第四話 王国軍が攻めてきた……はずが、なぜかヘンなやつらもついてきた⑪
「うわっ! 仮面の男!? いつの間に!?」
トルト村に戻ったオレは、その周辺に潜んでいた怪しい男たちと接触した。灰色のローブを着込んでいるところは全員同じだが、複数に別れ、トルト村と軍を取り囲んでいる。ココはふたり組だったようだ。
男たちは何かを手にして、慌ててオレに投げようとしたので、空間操作を利用し、相手のうしろへ回り込むとその腕を掴む。そして、引きずり倒すと両手両足をやはり空間操作で作った縄の輪で縛った。
「な、なんだこれは!?」
「ひ、ひいっ!」
その早業に驚いて何もできないでいたもうひとりにも、同じ方法で手足を縛る。
今度は口を開けさせるとキラービー族のプロポリスを突っ込み、アゴをクイッと持ち上げ、ムリヤリ飲み込ませた。プロポリスはかなりひどい味なので、相手はメチャクチャせき込んでいる。
「ゴホッ! ゴホッ! な、何を飲ませた!?」
その質問を無視して、もう一人にも同じ方法でプロポリスを与えた。
さてどうかな?
そいつらを鑑定すると、彼らの状態異常が消えていた。思った通りだ。
「くそっ……やむを得ない……使徒、セイモン様のために」
「使徒、セイモン様のために」
ふたりはそう声にするのだが、何も起きない。男たちは慌てだした。
「な、なぜだ。ナパームの術が発動しない!?」
「ナパーム? 名前からして火属性の魔法かな? まあ、イイか。あとで詳しく説明してもらうよ」
オレは相手にそう伝える。
「い、いったい、何をした!?」
「ああ、いきなり自爆してもらうと厄介だからね、プロポリスを体内に入れて魔力を一時的に封印したんだ」
キラービー族のプロポリスは魔力を打ち消すチカラがある。それが体内に入ったので、彼らの魔力は中和され、魔法が使えないようになっていたのだ。
「プ? ポ? なんだそれは!?」
それはもう説明してあるから――改めてはやらないよ。
ということで、そのまま放置。オレは次のヤツらへと向かう――
そんなことを繰り返し、あっという間に十二人の男たちを拘束した。
それにしても、オレひとりに十二人の刺客を送るとはずいぶんと評価されたものだ。
「さて、これでひととおり終わったかな? いや、もうひとり?」
村が一望できる丘に人影を発見。さっそく、空間移動で向かう――
「えっ? えっ? えっ?」
慌てている人物。だが、なんか様子が違う。
灰色のローブを纏っていない。それに女性。かなり若い。おまけに大きな耳が頭の両サイドに垂れ下がっている――と、いうことは……
獣人?




