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異世界で引きこもりたいけど周りの女性が許してくれない件について  作者: 涼月風
第4章

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第86話 ーーー部活の課題レポートはーーー




 不思議研究倶楽部の部室で銅嶋(どうしま)先輩と話をしていると、スズネやシアン、それと高志間(たかしま)先輩がジュースを買ってやって来た。


「シロウ君、早いね」


 スズネの手に持っていたジュースは「フナ金ジュース」という訳の分からぬ名前のジュースだった。


「スズネ、そのジュースって初めて見たんだけど、何のジュースなの?」

「これ? これは、フルーツ牛乳にナタデココが入っているの。シロウ君、知らないの?」

「うん、知らない。金魚とか入ってなくて安心したよ」

「シロウ君、金魚食べるの?」

「食べないよーー!パッケージの金魚の絵と名前から想像しただけでだから」


「見て見て、シロウ、私のジュース」


 シアンが持っていたジュースは「美乳育成計画」という名前のミルクだった。


「シアン、普通、女性は、それ持ってる事知られたくないと思うんだけど…」

「そう、美味しいのに……」

「そういう問題じゃなくて、名前の事ですからーー」


……このボケシスターは……アレの事を飛ぶと勘違いするだけあるわ……


「流石、鈴風君ね。不思議研究倶楽部のツッコミ要員だけあるわ」

「高志間先輩、俺、お笑い芸人じゃないって何回も言いましたけど」

「そうだっけ〜〜忘れました」


……この人は、もうーー!……


「シロウには、これ買ってきた」


 シアンから渡されたジュースは「八方美人茶」という俺らしいお茶だった。


「シアン、ありがとう。シアンがこれを選んだ事に悪意がないって思っておくよ」


「先輩は、これね」


 高志間先輩が銅嶋先輩に渡した物は「おい!こらっ!」というコカ◯ーラをもじったものだった。


「これを飲むと、いつも怒られている気がするんですが……」


 銅嶋先輩の感性は、普通だった。


「この学校の自販機おかしくないですか?」

「おかしくないよ〜〜」

「おかしいのは、シロウの方」


……マジか……俺の感覚が変なのか!?……


「みんな集まったところで部活を始めましょう。今日の議題は、ゴールデンウィーク期間の不思議レポートについてです」


「何ですか? その不思議レポートって」

「鈴風君、ここはツッコミいらないから〜〜」

「ツッコミではありません!質問です!」

「そうなの? 不思議レポートとは、ある筋では有名な物なんですよ」


……ある筋って何だよーー……


「その〜〜どういった事をするんですか?」

「それは、各々不思議な事を見つけてレポートにしてもらうのです」


……なんでここでドヤ顔なの? 頭おかしいのか? 高志間先輩は……


「じゃあ、休み期間中に不思議な事を見つけてレポートにまとめて休み明けに提出すれば良いのですね?」


「その通りです」


……やっと、話が理解できたよ……


「で、そのレポートは、どの筋で有名なんですか?」

「それは、私です!」


「あんただけかいっ!」


「良いですね〜〜良いツッコミでした。褒美に虫けらキャンディーを進呈しましょう」


……もう、勝手にしろっ!…


 この部活、早く潰れればいいのに……俺は心底そう思っていた。




◇◇◇



『♫ 苦しくたって〜〜悲しくたって〜〜コートの中では、平気なの……って、コートの外ではダメなんかいっつーーの!昼間は人が多くて、ウザいぜーー!滅びればいいのに〜〜、おっと、アレは、シロウたちじゃねーーか。両手に花なんて100万年早いってーーの!。いっちょ、驚かしてやるか〜〜』


 アスカは、散歩の途中で下校途中のシロウ達を見つけたらしい。アスカは、気配を消しているがシロウ達にはバレバレである。


「シロウ君、レポートどうする?」

「まぁ、適当に書くよ」

「そうよね……不思議な事なんて全然思いつかないわ……」


……スズネさん、あなたの周りには不思議だらけですが……


「私も思いつかない……」


……シアンさん、妖精の眼を持つ貴女が不思議そのものですけど……


 俺達の周りをアスカが気配を消して飛び回っている。時には変顔したり、寝そべったり、好き放題していた。


「本当、不思議な事って思いつかないわ〜〜」


……今、目に前にいるアスカほど、不思議な事はないと思うのだけど……


『おいっ!シロウ、これを喰らえ〜〜!』


 アスカが俺に向かって空からドロップキックをしようとしてきた。アスカの着ているワンピースがめくり上がり、あられもない姿が露見した。


『わぁ〜〜!』


 俺はアスカに蹴り飛ばされ、顔の上に馬乗り状態だ。


「やったーー!シロウが驚いたぜーー!」

「アスカ、アスカ、わかったからどいてくれ。俺の顔に乗るのはやめてくれーー!」

「へへん。シロウのリアクションは、相変わらず面白いぜ!」

「違う!アスカ、パンツ履いてない……」


『えっ!?ギャッーー!死ね、死ね、忘れろ!忘れろーー!」


「変態痴女小学生幽霊になったの? アスカは?」

「アスカちゃん。なんでパンツ履いてないの?」


「シアン、スズネ、違う。さっきトイレ行って履き忘れたんだよ〜〜」


「わかったから、アスカ、早くどいてくれよ」


 やっとアスカが俺の上からどいてくれた。珍しくアスカが恥ずかしがっている。


……俺の方が恥ずかしいわっ!……


「レポートの題名思いついた。変態痴女小学生幽霊アスカの性癖」


……シアン、これ以上、この事には触れないでほしい……


「アスカちゃん。下着買いに行きましょう。それだと冷えちゃうわ」


「……うん」


 俺達は、駅前のテナントビルにアスカの下着を買いに寄るのだった。


 俺も行くの?



◇◇◇



面壁九年(めんぺきくねん)』……達磨大師(だるまだいし)は、少林寺の壁に向かって9年もの間、座禅をし、悟りを開いたという。


 無我の境地だ……


「ねぇねぇ、これなんかどう? シマシマで可愛いわ」

「なんでこれは、穴が空いてる? そうか、着けたままトイレできるから!? 優れものだ」

「これなんか最高だぜ!蝶々だぜ!バタフライだぜ!スケスケだぜ!」


心頭滅却(しんとうめっきゃく)』……心の中の雑念を消し去れば、火もまた涼しく思えるものだ。


「このリボン可愛いわ。私、これ買おうかしら」

「何故、(ひも)? これではお尻が割れてしまう……そうか、お尻は初めから割れている……」

「このクマさん気に入ったぜ!あっちはこれが良いーー」


「ねぇねぇ、『シロウ君』『シロウ』『シロウ』どれが良い?」


『わかるかーーっ!!俺が、女性の下着なんてわかるわけないでしょう?』


「えーー好みとかあるじゃん」

「シロウ、何事も真剣に対処しなければ紳士とは言えない」

「シロウは青春ど真ん中だぜ!女性の下着に興味ないなんて、あっちか?」


「そういう事じゃなくて、普通に恥ずかしいんだよ。同級生の下着選ぶなんて、普通の男子高校生には拷問だから〜〜」


『そうなの?』


……この女性達の事を部活のレポートにしたら、ノート一冊ぐらい書けるんじゃないのか?……


 俺は、店を出て近くの本屋で時間を潰したのだった。


 その時、アンリエット王女から念話が入った。


『シロウ様、シロウ様』

『アンリエット王女、どうかしましたか?』

『こちらへは、今度いつ来られますか?』

『用があればいつでも行きますよ』

『では、明日よろしいですか? ギルド長のロベルトがシロウ様に用があるらしく、私のところにシロウ様の居場所を聞いてきたのですわ』

『そうだったのですか……それは、すみませんでした』

『謝る事ではありませんわ。こちらにいらしたら、ご連絡下さい』

『わかりました。必ず』

……[念話終]……


 あのギルド長が俺に何の用だろう?

 俺は、今度はスズネやシアン達を連れて行こうと思っていた。




◇◇◇




 一方、睦美達は、自然博物館を見学し、華厳の滝を見学した後、旅館に着いていた。睦美は、その旅館で湖で携帯を拾ってくれた女性と再会した。どうやら、この旅館の女将だったらしい。


「ほら、また会えたでしょう?」

「本当ですね」


 2人の再開は短い会話で終わってしまったが、この出会いがこの先のシロウ達の運命を左右する大事な出来事だった事を睦美は知る由もなかった。






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