第四話 王国軍が攻めてきた……はずが、なぜかヘンなやつらもついてきた⑬
「おい! 日の入りまではあとどのくらいだ?」
ロイドはイライラした表情で、近くにいた兵士にたずねている。
「あと、一時間と少しです」
兵士がそう回答すると、ロイドは「チッ――」と不満をあらわにした。
「ああ、メンド―くせぇ。もう、待ってられねえや」
そう言って、神剣を手に取ると、テントの出口へ向かう。
「勇者様、いかがするおつもりで?」
「もう、村を焼き払うのさ」
その言葉を聞いていた、兵士たちが浮足立つ。
「し、しかし、日の入りまでは……」
「そんな約束守ってられっか! これだけ待って仮面のヤロウは出てこないんだ。村のヤツら、オレたちにしたがうつもりなんてないんだよ。だったら、さっさと殺した方が早いだろ?」
「で、ですが――」
何か言いたげな兵士の前に、ロイドは歩み寄り、顔を近づける。
「テメエ、がたがたうるさいんだよ。たかが、兵士のクセに。テメエから殺そうっか?」
「ひ、ひい……お許しを……」
兵士がビビっているのを面白がっているように、ロイドはニヤリとして、「そうか、わかってくれたか?」と相手の肩をポンポンとたたく。
兵士が「へ、へ、へ」と引きつり笑いをすると、ロイドはいきなり殴りつけた。
「ぐふぁぁぁぁっ!」
兵士がもんどりうって、地べたを転がると、「だったら、最初から口答えするんじゃねえ!」とロイドは怒鳴る。
「いいかぁ! 他のヤツらも文句はないよなぁ?」
目に入る範囲にいる兵士にそう言う。当然、誰も声を出さず、直立不動のまま立ち尽くしていた。
「ロイド、待て。全員を殺すのはやめろ」
それまで黙っていたバルボア将軍が口を開けたかと思えば、ロイドにそう言う。
「はあ? 何を言っているんだよオヤジ? 今さらビビっているのかよ!」
「そうじゃない。何人かを見せしめのために殺しなさい。そして、早く仮面の男を連れてこないと、犠牲者が増えるぞと脅迫するのだ」
おいおい、それが王国軍の将軍様がやることかぁ? 悪党と変わりないじゃないか――
オレは呆れてしまう。




