表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
実話怪談 死相他  作者: 弾
5/30

森の小路に出る自殺した女3

 前回お話した通り、僕は自宅近くの雑木林の小路で恐怖体験をしたわけです。それは僕の心霊体験の原体験的な出来事であったわけです。


 でも懲りないんですね。ぼくは数年後中学へ上がると、夏の夜に例の小道へ肝試しに行くんです。何人かの友達と。


 その日は夜でも熱い真夏の時期でした。僕たちは自宅近くの公園に食べ物や飲み物を持ち込んで、ワイワイガヤガヤとパーティの様なもので盛り上がっていました。男が三人くらいに女の子が二人くらいいたかな。女の子がいたから妙にハイになって機嫌よくしゃべっていたのを覚えています。


 僕が例の子供の頃の体験やUさんの体験を話すと皆すぐに食いついてきて、ちょうどその小路が近かったこともあり、じゃあ肝試しにでも行くかとなりました。


 雑木林に入りUさんの家の近くまで来ました。辺りは漆黒の闇でしたが、Uさんの家の玄関の明かりがある所だけは少しだけ明るかったのです。


 Uさんの家から少しだけ離れたところに一旦集まり、僕と女の子二人が先に例の四つ辻に向かうことになりました。


 懐中電灯を持って歩いてゆっくりと進みました。女の子が怖いといって皆でくっついて進むと、やがて四つ辻に到着しました。


 辺りは月明かりさえ木に遮られて届かない暗闇でした。しんと静まりかえり、そこらで聞こえる虫の鳴き声さえしませんでした。


「なんかここ凄い不気味」女の子の一人が震え出したので、僕たちは来た道を引き返して、残った二人と合流することにしました。


 合流地点へ着くと二人は縮こまって座っていました。青ざめた顔をしていてガタガタ震えているんです。


 どうしたのか僕は聞きました。すると「やばい、やばい」と二人は言いました。


 二人が言うには待っている間中、雑木林の中で枝を踏みしめるパキッという音と、葉を踏む足音が自分たちの周りをずっと回っていたのだと言うじゃないですか。


「俺たちは絶対奥には行かない」


 それは決して動物なんかじゃなく、人間の足音だったと二人は言っていました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ