街の散策中
リリカは今、レイナとレナードと共に外出している。
もう帰らないといけないって分かってはいるけど、神様もどこか行っちゃったし。
リリカは折角なので街を散策することにしたのだ。
本当はレイナと2人で出掛ける予定だったのだが、レナードに伝えたところ、何かあったら大変だからと付いて来てくれることになったのだ。
もし事件にでも巻き込まれたら、僕が兄さんに怒られるからな。
「義姉さん、行きたいところはある?」
「あの、私はもう義姉ではないのですが……」
「別にいいでしょ。義姉さんは義姉さんなんだし。何も変わらないよ」
兄さんが義姉さんを諦めるとは思えないし。
「えぇ……」
「それで、どこか行きたいところはあるの?」
「えっと、この辺りで有名なお店とかありますか?」
「うーん……あっ、近くに雑貨屋さんがあるんだけど、そこが人気みたいだよ」
「ではそこに行きたいです」
「じゃあ案内するよ」
しばらく歩いていると、大通りから少し中に入った隠れた場所に一軒の店が見えた。
こぢんまりとしていて良い感じのお店ね。
店に入ると1人のお爺さんがレジのところに立っていた。リリカは店内をぐるりと見回した。すると、
「!! これはっ」
リリカの目線の先には湯呑みが置かれていた。
「これを買いましょう!!」
リリカは迷うことなく購入することに決めた。
「あの人は……」
そのとき、窓の外を見たレナードが呟いた。
「義姉さん、悪いけど少し外を見て来るよ」
「はい、どうぞ」
どうかされたのかしら?
疑問に思いながらも会計に進んだ。
リリカは会計を終えると、すぐに外に出た。
「レナード殿下、どちらに行かれたのかしら?」
リリカはレイナと大通りまで移動した。
「あっ、あそこでは?」
「本当ね。あの方々はお知り合いなのかしら」
レナードの前には一組の男女がいた。何か会話しているところのようだ。
お邪魔するわけにもいかないし、どこかでお待ちしていようかしら。でもなんとなくだけど、ご様子が変なような。
リリカは何か違和感を感じていた。
レナード殿下はレイリック様と同じで、いつも誰に対しても笑顔で振る舞って。ええ、今もそうよ。だけど、どこか無理矢理笑っているような、そんな……。
「お嬢様?」
レナードのことが心配になったリリカは、早足でその場に向かった。




