王宮にて
リリカが出発した翌日の早朝、王宮では……
「なあ、ちょっといいか?」
「料理長、どうされました?」
「いや、レイナさん、リリカ様の食事取りに来ないんだが、具合悪いのか?」
料理長は通りかかった侍女に尋ねる。
「えっ、そのようなことは伺っておりませんが、確認してきます」
侍女はレイナの部屋に向かったが、鍵は掛かっておらず、中には当然誰もいなかった。そして、荷物も何も残っていない。
「これって一体……。とにかくリリカ様のお部屋に向かわなきゃ」
リリカの部屋に到着した侍女はノックをするが返事はなく不審に思い、扉を開けて中に入り、リリカの書き置きを発見した。
「ええっ!? これって!!」
その侍女は慌ててレイリックの元に報告に向かった。
「あっ、ロベルト様っ!!」
「どうした?」
ちょうどレイリックの執務室に向かっているところだったロベルトに出会した。
「それが、大変なんです!! これを」
リリカの書き置きをロベルトに渡した。
「これはなんだ?」
「それがリリカ様のお部屋に残されていたんです」
「なんだって!?」
「リリカ様もレイナさんのお姿もなくて」
「う、嘘だろ!? っ殿下にご報告しないと」
ロベルトは急いでレイリックの元に向かった。
バンッ
侍従長は扉をノックなしで乱雑に開ける。普段見ない取り乱した姿に周りの騎士も困惑気味だった。
「ロベルト? 何かあったの?」
「レイ、大変なことになったぞっ。これを見ろっ!!」
置き手紙を渡す。
「これは……」
「リリカ嬢の部屋にあったらしい。リリカ嬢もレイナの姿もないようだ」
「なっ!? どうしてっ!!」
レイリックは驚きが隠せない様子で叫ぶ。
レイリックは立ち上がると、リリカの部屋へ走って向かっていった。ロベルトもレイリックの後を追った。
「これは僕が渡したネックレスだ……。一体なぜっ」
「理由何も心当たりないのか?」
「ないよ、そんなのっ」
今にも泣き出しそうな顔をしている。
「レイ……。リリカ嬢に護衛付けてただろ。何か知ってるんじゃないのか」
「ああ、そうだね。僕の部屋に連れて来てくれ」
「分かった。すぐに連れて来るから待ってろ」
そう言うとロベルトは部屋を出て、リリカの護衛に集まるように指示を出した。
「どうして僕を置いていったのさ……」




