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契約婚のはずが、腹黒王太子様に溺愛されているようです  作者: 星月りあ


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50/90

また王太子様が待ち構えていました

隠し通路を抜け図書室に戻ると、そこにはレイリックが待ち構えていた。


「やあ、遅かったね」

「レイリック様!?」

「に、兄さん!? どうしてここに!?」

「そりゃあ、あれだけこそこそ動いていたらね。分かるよ。ちょうど迎えに行こうと思っていたところだったんだよ」

結局、バレてたんじゃない。


「さてとレナード、執務室でじっくりと話し合おうか」

レイリックは笑顔でそう告げるが、目は全く笑っていない。


「わ、私も行きます」

3人は重い空気を纏ったまま執務室へと向かった。


「それであんなところで一体何をしていたのかな?」

執務室に入ってすぐにそう問い掛けられた。


「す、少し話しをしてただけだよ」

「あんなところで?」

レナードはレイリックにじりじりと距離を詰め寄られている。

「……」

「話しならどこでも出来るよね。わざわざあそこで話す必要はないんじゃないかな」

「それはその……」

「ま、待ってくださいっ!! レナード殿下を責めないでください。レナード殿下はレイリック様が心配だからあんなことされただけですわ」

「あんなこと?」

「あっ……」


リリカはレナードに助け舟を出すつもりが墓穴を掘ってしまった。


「大丈夫だ。自分で説明するよ」

レナードはリリカに向かってそう言うとレイリックに説明を始めた。


「へぇ~、そんなことを、ねぇ」

執務室の空気は冷え切っている。


「で、ですが私はこの通り無事ですし、何もされていませんから。これはレナード殿下がレイリック様のことを思っての行動なのですもの。言わば愛ですわね」

ゴフッ

レイリックの後ろでロベルトが吹き出している。


「いっ、いや愛って……」

「愛……」

「はい。素敵な兄弟愛ですわ」

その言葉を聞いてレイリックとレナードは苦笑いしている。


「……そんなこと頼んでいないけどね。っていうかリリカ嬢、君は被害者なんだからレナードのこと責めてもいいんだよ」

「当然、責めましたわよ。すでに」

「えっ、いつ?」

責められたはずのレナードですら驚きの声を上げている。全く記憶になかったからだ。


「戻って来られてすぐに、遅いと言ったではありませんか」

「……それは責めた内に入るの? っていうか責めるとこ、そこなのか?」

「……その程度じゃ責めたとは言わないよ。君は優しすぎるよ、本当に。まあいい、今回はリリカ嬢の優しさに免じて、許そう。感謝することだね」

「ああ、ありがとう」

レナードはリリカと向き合い、お礼を伝える。


「ただしレナード、今回の罰として僕の仕事を手伝ってもらう。それが終わるまでどこにも行かせないからね」

普段は忙しくてリリカ嬢には会いたくても会えないし。リリカ嬢と会える時間を確保するためにも、レナードにはたっぷり仕事をしてもらわないとね。


「ああ、分かったよ」

でも兄さんの仕事ってかなり多いんだよな。兄さんを怒らせた以上、多分すぐには終わらない仕事なんだろうな。休み明けまでに終わらせて帰れるかな。


レナードはレイリックの婚約者が気になり帰って来ただけで、今は一応留学中なのだ。


僕が悪いとはいえ、早く終わらせて帰りたいな。

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