第四話 王国軍が攻めてきた……はずが、なぜかヘンなやつらもついてきた⑧
トルト村に王国軍が向かっているという情報で村人が村長のところに集まって、どうするかを話し合った。しかし、なにも決まらない。
ついには、仮面の男に助けを頼もうなんて言い出した。
そんな、どこにいるかも知らない相手をあてにするなんて……まあ、ここにいるけど……
まいったなあ……なんて思っていると、オレはいい案を思い付く。
あとは、みんなが信じるかどうか――だけど……まあ、その時はその時か。
そう考え、オレは「もしかしたら、オレ、仮面の人と連絡が取れるかもしれない」とみんなに言った。
「えっ? アンリ、それホント?」
セリーネが驚いた顔をしているので、「うん、たぶん……」と応えたあと――
「オレ、ジュラの森で迷子になったとき、その仮面の人らしい人物と出会ったことがあるんだ」
もちろん、口からの出まかせだ。時間があれば、もう少しまともな作り話を考えるのだけど、即興ではこれが精一杯である。
「そのときに、『なにか困ったことがあれば、オレをたずねればイイ』、そう言ってくれたんだ。だから、その人物と出会った場所までいけば、会えるはずなんだ」
うーん……自分から言い出したことでなんだが、かなり、ムリがあるなぁ……
みんなの顔を見ても、あきらかに疑っている。ああ、アドリブ力のなさが恨めしい……
「もしかしたらと思っていたけど、アンリ、やっぱり仮面の人と知り合いだったのね」
セリーネがそう声にする――へっ?
「さすがアンリだ!」と、みんながよろこんでいる。あれ? 信じたの?
「アンリ、頼む! 仮面の人を連れてきてくれ!」
村の人たちに頭を下げられて、オレは苦笑いになる。ああ、もう引き下がれないなぁ……
「アンリ! お願い! 私もそこへ連れて行って!」とセリーネ、ええっ!
いやいや、そんなことを言われても困るんだけど――そもそも、そんな場所ないし……
「ご、ゴメン、セリーネ。実は仮面の人から、『この場所は知られてほしくないから、キミ以外は誰も連れてこないで』と言われているんだ。だから、オレひとりで行く」
もちろん、これも即興で考えた。頼む、これであきらめてくれ!
「で、でも――」とセリーネはあきらめられない様子――ああ! どうすれば……
「セリーネ、ここはアンリに任せるんだ」と、村長が彼女を説得してくれた。
ほっ……
「う、うん。わかった。アンリ、お願い! なんとしても仮面の人を連れてきてね!」
「ああ、約束するよ。きっと、大丈夫」と、彼女の肩をポンポンとたたいた。
あとは、バルボアが思惑通りに動いてくれれば――




