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異世界で引きこもりたいけど周りの女性が許してくれない件について  作者: 涼月風
第4章

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第81話 ーーーミミー達と海底宮殿へーーー

 




 その入江は、いつ来ても綺麗なところだった。七色に輝く太陽の光が水面を反射して、周りの崖に揺らぐように光を重ねている。


 王女達は、あまりにも美しいその光景に言葉を失っているようだ。


 そんな入江の岩の上にミミーは、レヴィアタンと一緒にいた。


「ミミー、迎えに来たよ」


 ミミーは、俺を見て一瞬、笑顔を見せたが急に『プイ』っと首を反対の方向に向けてしまった。


「レヴィアタン、久し振り。ミミーを迎えに来たんだ」

「お前は、姫の契約者でサリーナ様の契約者のシコシコ太郎じゃないか」

「誰が、シコシコ太郎じゃい!俺はシロウ!」

「相変わらず面白いやつじゃ。それでボケ担当は誰じゃ?」

「俺は、お笑い芸人じゃないよ。それにコンビも組んでないから。もう、勘弁してよ〜〜」

「わぁははは、結構、楽しめたぞ。ほら、姫よ。迎えに来たそうですよ。お帰りになった方がよろしいのでは?」


 ……ミミーには、優しいんだから〜〜……


「イヤでちゅう〜〜絶対に帰らないでちゅう〜〜!」

「ミミー、そんな事言わないで、メーガにもちゃんとミミーの話を聞くように言っておいたから〜〜」

「ほんとでちゅか?でも、イヤでちゅうーー!シロウお兄ちゃんは嫌いでちゅう」


 ……ガーーン……結構、くるわ〜〜この言葉……


「初めまして。私、ミリエナ国第一王女アンリエット様に仕えるソランジュと申します。ミミー様。貴女は大変素晴らしい方です。このゴミ虫を嫌いとおっしゃる方は、私の同志であります。どうぞ、お見知り置きを……」


「シコシコ太郎よ。この者達は、人族か?」


「そうだよ。人族の王女様達だ。レヴィアタン達の事はきちんと話してある。それでも、ミミーを迎えにと一緒に来てくれたんだ」


「そうであったか……人族の者達よ。姫を頼む」


「わかりましたわ。きっと、ミミーちゃんをお守り致しますわ」

「人族達と話が出来るのも数千年振りのことじゃ。これも、シコシコ太郎のおかげじゃな」

「俺は、シロウ!!」

「そうじゃった。そうじゃった。わはははは」


 ……こいつ、わざと間違えて遊んでるぞ……


「ミミー、帰ろう。美味しいケーキあげるからさぁ〜〜」


「シロウおにいちゃんは、いつもミミーを食べ物で釣るのでちゅう。もう、ミミーは、誤魔化されたりしないのでちゅう〜〜!」


 ……おっ、ミミーが大人になってる……これは、喜んでいいのか?……


「ミミーは、海底宮殿に入ってレヴィアタンのお手伝いをするのでちゅう〜〜」


「海底宮殿って?」


「それは、私から話そう……。この半年前から、海底宮殿に住み着いた魔獣が悪さをし出して困っておったのじゃ。儂の図体では、入りきれんし、外に出てきた魔獣を喰らう事ぐらいしかできんしのう。そんな話を姫にしたら、私が退治してくるって言い出して困っておったのじゃあ。そこにお主達が来たというわけじゃあ」


「海底宮殿なんてあるんだ〜〜?」

「その話は、聞いた事がありますわ」

「アンリエット様、ご存知なのですか?」

「王宮の図書で読んだ事があります。数千年前に栄えていた半魚人族の者達の居城ですわ。今は、絶滅してしまって、その存在も都市伝説みたいな話になっておりますけど……本当にあったなんて……」


「半漁人族は、確かに滅んだようだが、生き残りがいると聞いたこともある。その話も、数百年前の話じゃがな」


「そうなのですか…〜知りませんでしたわ」

「お主は、人族なのに博識じゃな。名は何という?」

「ミリエナ国第一王女、アンリエット=ムサシ=ミリエナですわ。レヴィアタン様とお会いできて光栄ですわ。伝説の悪魔さんですもの」


「おいっ、シコシコ太郎よ。聞いたか? この人族の王女は、儂に会えて光栄っと言いおった。儂もまんざら捨てたもんじゃないわい」


 ……俺は、シロウだ!エロ悪魔め!鼻の下が伸びてるぞ〜〜ってどこが鼻だ?……


「ミミーは、退治しに行くのでちゅうーー!」


 ……これは、困ったなぁ〜〜ミミーの様子じゃ、言い出したらきかないだろうし海底じゃあ、俺は同行出来ないし……


「私も一緒に行くわ!」


 ……えっ!?カトリーヌ王女、そこって海の底なんですけど、話、聞いてた?……


「私も、ミミーちゃんと一緒に行きますわ」


 ……アンリエット王女まで……だから、海の底なんだって……息できないよ。水圧ハンパないよ……


「お主達が姫と同行してくれるのか?それなら、安心じゃわ」


 ……俺達、人だから自然の影響をモロに受けるんですけど……


「海底宮殿は、海の底なんでしょう。俺達じゃ無理だよ」


「そんな事、ありませんわ。気合いで乗り切ればどうにかなりますわ」


 ……無理だって〜〜気合いで、水圧には耐えられないよ〜〜……


「お主達は、人族じゃあ。海の中でも自由にできるように儂が加護を授けよう!」


 レヴィアタンの吐く息に包まれた俺達は、身体に変化が起きたのがわかった。

 きっと、これがレヴィアタンの加護なのだろう。前のとは少し違っていたけど息が生臭かったのは同じだった……。


「ミミー、レヴィアタンの加護をもらったから、一緒に行くけど、終わったらちゃんと帰るって約束してね。じゃないとこのまま、連れて帰るよ」


「う〜〜っ、わかったでちゅう。シロウお兄ちゃんは、意地悪で嫌いなのでちゅう!」


 ……ガガーーン……また来たぞ!精神攻撃が……耐えろ、俺……


 メイド達は、そんなミミーの頭を撫でている。


 何で?



 ◇◇◇



 レヴィアタンが言うには、海底宮殿は、この入江からそう遠くないらしいが、魔獣達が溢れて危険だと言う。十分な戦闘準備をしていった方が良いとの事で、俺達は、一旦宿屋に戻った。ミミーは王女達に連れられて王宮に行ってしまった。明日、また、迎えに行くとの事で、俺1人宿屋に取り残されてしまった。


 俺は、1度日本に戻る事にした。マイルームを経由しているから時間の変化はない。

 明日は、睦美を修学旅行に送り出さなければならない。それが済んだらもう一度、異世界に行こうと思っていた。


 翌朝、いつもより早く起きた。台所で二葉姉が半裸状態で寝ていた。

 お酒を飲み過ぎた時は何時もの事なのだが、これでは邪魔で朝食の用意ができない。


「二葉姉、起きてよーー!自分のとこで寝てよ」

「う〜〜ん」


 ダメだ。起きそうもない……俺は仕方なく二葉姉を抱えてベッドに寝かせた。


 ……よっし!これで朝食の用意を……


「シロウ、水、ちょうだい〜〜」

「起きたの〜〜。わかったよ。待ってて……」


 水を汲み持って行くと、もう、寝ている。俺は、水を側に置き朝食の用意をしようとすると、


「シロウ!ここに座りなさい!〜〜むにゃむにゃ〜〜」


 ……どんな夢見てんだよ〜〜だいたい想像できるけど……


 俺は、朝食を作り終わり、三季姉やシアン、エリックさんのお弁当も用意した。あとは、睦美を送り出すだけだ。睦美を起こすと、眠そうに目をこすりながら起きてきた。集合時間はいつも学校に行くより早い。


「睦美、おはよう。さっさと顔洗ってきな〜〜」

「う〜〜ん」


 まだ、寝ぼけてるみたいだ。すると、


「シロウ兄おはよう。今日は、早いね」

「サツキか……悪いけど、睦美に持たせる酔い止めの薬出しておいてくれない?」

「起きたばっかなのに、人使い荒いんだから〜〜!」


 サツキは、今日も元気そうだ。その時、リーナから念話が入った。


『シロウ、昨日来たんだって?』

『そうだよ。リーナは外出中だとクルミが言ってたよ』

『ミミーの事?』

『そう。執事のメーガさんにいろいろ聞いたんだ。ミミーに対する期待感がハンパなかったぞ』

『そうなんだ……ミミーは?』

『レヴィアタンのところにいたよ。今は訳あって人族の王宮にいるけど』

『それって、私が目覚めたところ?』

『そうだよ。それから、海底宮殿って知ってる?そこにミミー達と行くのだけどレヴィアタンが言うには、魔獣が溢れて大変なんだって……ミミーがそれ聞いて退治しに行くって効かなくて』

『海底宮殿……』

『どうかしたの?リーナ』

『この間、邪龍族の調印式の時聞いた話だけど、セイレーンという怪物が暴れているらしい。見かけは人間のようだが、身体の半分が魚。群れをなして一千年前半魚人族を滅ぼした化け物』

『もしかして、今、海底宮殿で暴れているのは……』

『多分、セイレーン。シロウ気をつけて』

『わかった。無理しないようにするよ』


 ……[念話終]……


 もしかしたら、結構、面倒な事なんじゃないか? これって……


 俺は、フエニックスの涙を小瓶に詰めて補充し、王女達に渡しておこうと思った。




 ◇◇◇



「行ってきま〜〜す」


 睦美は、眠そうにリュックを背負って出かけた。水筒をぶら下げているのが、いかにも小学生らしくて可愛い。


 俺もリーナの家に戻って異世界の宿に行く。すると、もう、みんなが来ていた。


「もう、来てたんですか?これから迎えに行こうと思ったのですが……」

「貴様が遅いからわざわざ馬車でここまで来てやったのだ!ありがたく思え!このゴミ虫」

「きっと、あられもない私達の姿を思いだして、何度も何度も陵辱したのか!言え!吐いて仕舞え!そして、忘れるんだ〜〜」


 ……朝から、その罵倒と妄想はキツいです……


「シロウ様はどちらに行かれてたのですか?」

「家に帰っていたのです。下の妹が今日から旅行なので、送り出したのです」

「そうでしたの〜〜サツキさんの下の妹さんですわよね」

「そうです」


 ……前の時間軸ならアンリエット王女達と睦美はアキバに行っていたはずだけど、この時間軸ではまだ、会っていないんだっけ……


「シロウさんって家族思いよね。そういう男子は、結婚しても奥さんの事、きっと大事にしてくれそうだよね〜〜姉様」


 ……カトリーヌ王女、意味深な会話はやめませんか?……


「では、行きましょか? ミミー、一緒に行こう」

「イヤでちゅう。おねーちゃん達と行くでちゅう〜〜」


 ……ガガガーーン、結構、ショックなんだけど……


 ミミーの頭をメイド達が撫でている。上手く、手懐けられてしまったようだ。


 俺は、落ち込みながらもレヴィアタンのいる入江にドアを開いた。




 ◇◇◇



「さぁーー着きましたよって、みんな、何してんですかーー!」


「こちらを見るなっ!このゴミ虫がっ!」


 みんなは、服を脱ぎ下に水着を着ていたらしい。海に入るのだから当たり前なのだが、俺は、そこまで考えていなかった。


「ど、どうですか……?」


 ……アンリエット様、そんなに恥ずかしがって言われたら気まずいです……


「とても、よくお似合いですよ……」


「こちらを見るなと言っているだろう。このフナムシが!」

「私の姿は、すぐ脳内から削除しなさい。このフナムシが!」


 ……このメイド達、どうにかならんのか……フナムシになってるし……


「シロウさんは、役得だよね。こんな美人達の水着姿を独占できるんだもの」


 ……カトリーヌ様、自分で言うのは如何なものかと……


『うぉほほ〜〜い。これは、良いものじゃな。シコシコ太郎よ』


「突然出てくるなって!ビックリするだろうーー!それに、俺は、シロウです」


 ミミーも水着に着替えている。おそらく王女達の子供の時のものだろう。


「ミミーも水着よく似合ってるよ」


「でへへ〜〜でも、騙されないのでちゅう。シロウお兄ちゃんは誰にも同じ事、言うのでちゅう。スケコマシなのでちゅう〜〜!」


 ……ガガガーーン、耐えろ!俺、スケコマシって……あのメイド達だな……


 俺達は、レヴィアタンのヒレに捕まって入江から海の中に入る。


 いざ、海底宮殿へ……






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