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崑蟲王~外れスキル『昆虫テイマー』のオレはチートスキルでスローライフを満喫する……はずが、なぜか闇社会の実力者になっていた~  作者: テツみン


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第一話 アマゾンで楽しい昆虫採集……のはずが、なぜか異世界に転生していた⑪

「きゃあ! アンリ! だから、ダメだって!」

「ちょっと、ローズ! どうしてくれるの! アンリ、死んじゃうよ!」

「そんなことを言ったって――うわぁぁぁ! どうしよう!」


 崑蟲族の娘ふたりが慌てふためく間、オレは自分のカラダに変化が現れ始めるのを感じていた。

 外見は変わらないのだが、凄まじい気力がみなぎってくる!


「き、きたぁぁぁぁっ!」

「「な、なにぃぃぃぃっ!」」

 オレが叫ぶと、ハニーとローズはビックリして、悲鳴のような声をあげた。


 痛みがある程度おさまったので、さっそく立ち上がり、ジャンプする。いきなり十メートルくらい跳び上がれた!


「おおっ! すげぇ!」


 着地。その衝撃も余裕で吸収できている。

 続いて、魔法をためしてみた。オレはそもそも、どの属性魔法の適性も持っていない。それでも、火を灯すくらいの生活魔法は使えた。だが、この魔力なら!


「ファイアボール!」

 騎士団の魔導士がやっていたことをマネしてみると――


 ゴォォォォ!


 激しく燃える火の玉が、飛び出し木に直撃。


 バーン!

 木が爆発!


「「きゃあ!」」

 ハニーとローズが抱き合って、悲鳴をあげている。この二人、実は仲がイイよな。


 燃えている木片が飛び散って、このままでは山火事になりそうなので、今度は水属性魔法の『スプラッシュ』で消化!


「「きゃあ!」」

 今度は、頭から水を被り、ビショビショになった娘ふたり。まあ、水着なのだからイイよね?


 しかし、これで――


「よーし! 思ったとおりだぁ!」

 オレは興奮して、そう喜んだ。


「アンリ、いったい、何なの?」

 わけがわからない――そういう顔のローズに、オレはこう説明する。


「ハニーからキラービー族のローヤルゼリーをもらったことがあったろう?」

 オレの質問に、「うん、ほしいって言うから、あげたけど?」とハニーは応える。



 それは数日前、「いつもローヤルゼリーを食している」と、ハニーから聞いたことから始まる。


 地球に生息するミツバチの女王バチは働きバチから分泌されるローヤルゼリーを食して生きている。それにより、女王バチはカラダが大きくなり、卵を産む能力を授かるのだとされていた。それだけでなく、働きバチに比べ十倍以上、長生きらしい。


 崑蟲族、つまり魔物であるキラービー族のローヤルゼリーもどうやら同じような効果がありそうなので、試しに服用してみたところ、すぐに効果がみられた。とにかく、いくら動いてもまったく疲労を感じないのだ。

 体力だけでなく、脳にも効果があるようで、記憶力がものスゴく上がった。魔力も向上したように感じる。


 そこでオレは考えた。スズメバチを起源とするベスパ族のVAAM(ヴァーム)も、きっと同じような効果があるだろう――と。


 その推測は正しかった。ベスパ族のヴァームはキラービー族のローヤルゼリーより即効性があるようだ。そして、なにより魔力の向上が桁違いだ!

 ローズが言っているように、ベスパ族以外が服用すると劇薬になるらしい。オレも激しい痛みを感じたが、すぐに順応できたようだ。理由はわからん。特異体質だということにしよう。



「フ、フ、フ――このまま、ヴァームを服用していけば、ヒト並み以上の体力と魔力を手に入れられそうだな」

 オレは禍々しい含み笑いを見せる――何度も言うが、今のオレは六歳だ。


「ちょっと、ヒト並み以上って――もしかして、アンリは人族を支配したいの?」

 ローズがそんなことを言うので、オレは「はあ?」とヘンな声を出してしまう。


「人族を支配? そんなことして、何がおもしろい?」

「それじゃ、どうしてそんなに体力と魔力を必要とするのよ」

「もちろん、崑蟲族を研究するためさ!」


 前世で、『研究は体力だ』とオレは悟った。広大なアマゾンで昆虫を追い求め駆け回る体力はもちろん、ディスクワークにあたるための集中力だって基本は体力である。

 それだけでない。自然界は危険がいっぱいだ。肉食獣から逃げることもある。毒虫などに刺された場合だって、体力があればなんとか動ける!


「それに、崑蟲族は大型で強靭だからな。それと付き合うためには、自分自身もカラダを鍛えないと相手ができないだろ?」

「「はあ……」」

 ハニーもローズも、気の抜けた返事をする。


 対称的に、オレの興奮度は絶頂に達していた!


「イイか? 異世界で魔王討伐や世界制覇なんて、もう時代遅れだ! 今や『オレTUEEE! だけど、ひっそりスローライフ』が主流なのさ!」


 オレはそう力説する。


「よ、よくわからないけど、アンリは世界制覇よりもスゴいことをやろうとしているのね!」

「そ、そうなんだ。さすがアンリさまぁ!」


 なんか、娘ふたりは勘違いしているようだが、気にしないことにした。こっちにラノベもアニメ放映もないし、仕方ない。


 こうして、オレの『崑蟲と一緒に異世界スローライフ人生計画』は着々に進められていくのであった!

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