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実話怪談 死相他  作者: 弾
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殺してやる

 地上波のテレビで心霊物を見なくなって久しいですね。ブームの時は霊能者やらなんやらがまるでタレントのごとくテレビに出て、したり顔で心霊写真を鑑定したりしていましたよね。


 もうだいぶ昔の話になりましたがやっぱりオウム真理教の事件があったり、非科学的なものをテレビでやる事に色々と意見が付くこともあるんだと思います。


 昔懐かしき心霊番組。この話は某世界的有名コメディアンの方の番組で紹介された体験談形式の怪談で、僕の印象に強く残ったあるお話です。何分古い記憶ですので、細部は僕が語り直しました。


 ある方、仮にここで田中さんとしておきましょう。この方がある一軒家を買った時の事です。田中さんは都内の会社に勤めるサラリーマン、奥さんと子供が二人おり、買った家は郊外の比較的新しい物件でした。


 家に住み始めて間もなくある悪戯電話に悩まされたのでした。最初にそれに出たのは奥さんです。


 もしもし……あの……なんでしょう? 奥さんが困っている様子だったので田中さんは声を掛けました。


 田中さんが変わると「殺してやる……殺してやる」と女と思しき声で恨みがましく囁いてきます。


 最初は驚きました。また怖くもありました。しかし恨みを買う様な覚えもなく、毎日単調に繰り返される電話に次第に苛立ち始めました。当時はナンバーディスプレイでの着信拒否なんて一般的ではなかった時代の話です。


「警察に相談しよう」田中さんはすぐに地元の警察署に電話して事情を説明しました。すぐに警察官が逆探知の機械を持ち込んでその悪戯電話の発信先を調べることになりました。


 居間の黒電話の前に逆探知の機械を準備した警察官数名と田中さん達家族が固唾を飲んで電話を待ちました。


 いつもの時間に黒電話は鳴りました。リンリン……リンリンと、田中さんが出ます。「殺してやる……殺してやる」例の電話です。


 しばらく話を続けるよう、警察官が促しました。もしもし、貴方誰なんですか? どうしてこんな電話をかけてくるんですか?


「殺してやる……殺してやる……」 女は田中さんの質問に応えることなく淡々とつぶやき続けています。さすがに田中さんも背筋が寒くなりました。


「逆探知終わりました」警察官が言いました。田中さんは電話を切ります。静寂が一瞬。


「大変申し訳ないのですが、犯人は捕まらないと思います」と警察官が言いました。


「なぜです?」顔を青くした田中さんが聞くと。


「電話はこの家の二階からかかってきています」と警察官は言いました。


こんな怪談を昔はテレビでやってたんですね。

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