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崑蟲王~外れスキル『昆虫テイマー』のオレはチートスキルでスローライフを満喫する……はずが、なぜか闇社会の実力者になっていた~  作者: テツみン


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第二話 ハチミツの儲けを取り返す……はずが、なぜか組織ごと乗っ取っていた㉑

 勇者パーティの紹介は続く。


「次に、魔導士、ニグレア・ハスパー!」

黒いとんがり帽子に黒のローブ姿の女性が現れた。ウェーブのかかったセミロングの赤毛。ちょっとつり目で気の強そうな少女だ。


「彼女も今年王国学校を卒業しました。高名な魔導士が多いベルベスタ公国の公爵令嬢で、魔導士課程を歴代トップの成績を収めたそうです。火、風、水、土の属性魔法を操り、特に火属性はレベル五の極大魔法まで習得しているそうです」


 レベル五か――それはスゴい。


 極大魔法とは広範囲の敵を戦闘不能にできる高出力の魔法だ。当然、大量の魔力を必要とする。人類でそこまで習得できた者は、歴史上でみても、数十人というところだろう。

 詠唱時間に難点があるモノの、それを十代でマスターしている――というだけでもタイヘンな才能の持ち主だ。


 先に話したS級ダンジョン制覇には、彼女もロイドのパーティに加わっていたとのこと。

 なるほど、相性も実証済みなんだな。


「そして、ガルチ聖教国より聖騎士団、副団長、ハリス・スミス!」

「――えっ?」とオレは思わず声が漏れてしまった。ガルチ聖教国から?


 民衆も知らなかったようで、大きなどよめきが起きている。

「これはおどろいた。ハリス・スミス聖騎士といったら、ミノタウロス十体をひとりで倒したと聞くぜ。一度お目にかかりたい――そう思っていたんだよな」

 リリアも興奮している。


 現れたのは純白の軍服を着た身長二メートルくらいありそうな大男だった。するとメイファが――

「まさか……手にしている大盾は、聖教国の秘宝、神盾(しんじゅん)アイギスでは!?」と声にした。


 神盾アイギス――聞いたことがある。怪物、メデューサ討伐の際、その攻撃を全て防いだという伝説の盾だ。本物を見る機会があるとは――


「そして、最後にガルチ聖教国、聖女、ミリア・パウロ殿下!」


「うぉぉぉぉっ!」という大歓声が湧き起こった!

 その中、純白の修道服を着た、銀髪の可憐な少女が姿を見せる。


 彼女の名前はこの大陸全体に知れ渡っていた。

 ガルチ聖教皇、グスタフ・パウロの孫で、彼女が生まれた時、女神アスタリアが現れ、『この子は聖女である』という神託があったそうだ。

 以来、彼女の周りではいくつもの奇跡が起きていると聞く。

 まだ、十六歳だが、レベル五の光属性魔法も習得している――なんて、話も聞く。


「スゴいなあ! これなら、本当に魔王を倒せるんじゃないか!?」

「ばか言え! ()()()()()――じゃない! 倒せるさ! 確実にな!」

 そんな声が、オレの周りからも聞こえてきた。


 まあ、たしかにスゴいメンバーがそろった。それにしても、よくガルチ聖教国は至宝とも言える二人を寄越したものだ――ああ、なるほど。それで大司教も来賓として出席しているんだな。


 パーティメンバーの紹介のあと、国王陛下が四人への謝辞と期待について述べる。

 そのあと、バルボア将軍が壇上に上がった。


「フーベル地方での屈辱的敗戦からもう十年である。もはや、あの頃の記憶を思い返す機会も減ってきた。しかし! 魔族の脅威は終わっていない! 今でもフーベル地方に取り残された王国民は不当な弾圧に苦しめられているに違いないのだ! そうであろう?」


 バルボアは壇上の演説台を叩き、集まった民衆に問いかける。


「いや、脅威はすぐ目の前まで近づいているのかもしれない! 昨日、王都郊外で大きな爆発事故が起きたことは、すでに承知のことだろう――」


 ――えっ? それって、もしかして――

「いやぁ、アレはスゴい音だったなあ……」とリリアが頭を掻くと、メイファもウンウンとうなずく。

 それを見て、おれは「ハ、ハ、ハ――」とチカラなく笑った。


「あの犯人はいまだわかっていない。だが、軍はこれに魔族がからんでいると考えている!」


 ――――――――おいおい。


 バルボアの発言に、聴衆がざわざわとし始めた。ごめんなさい。オレがからんでます。

 まさか、こんな騒ぎになっているとはなあ……

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