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異世界で引きこもりたいけど周りの女性が許してくれない件について  作者: 涼月風
第4章

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第97話 ーーーいろいろ抱えた難題ーーー





 吸血鬼達を冥府に送り届けた後、俺は、アンリエット王女に会うため王宮にあるアンリエット王女の部屋にドアを開いた。


 時間があったため、今回は、トラブルに巻き込まれる事はなかったが、部屋には、アンリエット王女を始め、カトリーヌ第2王女そして、メイド達が雁首を揃えて、俺の来るのを待っていた。


「シロウさん、遅いよ〜〜待ちくたびれちゃったよ」


「カトリーヌ様、どうしてこちらに? 」

「決まってるでしょう。姉様と一緒に行くのよ」


……マジか……すると、メイド2号も一緒だよね……


「でも、良いんですか? 王女2人が抜け出しても……」

「構わないよ。今は、姉様の手助けをしたいの」

「それはそうですが……」

「何! シロウさんは私と一緒だと嫌なの? 」

「そんな事はありません……」


……近いんですけど……メイド達が苦手なだけです……


「じゃあ、シロウ様、出かけましょう」


 アンリエット王女の言葉を合図に俺は、迷宮都市ルーンの宿屋の部屋にドアを開いた。





 部屋に着いたものの、すぐペリンに会わせたら、また、パニクるかもしれない。俺は、王女達に事情を話し、サツキとモモリー姫を呼んで来てもらった。


 そして、俺は、1人でペリンのいる部屋を訪れた。


「ペリンさん、あの……」

「先程の人族のお姫様が来られたのですね」

「はい……、それで、人族の王家はエルフの民に謝罪をしたいと言っているのですが……」

「その件は、私1人の一存では決められません」


……それは、そうですよね〜〜……


「ですので、郷に一旦、帰ろうかと思います」

「そうですか……」


……あの家は、まだ、当分直せそうもないか……


「でも、あの家を直す事に関しては、お手伝いしようと思っております」

「えっ、本当ですか? 」

「はい。あの家は、今は、シロウさんの家でも、思い出の中では、私の父の家ですから」

「そうですか、嬉しいです。ペリンさんにそう言ってもらって……」

「おかしな人ですね。シロウさんは。もしかして、頭を打ちましたか? 」

「いえ、全く」

「クスクス……やはり、変わってますよ。シロウさんは……」


……笑い方もなんて可愛いのだろう……流石、エルフっ子だ……


 俺は、王女達にペリンさんの意向を伝えた。

 王女達は、残念そうだが、ペリンさんの気持ちを汲み取り、納得したみたいだ。


 俺は、まず、ペリンさんをエルフの族長の家のテラスにドアを開き送っていった。俺も族長に直接話しをしようと、家を訪ねたのだった。


「もう、帰って来おったのか? 」

「まぁ……実は、族長に話があってペリンさんと一緒に来ました」


「そうか、では、お茶でも入れよう」

「私がやります」


 ペリンさんは、慣れた様子で台所にいき、お茶の仕度をし出した。


「だいぶ、ペリンも元のように戻ってきおった。これも、シロウのおかげじゃな」

「まだ、人相手はダメみたいですけど……」

「それは、ペリンに限った事ではない。儂ら一族、皆、人族は苦手になってしまった」


……話を切り出しづらい……


「実は、ペリンさんにも話したのですが、人族の王家の者がエルフの民に謝罪したいと申しております」


「ふむ……それで、帰ってきよったか……」

「はい……」


「風の噂では、今の人族の王家は、どの種族に対しても偏見を持たない友好的な王家だと聞いておる」


「では、人族の王家の方と会って頂けるのですか? 」

「シロウ、それとこれとは話が違う。エルフの民は、人族を恐れている。これは、揺るがない」

「そうですか……」

「儂らの命の長さと比べると、人族の命は短い。この問題を解決するのに急ぐ気持ちもわかる。だが、受けた傷はそうそう癒されるものではない」


「お茶が入りました……どうぞ」


「ペリン、お主も元気になったようじゃな? 」

「はい。シロウさんにあちこち連れ回されましたので」


「ペリンさん、そんなに行ってないよ。あの家と迷宮都市だけだから〜〜」


「私には、そう感じたのです! シロウさんは、いきなり人族のお姫様を連れて来るし、私がどれほど肝を冷やしたかお分かりにならないと思います」


「それは、すみません……」


「まぁまぁペリンよ。お主が元気になったのもシロウのおかげじゃ。荒治療というやつじゃな」


「できれば、家でジーーっとしていたかったです」

「それでは、ペリンの父親が悲しむだけじゃぞ」

「それは、そうですけど……」


「シロウよ。この話は無かった事にしてくれ。今はまだ時期では無い」


「残念ですが、先方に伝えます。一週間後のルアンダ国、サラマー国との三国会談に出席してほしいと言われたのですが、族長の意向に沿うように致します。それと、半魚人族のカシミールさんって方も会いたがっていたそうですよ」


「何ーー!カシミールじゃと、い、生きておったのか……」


「族長、ごぞんじなのですか? 」


「知ってるも何も、儂にとって大切な人物じゃ!今、何処におる。今すぐ会いたい! 」


「今、人族のミリエナ王家に賓客として過ごしております。一千年前、一族の裏切りにあって、転移で冥界の飛ばされたそうですよ。冥界が神の力で封鎖されていたのでそこから出られなかったそうです。最近、封鎖の一部が解除されて、こちらに来たらしいのですが、海底宮殿でセイレーンに捕まってしまい、監禁されていたところを保護したのです」


「そうじゃったか……息災のご様子か? 」

「えぇ、とても格好良い紳士の方です」

「そうか、そうか、シロウ、その三国会談に出席するぞ」


「はい!? さっき、今、時期じゃないって族長が言ったのですよ」

「会いたいときに会わなければ、いつ会うのじゃ! そう、今でしょう! 」


……どっかで聞いた事のあるフレーズだ……


「良いのですか? 」

「あぁ〜〜この郷の民には儂から話をする。それと、ペリン、お主も同行せよ」

「私ですか〜〜人族の前では、怖くて、もしもの時、族長を守れません」

「それと、シロウ、お主も頼む」

「俺ですか!? ダメです。俺は、サラマー国の警備に雇われてますので……」

「では、あの妖精っ子を連れて来てくれ。それなら、その三国会談とやらに行こうじゃないか! 」


「はぁ……」


 どういう事なんだ……でも、これで、目的を果たせそうだけど……

 シアンを後で連れて来ないと……


 俺は、一旦、日本に帰らなければ、と思っていた。




◇◇◇




『朝、7時のニュースです。東京都練牛区の住宅街で、〇〇一家が亡くなっているのが発見されました。第三者からの通報で警察署員が駆け付けましたが、大人2人子供1人の遺体が発見されたという事です。現在、事件、事故両面を視野に入れて捜査している模様です。では、現場にいる野次さん。そちらの様子はどうでしょうか? 』


『はい。現場の野次(やじ) 馬男(うまお)です。事件のあった住宅は、ブルーシートで覆われていますが……』



「これ、家の近くじゃん。やだ〜〜」

「亡くなった子って睦美と同じくらいじゃないの? 」

「下みたいだよ。それに学区が違うからわかんないよ」

「最近、物騒よね。うちは、女が多いから気をつけないと……睦美も、知らない人についていっちゃダメだよ」

「三季姉じゃあるまいしそんな事するわけでないじゃん」

「最近、生意気なんだから……そう言えばシロウは? 」

「エリックさんとこだと思うよ。お弁当作って届けるって言ってた」

「私のお弁当、詰めてないじゃん。シロウは〜〜説教だな」







 あれから、俺達は、日本に帰った。王女達も行きたいというので、スズネの家に泊まってもらっている。


 ルアンダ国のシロクマ耳っ子姫のモモリーは、はじめての異世界で戸惑っていたらしいが、サツキも一緒にスズネの家に厄介になっているので落ち着いているようだ。


 王女達が来ると、スズネのお父さんは機嫌が良いらしい。わかる気もするが……


 そして、ここにも、王女が来ると機嫌の良い変態人形使いの外人がいた。


「アンリエット王女は、慣れない土地で寝られたでしょうか……」

「エリック、ウザい。黙ってて! 」

「そうは、言ってもですねーー心配デス」

「心配しなければならないのは、エリックの頭の中身。今は、犯人を見つける事が先決」

「シアンは、いつも厳しいデス」


「これで事件が公になって、犯人が動くと思う? 」

「シロウ、焦ってはダメデス。動きはあると思いますが、下手にこちらが騒げば、逃げられてしまいます」

「そう言えば、アスカは? 」


「あの幽霊の子のところに行ったよ。まだ、そんなに移動できないらしいから」


「そうなんだ。でも、親も亡くなっているんだよね。親の幽霊もいるんじゃないの? 」

「それは、今、確認中。波長が合わなければ、私達でも視認できないから」

「そういうものなんだ……アスカが頼りって事か……」


……この事件を早く解決しないとシアンを連れて行けそうもないな……


 俺は、エリックさんとシアンにお弁当を渡して、家に戻るのだった。




◇◇◇




 学校では、今朝のニュースが話題になっていた。顔見知りだった人もいるらしく、教室内は複雑な空気に包まれていた。


 放課後、シアンとスズネと一緒に家に帰る途中、アスカがあの幽霊の子を連れてやって来た。


「おっと、シロウ達、発見! 」

「アスカ、どう? 様子は……」


「探したんだけど、両親の幽霊はいないんだ」

「成仏しちゃったのか? 」


「子供まで殺されているから、成仏はありえない」

「シアン、そういうものなの? 」

「魔の者に魂を喰われた可能性もある」

「えっ! それって、アスカやその子も危ないじゃん」

「できれば、保護したいけど、移動距離はどうなの? 」


「エリックの家ぐらいなら行けると思うぜ! あっちが鍛えたから」

「それなら安心」


「そう言えば、王女達やモモリー姫は大丈夫? 」

「うん。言葉もソラスの魔法で習得してくれたみたいで、モモリーちゃん元気だよ。王女達は、お祖父ちゃんと剣の練習してた」

「いつも、スズネに迷惑かけて悪いな……」

「そんな事ないよ。私もみんながいると楽しいし」

「それなら良いけど……」


 幽霊の件や三国会談、それに行方不明のドラキュラ伯爵など気になる事が多すぎる。


 俺は、先行きが不安で仕方がなかった。






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