第四話 王国軍が攻めてきた……はずが、なぜかヘンなやつらもついてきた⑫
トルト村のみんなと合流する前に、オレはトルト村を包囲していた灰色のローブを着た輩を次々と捕まえた。そして、最後のひとり……となったのだが、なんか様子がおかしい。
女性、それも獣人だった。なにより、異様だったのはその容姿――
カラダに密着した紺色のボディ・スーツを着用していた。オレが前、生活していた世界では、レオタードという女性用のスポーツウエアに近い。
つまり……目のやり場に困る……
「え、えーと、そんな格好で寒くない?」と、心配してみた。
「これは、スライムの粘液を固めて作った素材で、薄くても保温性は高く、強度もあり……って、ワタシ、何を説明しているのでしょう?」
なんか、とても混乱しているようで、いろいろと慌てている。
まあ、この際、どうでもイイか。
「キミも古代聖教の仲間?」と単刀直入に聞いてみた。
「い、いえ、私はシャドウバタフライの……あ、これは言ってはいけないのでした」
――と、口を塞いでいる。
うーん、どういうリアクションを取ればイイのだろう……
とりあえず、古代聖教ではなさそうだけど――
「どうして、こんなところに? 何が目的なの?」
「私は、黒いローブに仮面を被った男の調査で……って、もしかして、アナタがその人物?」
さて、ココは『はいそうです』と応えるべきなのだろうか?
そんなくだらないことで悩んでいると――
「その人物と接触は避けるように言われていました。なので、すみません」
「――えっ?」
いきなり、何かを地面に投げつけると、「ボンッ!」という音が響いて、煙幕が広がった。
それは風ですぐに晴れるのだが、謎の女は姿を消していた――わけでなく、ずいぶん遠いところを逃げていた。
「身体強化魔法かな? それともあのスーツの効果? うーん、ちょっと興味があるな……」
まあ、そのうち接触する機会はあるだろう。
それにしても、『影の蝶』ね……
この世界には、まだまだ知らない闇組織が存在しているようだ。




