第2王子を捜して……
「まだ戻られていません」
夜が深まった頃、1人の侍従が告げた。
「普段でしたらすでに戻られている頃なのですが」
レナードはいまだに帰宅していなかった。
「……ロベルト、探せる?」
「ああ、もちろんだ。任せろ」
そう言ってどこかに向かって飛び出して行こうとしたロベルトだったのだが、
「待って」
男神に呼び止められた。
「なんです?」
「僕が探した方が早いでしょ」
「えっ。探せるの?」
リリカは驚いて尋ねた。力を失いつつあると聞いていたため、そのようなことか出来るとは思わなかったのだ。
「これぐらいならね」
少しして、
「見付けた。けど、これは……」
「レナードは無事?」
心配になったレイリックが尋ねる。
「今のところはね。見せた方が分かりやすいかな」
そう言ってその場にいた全員に今の状況を見せた。
それはレナードが2人の男女と相対する様子だった。
「!! レナード!!」
「えっ、あのお2人って」
リリカはその様子を見て驚いた。なぜなら彼らは昼間にレナードと話していた2人組だったからだ。
「知ってるの!?」
「はい、昼間にお会いしました。レナード殿下が以前通われていた学園の同級生だとか」
「……そうか。とにかく向かおう。リリカ嬢はここに」
「いえ、私も行きます」
「だけど、危険だ」
「分かっています。ですが連れて行ってください。何か出来ることがあるかもしれませんし」
「いいんじゃない。たぶん、今回はリリカがいた方がいいと思うよ」
「?それはどういう」
「さっ、行こう」
「レイリック様」
「……分かった。僕から離れないこと、いいね」
「はい!!」
一同は魔法で空中を飛び、男神の先導でレナードの元へと向かうことになった。魔法が使えないリリカはレイリックに抱きかかえられて移動する。神力を使えば空を飛べるそうだが、今は力を温存すべきとの判断だった。
「リリカ嬢、何か気になることでもあるの?」
空を飛びながら、レイリックに尋ねられる。
「えっ」
考え事をしていたリリカは驚いて顔を上げた。
「……実はレナード殿下が仰っていたことが気になってしまって」
「レナードが?」
「はい。その……レイリック様のことを騙してたって」
「そんなことを……。レナードは昔からあまり自分のことを話すタイプではなかったけど。兄弟だからといって、よく会うわけでもなかったから。だから留学するときに話したきり、婚約者が出来たって僕から伝えるまでは連絡すらなかったんだ」
「そうだったのですね……」
「見えたっ」
そこは森の奥深くだった。例の男女がレナードに何らかの攻撃をする様子が見えた。
レイリックは慌ててレナードの周囲に防御魔法を張った。
ドオンッ
攻撃は防御魔法に当たった。頑丈な防御魔法はびくともせず、攻撃魔法は爆散した。
「大丈夫!?」
「ご無事ですか!?」
「えっ、兄さん!? 義姉さんもどうして……」
「心配で来たに決まってるでしょ。まずはあの2人をなんとかしないとね」
そう言うとレイリックは彼らの方に向き直った。




