閉じ込められました
「少し付き合ってくれないか?」
「承知いたしました、レナード殿下」
リリカが部屋で過ごしているとレナードが突然やって来た。そしてリリカとレナードは今図書室にいる。
図書室なんて来たの久しぶりね。
レナードが壁を押すと、何もない場所から道が現れた。
「付いて来て」
「はい。ですがここは一体……」
「隠し通路だよ」
「えっ!? それは私に教えてしまっては問題なのでは?」
隠し通路は王太子妃に正式になった場合に教えられるはずだった。リリカはまだ、ただの婚約者だ。
「そうだね。要はバレなければいいんだよ」
そういう問題ではないでしょ……。
リリカたちはさらに歩き続ける。
どこに向かっているのかしら。
疑問に思っていると1つの部屋に到着した。
「入って」
「失礼します」
そこは目の前に机と椅子と簡易ベッドのようなものはあるが他には何もない古びた部屋だった。
「えっと……ここで何を?」
「じゃあ大人しくしていてね」
「えっ?」
レナードは部屋を出て扉を閉めた。ガチャッという音が聞こえる。
「えっ? えっ!?」
リリカは慌てて扉を開けようとするが開かない。
「嘘でしょ……」
どうやら閉じ込められたようだ。
窓もないし、扉も開かないんじゃ出られそうにもないわね。まあたとえ扉が開いても1人で元の場所まで帰れるとは思えないわ。かなり複雑な造りだったし、確実に迷子になるわね。
っていうか、どうして閉じ込められたのよ!? レナード殿下とはほぼ面識ないのよ。やっぱりレイリック様関連かしら。お前みたいなのは兄さんの婚約者に相応しくない、みたいな? それならわざわざ閉じ込めたりなんてせずに直接言ってほしかったわ。でものこのこ付いていった私にも問題はあったけど。
多分しばらくしたら捜索が始まるはずだし、レナード殿下と行動してたってレイナは知ってるし、バレるのも時間の問題だと思うけど。ん?そういえば、このネックレスで居場所なんて一瞬で特定出来るんじゃなかったかしら。それじゃ、どこにいてもあっという間に見つかるわよね。レナード殿下はこのネックレスに掛けられてる魔法にも気が付いていたし、どこに閉じ込めても意味ないって分かっているはず。それならどうしてわざわざ閉じ込めるなんてこと……。もしかして、この場所は特定出来ない、とか?
はぁ、考えても分からないことだらけね。だけどこれだけは分かるわ。私を本気で傷つけるつもりはないってこと。傷つけたいならすでにしてるでしょうし。だから閉じ込めたことがバレる前にレナード殿下はここに必ず戻って来る。私はそれをひたすら待つだけよ。




