白ウサギの攻撃
今のところ、ネックレスのお陰で攻撃は防げている。走って逃げようとしたが、足が震えて、立つので精一杯だ。
ガルルゥ
『我が子を襲うなど許さない』
確か、高位の魔物は話せるんだっけ。っていうか勘違いされてる!?
好奇心が勝り、追いかけてしまったことで襲っていたと誤解されてしまったようだ。
「ご、誤解です」
グルルッ
『力の差を思い知らせてやろう』
「ヒィッ」
リリカは短い悲鳴を上げる。誤解を解きたくても、怒りのあまりリリカの言い分を全く聞いていない。
魔物相手に聞いてくれるとも思っていないけど、これしか方法がないのにどうすればいいのよ!?
大きな白ウサギはじりじり一旦後ろに下がり、遠くから勢いをつけて飛び掛かってこようとする。
「へっ?」
さすがにあんな攻撃受けたら、防ぎきれないんじゃ……。
嫌な予感は的中した。
白ウサギの激しい攻撃により、防御魔法は壊れてしまった。そして、目の前に大きな爪が来て……
ビュンッ
あれ、痛く……ない?
しばらく経っても痛みがやって来なかったので、そろ一っと目を開けると、そこには
「無事かい?」
「レイリック様!?」
気が付くと、リリカはレイリックに抱きかかえられていた。
「もう大丈夫だよ。後は僕に任せて」
そう言うとレイリックは近くにあった岩にリリカを座らせた。
「で、でも!!」
「大丈夫。さあ、君の相手は僕だよ」
そう告げるとレイリックは剣を抜き、瞬時に魔物の前まで移動し、
スパッ
白ウサギを一撃で仕留めた。
「凄い……」
そういえば以前噂で聞いたことがある。王太子殿下は剣術にも魔術にも秀でていると。
そのとき、草木の隙間からまた魔物が現れた。他にもまだ小さい魔物が残っていたようだ。
「殿下!!」
ロベルトを先頭に大勢の騎士団員が到着した。
「これは魔物!? どうしてこんなところに……」
レイリックは魔物を倒すように、そして、まだ他にも魔物がいないか確認するよう指示を出すと、リリカの方に向かって来た。
「怪我はない?」
「はっ、はい!! 助けてくださりありがとうございます」
「無事で良かった……」
そう言うとレイリックはリリカをぎゅっと抱き締めた。
「えっ!? あっ、あの、レイリック、様!?」
「ああ、ごめん。つい」
レイリックは手を離そうとしたが、、、
「も、もう少しだけ、このままでもいいですか?」
「ああ、いいよ」
正直かなり怖かった。レイリック様が駆け付けてくれて、顔を見たら安心した。
レイリックはリリカが落ち着くまでずっと抱き締めていてくれた。
「で、ではそろそろ帰らないと、ですね」
落ち着きを取り戻した頃、周りの視線に気が付き、慌てて離れる。
クスッ
「あのままでも良かったのに」
「いっ、いえ、大丈夫です」
そう言って、帰ろうとしたが、
フラッ
「っ!!」
倒れるっ!!
「おっと。大丈夫?」
リリカはレイリックに咄嗟に身体を支えられていた。
「あっ、申し訳ありません!! 力が抜けてしまって……」
リリカがそう言うと
ふわっ
「え?」
次の瞬間には抱きかかえられていた。
「このまま帰ろうか」
「っ〜〜お願いします」
危機が去り、安心したことで完全に力が抜けてしまい全く歩けそうになかったリリカは素直にレイリックに頼ることにした。
その後、リリカは気が付いたらベッドの上にいた。レイナによると、レイリックに抱きかかえられて帰って来たらしい。リリカは疲れと安堵からかレイリックの腕の中で眠っていたようだ。
いくら安心したからといって、無防備に眠ってしまうなんてっ。今思い出しても恥ずかしいわっ。
そして、安全面が確認出来るまでの間、屋外に出ることが禁止された。
まあ、魔物とは会いたくないし、出る気ないけど。
また、王太子妃教育も少しの間、お休みになった。襲われた後だからという配慮らしい。まさかのお休みに、のんびりとした休みを過ごせるなぁとこのときは気楽に考えていた。




