その変化に驚いたっけ。

 ミコトちゃん、綺麗になったよ。本当に美しく成長したよ。ずっと見てきた私が言うから絶対にそうだよ?


 幼い頃にミコトちゃんとやっていたことを、またやりたいと思ってたのも。

 告白のあとにしようと、しようと我慢していたんだ。

 例えば食べさせ会いとか、ミコトちゃんとの間接キスに……嬉しくて箸を洗いたくなかったなあ(結局洗ったけど)


 風邪ひいちゃったのは予想外だけど、ミコトちゃんがお見舞いに来てくれることを信じてた。

 少し朦朧としてたけどね。あの時言っていたことは全部本当だよ?

 ミコトちゃんなら見せても大丈夫、ミコトちゃんにしか見せたくない。

 あの時、私の大好きなフルーツゼリーを持ってきてくれて……心の底から嬉しかったよ。

 それに……キスもしてくれたよね、このミコトちゃんからしてくれるのを何年も待ってたんだよ?

 少し、風邪で弱ってて。味わえなかったのは残念だけど、しっかりミコトちゃんの唇の感触も、ほのかなレモンの香りも覚えてる。

 ミコトちゃんには悪いけど、思ったんだ。もう少しかなって、あとひと押しかなって。


 そこでタイミングよく、男子が私を呼びだしたんだ。 

 ……ミコトちゃんはよく呼ばれてるけど、私もたまに呼ばれてたんだ。

 もっちろん! ミコトちゃん一筋で、全部断って来た。私が最初に結ばれるのはミコトちゃんだって、ずっと決めて、信じてたから。

 だからいつもは離れたところで告白を受けるところを、その男子には「この廊下でいいよ」って言ったの。

 ミコトちゃんが意識して、私のことを気にしてくれて、追って来るのが分かったから。

 

 ミコトちゃんは思いこみが激しいのも知ってるよ。

 だから時折話しを最後まで聞かずに決めつけちゃうよね。

 それを知ってるから、信じてるから。だから私は男子の告白をしっかりと断った。

 

 これでが決め手で、やっぱりミコトちゃんは私に告白してくれた。

 分かってた。知ってた。信じてた。

 だから驚いてはいないけど、とにかく心から幸せだったんだよ。



 ミコトちゃん、これからいっぱいいっぱい幸せになろうね。



 だいすきだよ。 




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ