王宮に帰還しました
「リリカ!!」
王宮に到着すると、リリカの元へと一直線に走って来たウィリアムに抱き締められた。ウィリアムの後ろにはなぜかスカーレットもいる。
「リリカ、無事だったんですね!!」
「お兄様、スカーレットも。どうしてここに?」
「リリカが見付かったと聞いて、ここで待っていたんだ。本当に心配したんだぞ」
「そうですよ。急にいなくなったって聞いて、もしものことがあったらって私心配で……」
「2人共、ごめんなさい……」
「本当に無事で良かった」
ウィリアムは安堵のため息を吐く。
「とりあえず中に入ろうか」
部屋に移動し、何があったのか2人に説明した。
「では2人は本当に結婚するのですか?」
ウィリアムは疑問を問い掛ける。
「当然だよ」
レイリックは即答した。
「リリカもそれでいいのか?」
「ええ、もちろんですわ」
そう返事をして、2人で顔を見合わせ、お互いに笑みが溢れる。
やっぱりお似合いのお2人ね。幸せそうで良かった。
スカーレットはリリカとレイリックの様子を微笑ましく見ていた。
「可愛いなぁ」
そう言うとレイリックは突然リリカに抱き付いた。
「レイ!?」
「まだ早いです!! 殿下、リリカを離してください」
「これぐらい別にいいでしょ? ねっ、リリカ?」
「っ〜〜、はっ、はい……」
「ほら、リリカもこう言ってるんだし」
「っいつの間に呼び捨てに……。それにリリカは優しいから嫌と言えないだけですから。きっと本当は離れたいと思って」
「ウィル」
スカーレットはウィリアムの袖を軽く引っ張った。
「いいんじゃないですか?」
「え? スカーレットまで何を」
「だって変なことはしていないじゃないですか」
「それは……」
「それにお2人ともとっても幸せそうですし」
「うぐっ。……そ、そうだな、仕方あるまい」
リリカの幸せのためならと思い、ウィリアムは引き下がった。
お兄様が許可した!?
公爵が認めるなんて、スカーレット嬢もなかなかやるね。
「それで先程から1つ気になっていたことがあるのですが」
「なんだい?」
「そちらの男性は殿下のお知り合いですか?」
ウィリアムは男神を見て、尋ねた。
「植物の神様だ。創造神でもあるらしい」
「え……」「えっ」
ウィリアムもスカーレットも驚きのあまり、固まってしまっている。
「間違いない」
「……そこまで仰るのなら信じましょう。ですがどうしてこちらに?」
レイリックは状況を説明する。
「なるほど。事情は分かりました」
「聖女殿をここに連れて来てくれ」
レイリックが護衛の1人に命じる。
カチャ
しばらくすると扉が開き、シェリルが中に入って来た。
「無事だったみたいね」
「ええ……」
「安心しなさいよ。王太子殿下を奪う気なんてないんだから」
「え?」
「私は初めから殿下のことなんて好きでもなんでもないんだから」
「えっ、そうだったの!?」
「てっきり私……」
「わ、悪かったわよ……」
「え?」
「変なこと言って」
そう言ってそっぽを向いている。
「シェリルだ。やっほ~」
「誰よ」
「植物の神だよ。君を転生させた」
「……はあ?」
転生? 一体どういうことなんだ?
レイリックは声には出さなかったが、頭の中に疑問が浮かんだ。創造神のことを説明したとき、リリカはレイリックたちには転生のことを省いて説明したのだ。
「ーーっていうわけでちょっと協力してほしくてね」
なんて勝手な。
「一発、殴ってもいいかしら? 納得いかないわよ。こんな勝手なことっ」
シェリルは憤り、男神に詰め寄る。
「ちょっ、落ち着いて、シェリル。協力してくれたらなんでもするからっ。ねっ」
「1つ確認させて。私はもう二度と転生したりしないの?」
「死ぬまではないよ。僕が転生させない限り、そうなることはあり得ないから」
「っ分かったわ。言ったわね。なんでもするって」
「うん、約束するよ」
「聖女様?」
「いきなり知らないところに転生なんてさせられていつ消えるか分からないと思ってた」
「えっ」
そんなこと、考えてもみなかったわね。
リリカ?
リリカはレイリックに訝しげに見られていることに全く気付いていなかった。
「特別に協力してあげるわよ」
「本当!?」
「仕方ないでしょ」
「助かるよ。じゃあ行こっか」
男神を筆頭に全員で神木の元へと向かった。通り掛かった人々は男神を見て、誰だろうか、と不思議そうにしていたが、誰も問い掛けることはなかった。




