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第1話 カイトの異世界転生

 初めての執筆です。作者は作文や日記が苦手でメールさえも苦手な筆不精なので、お見苦しい点が多々有ると思いますが、温かい目で見守ってやって下さい。


 何だろう此処は……



 何も無い、無機質で不思議な空間に俺は立っていた。


 多分、立っているんだと思う。


 俺達は森の中で敵兵に囲まれていたはずだ。彼らは何処だ?


「ビショップ、シェリー、ヨシュア!!」



 仲間の名前を呼んでも返事が無い。


 人や動物の気配が一切しない。



 それに、この白く静謐で不可思議な空間は夢か、死後の世界?

 夢じゃあ無いな。あれだけの銃弾を喰らったんだ、生きている方がおかしい。


 傭兵団に入って23年もの間、逆に良く此処まで生きてっ!


「誰だ!」

「あら、良く気が付きましたね?」


 先に声が、次に姿を現した。


 腰まで伸びて軽くウェーブのかかった金髪に緑色の目、透き通るような白い肌、つま先まで隠れる薄緑色の貫頭衣、左の手首には金色の腕輪を嵌め、優しく微笑む美しい女性。



「女神···様?」

「そう、私は女神、レクサーヌです。察しの通り貴方は死んで、その魂を私が此処に呼びました」


 あれか、異世界転生?


「フフフ、本当に察しが良いですね。説明の手間が省けます」


 考えている事が分かるのか?


「あの…女神様」

「レクサーヌです」

「レクサーヌ様、俺の仲間は何処に?」

「貴方が最後まで残り戦ったので、重症ですが、今はまだ生きていますよ」


 そうか良かった。上手く逃げていてくれれば良いが。



「丸瀬快斗さん、貴方は生前、傭兵として数多の戦いを経験し、しックション!···う〜···ズッズズッ」



 えっ、何が起こった?


 うおっ、睨まれた


「あ、あのお大事に…」

「誰かが噂してるのよ!まあ良いわ」

「はぁ…」


 大丈夫なんだろうか?


「大丈夫です。と、兎に角、貴方には敵と戦う力が有り、他者を守る力も有ります。更に人としても善性です。其の様な理由で貴方には、私達が管理する世界で、すぐに死なずに永く生きて貰いたいのです。そうする事によって世界の維持に必要なリソースの一部を、貴方を介して供給する事が出来るのです」

「世界に必要なリソースとは何ですか?」

「分かり易く言うと、魔力とその他ですが、その他については説明が面倒くさいので割愛します」


 端折ったよ、この女神様!凄く綺麗な人、いや、女神様なのに、以外と面倒くさがり、いや、本当に女神なのか?


 わっ!また睨まれた。


 目付きが鋭すぎる……怖い。



「何か、失礼な事を考えていませんでしたか?」

「いえ、其の様な事は……ッ!すみませんでした!」


 久しぶりのジャンピング土下座だったが、精度は完璧にして、華麗に決まったな。


 それにしても、聞かなくても分かってるくせに。


 今からは、無心になろう、無心に。


「魔力とその他の媒介と言う事ですが、俺は何をすれば良いのですか?」

「その事に付いて貴方は何も気にする事は有りません。忘れて頂いても良い位です。全てこちらが供給、調整します」 

「なんとなく理解しました。ところで、レクサーヌ様の世界とはどの様な世界なのでしょうか?」

「そうですね、地球の文明に比べるとかなり遅れています。モンスターが居て剣と魔法で戦う、所謂、貴方達の言葉にするとファンタジーの世界ですが、残念な事に、戦えない人には生きにくい世界です」



 そうか、だから俺なのか?面白そうだ。魔法とか使えるのかな?

 銃器は無さそうだから、魔法使えたら良いな。



「時間が来ましたので早速ですが、貴方を送る準備をしましょう」

「準備ですか?」



 何も無い所から15歳くらいの黒髪、黒目、身長170cm位で痩身のイケメン男子が現れた。


「貴方の魂に合わせて創った肉体です。着ている服は、今から向かう世界の標準的な物を用意しました」


「それでは始めます」



「!!!」



 眩い光に堪らず目を閉じて、次に目を開いたら少年の身体の中に入ったのを実感した。


「今日から、その身体は貴方のものです。何処か不具合が無いか確認して下さい。」


 俺は頭からつま先まで念入りに動かしながら、不具合が無いことを確認して頷いた。



「問題無いようですね。私の管理する世界はまだまだ、命が軽い世界です。人が些細な事で人を殺し、モンスターによって人が殺され、飢えによって幼い子供達が死んでいく。だから私は貴方を選びました。永く生きてリソースの供給を続けられる様に」



 レクサーヌ様がオレに手のひらを翳し淡い光を放つ。



 数秒後には、光がだんだんと強くなり堪らず目を閉じた。



 瞼を閉じても分かる程の眩しい光の中で、レクサーヌ様の言葉が聞こえてくる。



「簡単に死ぬ事のない様に、快適に過ごせる様に私から特別なギフトを贈ります」


 ギフトか、所謂チートっていうやつか?


「カイト、この世界を楽し……………」


 俺は意識を落とした。




「此処は?」



 どれ位寝てたんだろうか?周りを見ると、此処は森の中だと思う。


 空気が少し冷たく、清々しい。

 前世と違いがなければ、体感的には、まだ早朝だろうか。


 辺りの気配を探ってみるが、これと言って危険は感じない。


 少し緊張を解いて周りを観察してみると、見覚えの有る木や草やシダ類が有り、なんだか少しホッとした自分に苦笑する。

 

 さらに観察を続けると、見たことの無い、明らかに地球産とは思えない草花も点在していた。と言っても、地球でも全ての草花を知ってる訳でも無いか、と考えながら近づいて見る。

 無用意に、手に取るような事はせずに立ち上がった。


「とりあえず、何か食べられる物を探しながら移動するか」


 

 そう声に出して言って、途中で見つけたナツメのような実を食べながら1時間程歩くと、木々に囲まれた広く開けた場所に出た。奥には小川も見える。


 それにしても、モンスターが居る世界と聞いていたけど、此処に来るまで遭遇しなかったと言う事は、この辺りはモンスターが居ないのか、少ないのか、あるいはレクサーヌ様のおかげなのか。

 

 どちらにしても助かった。



「休憩するには良い場所だな」


 

 ここらで、出来る事のチェックをしてみようか。

 昔に読んだラノベを思い出しながら、先ずは定番の……


「ステータスオープン!」




 何も起こりません……まあ、ゲームじゃ無いんだし、無いよね……気を取り直して次は……


「鑑定!」


 落ちていた葉っぱを拾い鑑定してみたが、駄目だった。

 

 次だ、次に期待だ。


「マップ!」


おおーっ成功!頭の中にマップ画面が!不思議な感じがするけど、ちょっと感動。

 

 初めて異世界だと実感した瞬間でした。



 マップによると、もう少しで森を抜けるみたいだ。んっ、横に何か項目が有るぞ。意識を向けると拡大された。



 上下に二つ有る項目の上から“アイテムボックス”を選ぶと、中身は、お金と食料だった。


 取り敢えずパンを取り出してたべる。



 次に下方の“コンセルジュ”に意識を向けるとAとBの両方ともON、OFF表示が有るので、どちらもONにする。


 すると、男性の声で、(コンセルジュのコンセと申します。マスター宜しくお願い致します)

 

 次に女性の声で、(コンセルジュのセルジュと申します。マスター宜しくお願い致します)



 コンセとセルジュって名前は、どうかと思うけど覚え易いから良いか。



「ああ、宜しく頼む」


 

 次は、お待ちかねの魔法の検証。


「コンセ、魔法を使う事は出来るか?」

(魔法はセルジュが担当しております)

「そうか、セルジュ」

(はいマスター。魔法は明確なイメージで発動します。マスターの場合、イメージした魔法に応じて、私が魔力操作を行いますので、マスターはイメージするだけで魔法を発動する事が出来ます)

「なるほど、それで、俺の場合って事はこの世界の人はイメージするだけでは魔法が発動しないと言う事か?」

(はい、この世界の一部の魔法使い以外の人はスペルの詠唱を行う必要があります)

「じゃあ、一部でも居るなら無詠唱でも問題無いな」

(はい、問題有りません)

「早速だが、試してみよう」



 直径30cmの水球を時速100kmで20m先の木に当ててみよう。


 イメージしてっと。


「ウォーターボール!」


 バシュン!!



 ボゴン!!!



「げっ、木が折れた!」



 これ程の威力が有るものなのか?

魔法ってヤバいな!

 

 まぁ、魔法が使える事が分かったし、後はゆっくりと練習すれば良いか。 




 一応、此処は森の中だから火魔法以外を休み休み練習した。



 もちろん、イメージトレーニングもバッチリだ。やはり地球でのゲーム知識や経験が物を言うなぁっと、ついつい顔がほころぶ。





(マスター、約4km先の西の街道で馬車がモンスターの群れに襲われています)


 草むらに寝転んで回復魔法のイメージトレーニングをしていると、コンセが告げてきた。ってか、そんな事まで分かるのか?


「マップ!」


 頭の中にマップが浮かび上がる。


(マスター。マップを展開します。

 青い光点が人、又は味方で赤い光点がモンスター、又は敵になります)


 えっ!頭の中のマップが目の前に?


 展開したら、こうなるのか。


 

 モンスターが約20体で、人が7人か。


 俺は確認すると同時に走り出したが、余りの速さに吃驚して立ち止まり、今は考えている場合では無いと思い直し、乱立する木々を躱しながら可能な限り速く走った。 

 読んで頂いて、有り難うございました。

更新は不定期になりそうですが、出来るだけ長く続けられればと思います。宜しくお願いします。



本文の8kmを4kmに変更しました。

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