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兄がやって来ました

リリカが部屋で過ごしていると銀髪の男性が来た。


「リリカ、久しぶりだね」

「ウィル兄様!!」


この男性はウィリアム・エバルディ。リリカの兄で公爵家当主だ。リリカの両親はリリカが幼い頃に亡くなっていて、ウィリアムはわずか15歳で当主となった。


「最近、街に出掛けているんだって? 今までは面倒臭がっていたのに変わったね。まるで別人みたいだ」


ギクッ

さすがウィル兄様、鋭い……。


正確には別人というか2人分の記憶があるので、性格が混ざり合ったような感じなのだが。


「き、気のせいですわ。気分転換に良いと思いましたの」

「そっか。リリカも成長したということか」


納得してくれて良かった〜。


「それでどうしてこちらに? お忙しいのでは?」

「可愛い妹に会いたかったからね」

「お兄様っ」

「まあ、他にも一応話しはあるんだけど、どうでもいい話しだから気にしなくていいよ」

「そうなんですの?」

「ああ、婚約のことだよ。多くの貴族から申し込みが殺到していてね」

「!? 一番、大事な気がしますわ」

「大丈夫。全て断っておくから。兄としてはまだ妹を手放したくないんだ」

「えっと、よろしいのですか?」

「もちろん」


正直、婚約なんて大変なだけだ。貴族は政略結婚が当たり前とはいえ、前世の記憶もある以上、知らない男性といきなり婚約などしたくはない。


まあ、いずれしないといけないのでしょうけど、今はまだゆっくりさせてもらおうかしら。


「ではよろしくお願いします」

「ああ」


ウィリアムはリリカの頭を撫でながら

「リリカのおかげで仕事も頑張れそうだよ」

と言う。


以前、ウィリアムの執務室の近くを通りかかったときに、山程の書類が机に積まれている光景を目の当たりにした。


あんな量の仕事をしてるなんて、お身体は大丈夫なのかしら。


「無理はなさらないでくださいね」

「っ心配してくれるのかい?」

「当たり前です」

「ありがとう、リリカ」


そう言うとすぐに執務室に戻って行った。

「やっぱりお忙しいのね」

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