上
拙い文章なので、優しい目で読んでいただければ嬉しいです。
「ねぇねぇ、君だいじょうぶ?」
ぼんやりと光る白い玉。それはよく見ると、人の形をしていた。
「…ようせい?」
そうぼそぼそと呟くと、
「! ボクのこと見えるんだね!」
パッと花が咲くような笑顔をむけられても、僕は何も感じなかった。
「…いちおう、王族だから。」
黒髪黒目の忌み子だから、いちおう。
「…なにしにきたの?」
どうでもいい話を終わらせたくて用件をきく。
「落ち込んでるように見えたから。」
僕には落ち込むことなんて無いのに。
「僕には、落ち込むこころはないんだよ?」
首をかしげながら聞いた僕に、その妖精は慌てながら言った。
「あるよ!ちゃんとあるよ‼︎」
「…?お母様やメイド達に言われたよ?…それにずっと一人だからこころなんていらない。」
すると、その妖精は悲しそうな表情をした。そして…
「…これからはボクがずっといっしょにいる。
だから、いらないなんて言わないで?」
今思えば、この妖精は僕の事情を知っていたのだろう。
忌み子と呼ばれ、邪険にされていた事も。
ずっとひとりぼっちだったという事も。
「ボクが君のこころを探すよ。」
今まで可哀そう、と哀れんでくるものはいたが、それは言葉だけだった。だから、ずっと一緒にいると言ったその妖精は初めてだった。
その時、胸のあたりがポカポカとしたのを、覚えている。