第四話 王国軍が攻めてきた……はずが、なぜかヘンなやつらもついてきた⑥
オレが何者なのか?
そんな質問をされて、面食らってしまう。うーん……オレって実際、何者なんだろう?
自分でもよくわからん。
すると、隣にいたローズがいきなり駆け出し、右腕をランスのような鋭角な円錐形に変形させると、アクバルの顔の前に突き出した。そんなこともできるの? ローズって意外と芸持ちだよな。
「アクバル! バグロード様に失礼です! 今すぐ謝罪しなさい! さもなければ、アナタを殺します」
いやいや、ちょっと待て。
「ローズ、イイのだ。許可したのは私だ」
激しく怒るローズをオレは急いで諫めた。そうしないと、本当に刺し殺しそうな勢いだった。
「し、しかし――」
「それとも、その程度の質問で、オレが憤慨した――と笑い者にされたいのか?」
「も、申し訳ありません! 出過ぎたマネを……」と彼女は萎縮しまくっている。なんか、言い過ぎた気がして、心の中で「ゴメンね」と言った。
それはともかく、どう応えればイイ? まさか、『ただの村人で、昆虫テイマーです』とは言えないしなあ……
「オレは……臭いモノにまとわりつく小虫だ。それ以上でも、それ以下でもない」
と答えたけど――なんだそれ?
自分で言ったことだが、意味がわからない。ヤベエ……
「――なるほど、お聞きしたかった以上のお答えをいただきました。このアクバル、バグロード様の期待に必ずや応えたいと思います!」
――えっ? あれ? なんか納得しているのだけど――どうして?
「そ、そうか――では頼んだぞ」と、ちょっと引き気味に応えた。
「ではっ!」
そう言って、彼は出て行った。
はあ……この世界の人は、役者じみたセリフが好きなのかなぁ……




