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一章8 『彼を追って』

今回はオリヴィア視点で物事が進みます

カイトとエリシャが|自律組合≪ギルド≫へ向かっている頃、オリヴィアは回復魔法すら使えない不思議な少年を探していた。


この世界では擦り傷や切り傷程度ならば、小学校に上がる前の年齢の子供でさえ基本の回復魔法を使うことで治す事が出来る。其れは万人が|体内魔力≪オド≫を持っているからであり、回復魔法は魔法の種属を問わず鍛えれば使う事が出来る。最も擦り傷や切り傷程度しか治せないのは、一般人だと回復だけで|体内魔力≪オド≫量の限界を迎えてしまうからである。


オリヴィアは帝都の屋敷から抜け出していた。故にオリヴィアということは誰にもバレてはならないのだが、髪の毛がボサボサになりたくないという理由の為だけに、移動の時にローブのフードを被ってはいないのだが。

自身の正体がバレるのも気にせず、オリヴィアはカイトが走って行った方向にあった貧民街へ向かっていた。唯一謎の少年が居そうな場所という理由で貧民街という理由で向かっていた。

オリヴィアは竜車に乗れば時間も余り掛からずに着いたであろう、帝都の外れに徒歩で迄辿り着いていた。着いた頃には多くの人々が外出を始め、店も開店し始めていてる。


(うぅ流石に疲れるわね……でも貧民街迄はもうすぐ。でも休憩も大事よね。其処のお店で紅茶でもいただこうかしら)


その時であった、オリヴィアの目の前に謎の少年(カイト)が現れたのだ。あの時オリヴィアにぶつかったのにも関わらず、直ぐに逃走しようとした。回復魔法さえ使えず、珍しい服装の黒髪の謎の少年(カイト)。彼の存在はオリヴィアに真新しいものであった。オリヴィアは同年代の対等に接してくれる人間を欲していた。彼女に近づこうとする人間は下手に来るものばかりだった。

しかしカイトは違った。初めてオリヴィアは同年代が対等に接してくれたと感じたのだった。


(やっと見つけましたわ。必ず彼と対等な交友関係を築きますのよ私!)


この頃カイトはエリシャと自律組合(ギルド)に向かう途中であった。二人は楽しそうに談笑し、オリヴィアは嫉妬の感情を抱いていた。


(あれ程楽しそうに談笑を……私はあんなに楽しそうな談笑をした事がありませんのに)


そうこう嫉妬の感情を抱き続けていると、カイトらは自律組合(ギルド)へ入っていった。


(自律組合(ギルド)に来たということはこれから依頼を達成するのですね。外で待ってもいいですが一応中に入りましょう)


オリヴィアもカイトの後を追い、フードを深く被り周りの人間にバレない様そっと自律組合(ギルド)へ入った。


(あら彼は冒険者じゃなかったんですね。代表?普通登録の為、書類に書く文字は汚くても許される筈……まさか文字が読めないなんてことはね……まさかね)


完全に思っている通りなのだが、オリヴィアがその事に気づくのはもう少し後の事になる。

カイトが何かをミリーに手渡しし、ミリーが慌てたのをオリヴィアは眺めていた。


(あの様子だと恋文でも送ったんでしょうね……あれじゃ私の友人失格ね。残念だわ)


カイトは知らぬ間に未だ友人となる前の少女から『友人失格の烙印』を押されているのを知らぬまま、水晶の魔石に手を掛けた。

その時オリヴィアは自律組合(ギルド)から立ち去ろうとしていたのだが、カイトが魔力適性や体内魔力(オド)量検査を行う様子が気になり、足を止めていた。

オリヴィアは目の前で起こった様子をなかなか理解出来ずにいた。なんでも水晶の魔石が大きく音を立てて割れたからである。


(まさか彼があの水晶の魔石を割ったというの!?あの水晶は私をはじめとした、ごく一部の人間にしか割れないというのに……)


新参者の少年が水晶を割ってもケロっとしている、光景を見ていた人々は驚き、喚いていた。


(割ったにも関わらず疲弊もしていない。興味がそそられるわ)


オリヴィアはその場から足早に立ち去り、思いついたカイトと友人になる為の作戦の実行をしようとしていた。


(前回の私に対する印象は回復をしてあげたんだからいい筈よね。だったらする事は一つ『さっきのを見ていたからお話を聞かせて』と言うに決まってますわ。その為に何か手土産を差し上げましょうかしら)


オリヴィアは自律組合(ギルド)から立ち去った後ローブのフードを脱ぎ、自律組合(ギルド)から程近い青果店の前にやって来ていた。


(彼はどんなのが好きなのでしょうか……なんとか相手にして貰うには、もっと高い物の方が良いのかしら。其れとも受け取りやすい安い物かしら)


「嬢ちゃん!何か買っては行かないかい!」


オリヴィアは人に聞くのも何か良い手かも知れないと思い、青果店の店主に聞くこととした。


「一つよろしいかしら。人に贈り物をしたいのですわ。何か良い果物を頂けるとありがたいですわね」


「そうか。ならこのオレンジやリンゴなんてどうだ。南方から直産で水水しいぜ」


オリヴィアが自分の意思で贈り物をしようと思ったのは、両親を除いて初めてのことであった。


(勧められるがままオレンジとリンゴを幾つか買ってしまいましたわ。喜んで頂けると宜しいのですが……)


オリヴィアはオレンジとリンゴが一杯に入った紙袋を抱いて、自律組合(ギルド)の方へ大通りを歩いていた。オリヴィアはカイトが受け取った後の様子を想像し、ご機嫌な様子だ。

オリヴィアは自律組合(ギルド)の外から中の様子を確認した。どうやら謎の少年(カイト)は未だ何かをしている様子だ。


(それならば路地で待ち伏せでもしておこうかしらね)


オリヴィアは自律組合(ギルド)の扉がよく見れる路地で腰をかけている。

其処に近づいてくる不穏な足音に気づいたときにはオリヴィアは柄の悪い三人組に囲まれてしまった。


次回は再びカイト視点です。

オリヴィアと出会うとこまで行くかは未定です。


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