第三話 クズ勇者にボコボコにされた……はずが、なぜかボコボコにしていた⑨
リリアから連絡を受けたあと、急いで王都へ向かう。
郊外の森の中で、ケーニッヒは死んでいた。
それにしても、どうしてこんなところで?
近くに大きな街道があるのだが、ケーニッヒが死んでいた場所は、そこから十メートルほど外れた草むらの中だった。
「外傷もなく、争ったあともありません」とダークエルフのメイファが状況を説明する。
ということは、病気か? いや、毒殺ということもあるか――そうだとしたら、十年前のことをバラされないように、バルボアが殺した?
いや、ケーニッヒには協力者がいるとか言っていた。そして、自分が死んだら、協力者が十年前のことを公表するとか言っていた。
バルボアが殺したのではないとしたら、いったい、誰が――?
うーん、わからない。
それにしてもどうして、こんな場所に?
「いかがしましょう?」とメイファがたずねてくるので、「とりあえず、こんなところに放置するわけにはいかないだろう……」と応える。
だからといってもなあ……
仕方なく、ケーニッヒの遺体をそこから持ち出し、黒薔薇商店の地下へ隠した。
今は、別の部屋でローズも加え、今後について話し合っているところだ。
「それで? 死人を隠して、どうするのさ?」
リリアが質問してきた。この状況をなにか使えないかと考えたのだが――うーん、実はまだ何も考えていない。
「リリア、アナタはそんなこともわからないの? バグロード様の崇高な企てを――」
そう声にしたのはローズである。えっ? どういうこと?
「そうですよね? バグロード様?」
私はそれに気づきましたよ――と言いたげな、自信満々な顔でオレを見る。
「ま、まあな――よくぞ気づいた。ローズよ」とオレはそれらしく応える。
いや、『崇高な企て』なんてわからないのだけど?
「なんだよ? もったいぶらないで、教えろよ」
「バグロード様がアナタにもわかるように説明してくださるわ」
――えっ?
いや、オレもわからないのだけど……こういう時には、いつも手段……
「うむ、ここはオレの思惑に気づいてくれた、ローズから説明することを許す」
「いえ、彼女らに納得してもらうためには、ぜひ、バグロード様から――」
うわっ! そんな切り返しがあるとは!
ヤバい……もう、逃げ道はない。ココは素直に謝っちゃうか……




