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崑蟲王~外れスキル『昆虫テイマー』のオレはチートスキルでスローライフを満喫する……はずが、なぜか闇社会の実力者になっていた~  作者: テツみン


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第四話 王国軍が攻めてきた……はずが、なぜかヘンなやつらもついてきた⑲

「おねがいです! どうか息子を! この子を助けてください!」

 子供の母親らしき女性が、魔人化した子供を今まさに斬りつけようとしている衛兵の腕を掴んで、そう泣き叫んでいた。


「邪魔だ! どけ! 子供はもう助からない! このままでは、被害が出る! 殺すしかないのだ!」


 まとわりつく女性を跳ね除け、衛兵は剣を振り上げた!

 それを振り下ろそうとするのだが、剣が動かない。どうしたのかと振り向くと、そこに黒ローブを纏った仮面の男が立っていた。


「だ、誰だ、キサマは!?」

「ジャマだ。どけ――」と、衛兵を押し除け、魔人化した子供に近づく、仮面の男――つまり、オレだ。


「ダ、ダメだ! 近づくな! 子供だと思って侮るな! 異常にチカラが強くなっている! 殺されるぞ!」

 そう忠告する衛兵を無視して、オレは子供のクビに手を当てた。


「シャァァァァッ!」と威圧する声をあげながら、オレに噛みつこうとする魔人化した子供の口に、プロポリスの塊を突っ込む。そのままアゴを押し上げ、飲み込ませた。


「ギャァァァァッ!」

 魔人化してもどうやら味覚は残っているようだ。子供は地べたを転がって苦しんでいる。


「何をしたんだ!?」

「魔力を除去した。すぐにカラダは戻る」

 そう言っているそばから、醜い姿になっていた子供が、あどけない、どこにもいるようなカワイイ少年の姿へと変化していった。


「衛兵、魔人化した人たちを殺さず、生け捕りにするよう言って回れ。すぐに、オレの仲間が対処してくれる」

 それだけ言って、別の場所へ向かおうとした時――


「待ってくれ! 名前だけでも教えてくれ」

 衛兵にそう言われたので――

「臭いモノにまとわりつく小虫だ――」とだけ伝えて、オレはその場を去った。


 それからも順次、魔人化した人たちにプロポリスを服用させ、もとの姿に戻していく。ローズが『魅了』のアビリティを使い、暴れている魔人をおとなしくさせてくれたあとは、淡々と処置が進む。なんとか、全員、助けることができた。


 突然現れて、処置を施すと、さっと去っていく集団――「王都を救った、義賊――」と、市民の間でしばらく騒がれたりした。


 とにかく、犠牲者が出なかったことはなによりだ。

「――いや、犠牲者はいたか……」


 残念ながら、アクバルは帰ってこなかった――


「バグロード様、実は……」

「――えっ?」


 いつもの地下室に戻ると、びしょ濡れのアクバルがいた。


「潜入していた、屋敷の床が突然抜けて、地下の下水へ落ちてしまいまして……」


 そのまま、下水道に沿って進んだところ、たまたま黒薔薇商店の地下に戻って来れたらしい……


「はあ――」とオレは気の抜けた返事をする。

 まあ、生きていたのはなによりだ。


「予期せぬ出来事だったため、それ以上の調査は行えませんでしたが、これだけ持ち出すことができました」

 とアクバルが、オレに本を差し出す。

 手に取ると――


「く、臭い……」

 ドブのニオイだ。しかも、濡れている……


「すみません。下水に落としてしまいまして……」

 まあ、仕方ない――表紙だけ確認したが、古い文字で読めない。


「ローズ、これの解読を頼んでも良いか?」

「わ、わかりました……」


 ローズに本を渡すと、彼女はとてもイヤそうな顔をしながら、それを机の上に置いた。


 後日、その本にとんでもないことが記されていることがわかったのだが、それはまた別の話となる。

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