聖女との再会
あの日、レイリックとシェリルの姿を見たときから、リリカは悶々としたまま日々を過ごしていた。レイナはそんなリリカを心配して見ていた。
「お嬢様……」
「レイナ、私なら大丈夫だから」
そう言いつつも胸の奥がズキズキと痛んだ。
私が知らなかっただけで、そういう関係だったのかしら。レイリック様は何も仰っていなかったけれど。っもしそうなら私は……。
「お嬢様、気分転換に外にでも行かれては?」
「……ええ、そうね。そうするわ。今日は1人にしてちょうだい」
「承知いたしました。いってらっしゃいませ」
庭園に到着し、ぼうっと花を眺めていたリリカだったのだが、そこを突然背後から話し掛けられた。
「久しぶりですね、公爵令嬢様」
「!! 聖女様、お久しぶりですわ」
このタイミングで聖女様とはお会いしたくなかったけど仕方ないわ。公爵令嬢スマイルといきましょう。
リリカは感情を笑顔で覆い隠した。こうでもしなければ、ボロが出そうだった。
一方、シェリルは
この済ました笑みがムカつくのよね。
そう思っていた。
「王太子殿下って本当に素敵な方ですね」
「え?」
いきなりそう話しを切り出されて困惑していると
「これ、殿下に頂いたんですよっ」
とレイリックがプレゼントしたネックレスを見せびらかされた。
「!?」
リリカは驚きとショックとで何も言葉を返せなかった。
「デート楽しかったですよ。それに私のこと、大切だって仰ってくださったの」
「……」
「あら、ごめんなさいね。貴方が婚約者なのに」
「……いえ、大丈夫ですわ」
リリカはなんとか声を絞り出した。
「では、私はこれで」
「ええ……」
ふぅ〜、スッキリした。まっ、どうせ殿下はあのお嬢様しか見えていないんだし、これぐらい許してくれるでしょ。
シェリルは溜まっていたストレスを発散させることが出来、喜んでいたが、これが後に大騒動へと発展していくことになるとは、このときは夢にも思わなかった。




