王太子様との再会2
「可愛いなぁ」
「あっ、あのっレイリック様。そろそろ降ろしてくださいっ」
リリカはなぜかレイリックに抱きかかえられ、膝の上に乗せられている。
どういう状況なの!?
「嫌だよ。もう逃さないんだから」
「に、逃げたりしませんからっ!!」
「本当かなぁ」
「本当ですっ」
「でもまだ離さないよ。ずっと我慢してたんだから。そんなに嫌なの?」
「っ!!」
ずるい……。そんな言い方されたらダメなんて言えないじゃないっ。
「ううっ。分かりました。このままで大丈夫です……」
「良かった。嬉しいなあ、一緒にいれるなんて。ところで、1つ聞きたいことがあるんだけど、君が街で連れていた男は誰だい?」
笑顔で問い掛けられたが、目は笑っていない。レイリックの纏う雰囲気が突然変わったことにリリカはすぐに気が付いた。
「えっと……」
見られてたのね。でも、なんて説明すればいいの!? レナード殿下は信じてくださったけど、本人?本神がいないのに説明出来る気がしないわよ。
「あ、あの人はその……神様ですっ」
あっ、つい本当のこと言っちゃったっ。でもいずれ説明しないといけないものね。
「……神様?」
「はい。植物の神様です」
リリカは神様から聞いた話しを全て話した。
「なるほど?」
レイリックは意味が分からないというように首を傾げている。
「信じられないとは思いますが本当なんです」
「うん。リリカ嬢の言葉を疑っているわけではないよ。ただ、だとしたらそんな状況でのんびり遊びに行ったってことかな?」
「……そうなりますね」
そのとき、扉が無造作に開けられ、
「やっほ〜、戻って来たよ〜」
という声が聞こえた。
「あっ、神様」
男神の手には屋台で買ったであろう串があった。
「あれ? もしかしてリリカの婚約者?」
「そうだよ。貴方が神様だね」
「うん。そうだよ。君はあっさり信じるんだね」
「人の纏う空気感ではないからね」
「そっか」
「じゃあ帰ろうか」
「ええっ!? もう? もう少しぐらいいたらダメ?」
「ダメだ。状況分かって言ってるのかな? 帰るよ」
「はぁ、仕方ないなぁ。分かったよ」
男神は渋々という感じで了承した。
「おっ、無事仲直りしたみたいだな」
ロベルトが扉を開け、レイナもともに中に入って来た。
「ロベルト、ああ、お陰さまでね」
「それはそれは」
ロベルトは2人の様子を見て、にやついている。
「レイナ、心配かけたわね。また戻ることにしたわ」
「お嬢様……。承知いたしました」
「そうだ。レナードはまだ帰って来てないの?」
「はい、そのように伺っております」
「そっか。ならレナードが帰って来たら出発しようかな」
だが、夜が深まってもレナードは帰って来なかった。




