第四話 王国軍が攻めてきた……はずが、なぜかヘンなやつらもついてきた⑦
三日後――
王国軍が向かっていることはすでに、トルト村でも知ることになっていた。
「村長、どうするんだよ」
今、村人が集まり、対応を話し合いが続く。
「どうすると言っても……こちらには歯向かう意志がないことを伝えるしかあるまい」
村長のドルトネはそう応えるのだが――
「つまり、降伏するっていうこと? それじゃオレたち、どうなるのさ?」
その質問に、誰もが口をつぐむ――
しばらくして、村人のひとりが――
「こんな話を聞いたことがある。何年か前、ある村が天候不良で作物が育たず自分たちが食べるモノさえやっとという状況だったそうだ。当然、国に税金を納めるためのカネもなく、取り立てにきた役所の人間を追い返したらしい。その村は――」
「その村は――?」
「数日後、王国軍に村を包囲され、拘束されたあと、オンナ、子供も含めて全員、奴隷として売られてしまったそうだ」
「そ、それじゃ、オレたちも?」
その問いかけに、誰も応えられない。
「ど、奴隷なんかなってたまるか! オレは戦うぞ」
そう声にしたのはサムだった。ボブとジャックも、「そうだ! オレも戦う!」と言い出す。
「ちょっと、冷静になってよ! 相手は軍よ! 勇者ひとりにだって、あの仮面の人が現れなかったら、何もできなかった私たちが勝てるわけがないでしょ?」
セリーネがそう三人を説得するのだが――
「それじゃ、黙って奴隷になるつもりかよ!」
「そ、それは……」と、彼女も口ごもる。
「くそ……あのクズ勇者め。仮面の人にはボコボコにされたクセに――」
「そ、そうよ。仮面の人に助けを求めましょ!」
セリーネはそう提案するだが、「どこにいるのかもわからないのに、どうやって?」と祖父である村長にたしなめられ、また口ごもってしまう。
まいったなあ……まさか、アレはオレです――とは言えないし……
それに、オレが仮面の男になってまた軍を蹴散らしても、結局、バルボアは人数を増やして再びやってくるだろう。それじゃ、ラチが明かない。
何かイイ手はないかなぁ……
ん? そうか――相手は『軍』でも、『勇者』でもなく、あのバルボアなんだ。
だったら……
フ、フ、フ……イイ手を思い付いた。




