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1964年のオリンピックの年の時は主君のため忠義のために尽くす『忠臣蔵』だったのに、2020年のオリンピックの年は理不尽な主君に謀反を起こしてでも信念を貫く『明智光秀』となった理由

ここまでは将来大河ドラマの主役として扱ってほしい人物たちをピックアップしてきた。

ここからは、過去に放送された大河ドラマについて。

1回目は、1964年の大河ドラマ『赤穂浪士』について。




1964年の東京オリンピックの時代は、まさに高度経済成長の真っただ中。

日本の経済成長のため、会社のため、モーレツに働くことが美徳だとされていた。

そんな中で大河ドラマは始まった。そして東京オリンピックの年の大河ドラマは、『赤穂浪士』、つまり『忠臣蔵』だ。


浅野内匠頭(あさのたくみのかみ)が吉良上野介(きらこうづけのすけ)に対し、松の廊下で刃傷(にんじょう)に及んだことから始まる、あの話。


浅野内匠頭(あさのたくみのかみ)は切腹。それに対し吉良上野介(きらこうづけのすけ)はお咎(とが)め無し。


これに憤慨(ふんがい)した旧赤穂藩士たちが、家老であった大石内蔵助(おおいし・くらのすけ)を担ぎ上げ、

やがては赤穂浪士(あこうろうし)四十七士(しじゅうしちし)よる、吉良邸討ち入りへとつながっていく。


討ち入りを果たした後、赤穂浪士(あこうろうし)四十七士(しじゅうしちし)は、幕府からの罰を受け入れ、潔(いさぎよ)く切腹を果たした、という話。


これが1964年の大河ドラマとして選ばれたというのは、主君である浅野内匠頭(あさのたくみのかみ)のために赤穂浪士(あこうろうし)四十七士(しじゅうしちし)が忠義を尽くす、という物語だから。


それが当時の世情(せじょう)にも反映されていて、当時はまさにサラリーマンがモーレツ社員として働く時代。


実際に当時『サラリーマン忠臣蔵』というタイトルの映画まで制作されたというくらいだから。


主君への忠義のために、自らの命を投げ出すことは、少しも惜しくないこと。


主君への忠義のために、滅私奉公(めっしぼうこう)をして、命懸けで働くということが称賛されていた。


だからか、1964年の大河ドラマは『赤穂浪士』というのは。もちろん個人的な見解にすぎないが。


1964年のオリンピックの年の大河ドラマは『赤穂浪士』だったからということで、


2020年のオリンピックの年の大河ドラマも『赤穂浪士』にしようかという意見もあるにはあったようだが、


2020年の大河ドラマは、主君に対し謀反を起こした人物、『明智光秀』に決まった。


1964年の当時は、主君である会社や上司に忠義を尽くす、


たとえそれが理不尽な内容の命令であったとしても、それが会社や上司の命令だから、自分の信念を曲げてでも言うことを聞く、


というような、まさにそういう世情(せじょう)だったようだが、


今はそれを人々が望まないような時代となった。


会社や上司の命令でも、理不尽な命令と思えば、突っぱねて、自分の信念貫け、というような風潮に、次第になってきたと信じたい。


そんな会社や上司なら、忠義を尽くすに値しない、だから内部告発という形で謀反を起こす、それが許されるように、だんだんとなってきている。


内部告発して不正を明るみにする、そういう形で謀反を起こす、まさに、明智光秀が信長の仕打ちに耐えかね、本能寺の変を起こしたように。


それに、今の時代にモーレツ社員として死ぬまで働けとか、そんなことを言ったら、過労死とか、健康を害するとか言われるから。


会社や上司が何か問題を起こすとすぐ、セクハラとかパワハラとか、会社ぐるみの不正に加担したとか言われる。


今の時代の人々は、命を捨てるか、忠義を捨てるかといわれたら、忠義を捨てる方を選ぶだろう。


いや、もっと短絡的な理由で命を捨てるような者もいる。


もちろん『忠臣蔵』を否定するわけではない。


もとをただせば『忠臣蔵』だって、浅野内匠頭(あさのたくみのかみ)が吉良上野介(きらこうづけのすけ)の理不尽な仕打ちに耐えかねて、松の廊下で刃傷沙汰になったというところから始まっているのだから。


『忠臣蔵』は、1999年の『元禄繚乱』以来、21世紀に入ってからは、やっていない。


タイミングとしては2020年も悪くなかったが、今は高度経済成長期などとっくに過去のものとなり、下り坂へと向かっていくような時代。


当時建設されたインフラなども老朽化が進み、それらの修繕も考えていかなければならない。


果たして、いつの日か、『忠臣蔵』を大河ドラマでまたやる時は来るのか。


それ以前に、赤穂浪士四十七士や、吉良上野介の役を演じられる俳優たちがいればの話だろう。


それ以前に、大河ドラマの存廃論議にならなければよいが…。


戦国と幕末を行ったり来たりだ、という意見もありながら、2020年迎えてもなお、戦国と幕末を交互にやるような感じだ。


『西郷どん』の次は『いだてん』、その次が『明智光秀』という。


この先も現状のまま繰り返し続けるだけなら、いずれ限界が来るのでは、という懸念もある。


視聴率の数字など気にしないでやり続ける、ということもできなくもないが、超定番の戦国ものでさえ視聴率が取れなくなったらいよいよ番組としての限界が来る。


では、そうなったらそうなったで、後番組は何になるのか。


そういう問題もあるが、もう1つ、大河ドラマ低迷の理由は、


えらい人が信用できなくなったということ。


政治家はもとより、大学の理事長からアメフトの監督、コーチ、大学でこれなのだから、高校以下の下級の学校は、もっとその手の無責任指導者が多い。


そんな大人たちがお偉いさんなのだから、お偉いさんが主役の大河ドラマは視聴率低迷を招く。


大河ドラマの登場人物に、現代の無責任なお偉いさんを重ねてしまう。


さて、2020年の大河ドラマは、本能寺の変を起こした人物として有名な、『明智光秀』だが、超定番の戦国ものではあるが、意外にも明智光秀が主役になるのは初めてだという。


明智光秀の娘は細川ガラシャ。細川忠興に嫁いだ。


明智光秀の重臣に斉藤利三がいる。その斉藤利三の娘がお福といって、後の三代将軍家光の乳母(うば)となる春日局(かすがのつぼね)となる。


また、徳川家に長年仕えた天海(てんかい)大僧正の正体は実は明智光秀だった、あるいは明智光秀と深いつながりがあった、光秀亡き後は徳川家に仕えるように、光秀自らが進言した、などの話もある。


いずれにしても、どんなものになるのかは、今から楽しみだ。


戦後の平成の人物をやってほしいとか、そういうことは2021年以降、やれたら検討するかもしれないし、それはまだわからないが、とにかく50年以上の歴史のある大河ドラマは、存続か、消滅か、ということも含めて行方が注目される。


いずれにしても、このままでは存廃論議も、無いとはいえないな…。



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