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異世界で引きこもりたいけど周りの女性が許してくれない件について  作者: 涼月風
第3章

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第67話 ーーーいつもの日常ーーー

 




『7時のニュースです。今日の株式市場では、日経平均3万円を超えました。これは、1990年8月以来の事で、市場関係者は、景気回復し出した企業の業績が好調だった事に加え機関投資家による資金の大量流入が招いたものであると話しております。……』


「今、景気良いの?」

「全然、そう感じないけど……」

「だって、テレビで言ってるよ。私、洋服欲しい」

「睦美、他所様や他人様がどうか知らないけど、うちはうちなんだから〜〜」

「それは、三季姉だけじゃないの?いつもお小遣い無くなったって私に借りるじゃん」

「高校生は、いろいろ使うのよ」

「学校帰りに、買い食いするのに使うんでしょう」

「もう、睦美は、生意気なんだから〜〜ところで、シロウは?」

「隣じゃないの?」

「最近、あいつサボりすぎ……これは、説教だな!」


 三季は、かっこいいなぁって思っている部活のコーチが後輩とイチャイチャしてたので、少しイライラしていた。




 ◇◇◇



 俺は、アザゼル達の夕飯の用意をクルミとしてたのだが、アスカがやって来て


「シロウ、ちょっとあっちと来てくれよ〜〜」

「また、迷ってる幽霊でもいたのか? あっ、クルミ、キャベツは千切りで……」

「幽霊じゃなくて、気になる奴がいるんだよ〜〜」

「気になるって人なのか? そうそう、衣は卵につけてからパン粉をまぶすんだよ」

「シロウ!あっちの話を聞けーー!」


「わぁーー!あちちちーー!アスカ、油が跳ねたじゃないか!」

「あっちの話を聞かないからだよーー!べっーーだ!」


 アスカは、不貞腐れてどこかに消えてしまった。俺は、トンカツ作りに精を出していた。




 ◇



「シロウの奴!最近、生意気になりやがってよーー!説教だな!」


 アスカは、空をふわふわ散歩中だ。もちろん姿は消している。

 いつも通り、街中で人が行き交う姿を眺めていると、また、気になる奴が現れた。しかも、昨日とは、違う男だ。


「何かあの男達、精気を抜かれているっちゅうか、どこか変なんだよなーー!まぁ、あっちには関係ねーーか!」


 アスカは、別の街にフラフラと散歩し出すと、ある人物を見かけた。


「おっと、あれは、シロウの姉貴、二葉の姉御じゃねーーか!いいねーー。あのドレス。あっちも着てみてーーぜ!よっしゃーー!今日は、二葉の姉御について銀座の夜の蝶になってやるか!」


 アスカは、シロウの姉さんの勤めているクラブに侵入したのだ。


「香織ちゃん。黎明さんからご指名よ」

「わかったわ」


 香織とは、二葉姉さんの源氏名だ。クラブでは、そう名乗っている。


「黎明さん、いらっしゃい。お久し振りね」

「おーー香織ちゃんは、相変わらず可愛いのう〜〜」

「何時もの水割りでいい?」

「ボトルは、まだ、残ってたかのう?」

「大丈夫よ。前来た時、そうそう、外人さんと来た時、入れたから〜〜」

「そうか、そうか〜〜」


「おっと!二葉の姉御発見!では、社会勉強させてもらいましょうか〜〜」


 アスカは、二葉の姉御のそばを行ったり来たりして、その姿をみていた。もちろん姿は消している。


「黎明さん。おつまみは?」

「チーズの盛り合わせをもらおうかのう。あと、お新香があったら最高じゃい」

「わかったわ」


 香織(二葉姉)は、手を挙げてボーイを呼ぶ。注文を伝えるとボーイは厨房に入っていった。


「ところで香織ちゃん。最近、どこか行ったかい?」

「どこかって? 別に、仕事と家の往復だけだけど〜〜」

「まぁ。その〜〜廃墟とか心霊スポットとかじゃ」

「そんなとこ行くわけないでしょう?黎明さんじゃあるまいし……」

「では、どういうことかのう……」

「変な黎明さん」


 黎明にはアスカが見えていた。アスカが香織(二葉姉)のそばを行ったり来たりしてるので不審がっていた。


 アスカは、夕飯を食べないで出て来たのでお腹が空いてきた。チーズをちょっともらおうと手を差し出すと、


「これは、わしのじゃーー」

「えっ!祖父さん、あっちの事、見えるの?」

「ほぉーーこれは、話ができるとはたいしたもんじゃ〜〜」


 香織(二葉姉)は、席を立っていなかったので、ちょうど良かった。


「香織ちゃんに何か用かのう?」

「香織ちゃん!?あれは、二葉の姉御じゃ。シロウの姉さんだっつーの!」

「シロウ……それは、鈴風 四郎のことかのう」

「何だ。祖父さんシロウを知ってるのか!そうだよ。二葉の姉御は、シロウの姉さんだよーー。今日、あっちは、社会勉強に来たんだ。すげー〜だろう」

「何と、シロウ君のお姉さんじゃったか。偶然とはいえ、いや、これも縁かのう」


「お待たせ〜〜黎明さん、席外してごめんね〜〜」

「よい、よい。香織ちゃんは、シロウ君の姉さんじゃったんじゃのう」

「シロウ!? そうよ……シロウを知ってるの? 」

「うちの孫娘と同級じゃあ。さっきまで、うちにおったわい」

「えっ!じゃあ、黎明さんって神屋代 鈴音ちゃんのお爺さんなの?」

「そうじゃわい。それに、さっきからそこに少女の幽霊がおるしのう。香織ちゃんの事、教えてくれたのは、その子じゃ」

「アスカちゃん、いるの?も〜〜う、子供には早いって言っておいて」


「今日は、二葉の姉御について社会勉強してんだっつーーの!」

「アスカちゃん、声出さないでよ。お店なんだから……」

「はい、はいってか!」

「も〜〜う、仕事になんないじゃない」


 アスカは、黎明の隣に座っている。チーズを隠れて食べていた。


「しかし、シロウ君は不思議な子じゃ〜〜儂が出会った人の中で、一番特異な存在じゃあ」

「一度死にかけたのよ。去年の夏に……でも生き返ったのよ」

「そうか……そんな事があったのか……」

「それから、リーナさんとかスズネちゃんとかアスカちゃんもそうだけど、シロウの周りには、素敵な女の子ばかり集まって来たわ。前は、人付き合いが苦手な子だったからどうなるかと心配してたくらいだもの」


「シロウもそう悪い奴じゃねーーから、二葉の姉御もそう、心配するなって。あっちがついてるしね〜〜」

「それはそれで心配だけどね。アスカちゃん。もう、遅いから帰りなさい!これは姉御の命令よ」

「わかったよ!みんなうるさいっつーーの!」


 そう言ってアスカは、どこかに消えてしまった。黎明は、シロウがこの先どんな運命が待ち受けているのか、と案じていた……。




 ◇◇◇



 次の日、学校では、この前行われた実力テストの結果が張り出されていた。

 国・数・英の三科目だけのテストだが、10位までの成績と名前が書かれている。


「高校って、こんなエゲツない事すんの〜〜」


 すると、背中を後ろの席の瀬戸 大輝が叩いた。


「シロウ頭良かったんだな。ほらっ、総合9位だってよ」

「マジで……」


 順位は中間ぐらいだと思っていたので、俺は、その張り紙を見ると、


 1位 298点 シアン チャーミア

 2位 284点 〇〇 〇〇

 3位 282点 神屋代 鈴音


 9位 274点 鈴風 四郎


 となっていた。


 ……シアン、自信があるって言ってたけど……それに、神屋代3位かよ……


「全く、シロウは、おいしいとこ持ってくよなぁーーうちのクラスの美女2人に成績も良いなんてなぁーー、羨ましいぜ!」


 また、大輝に背中を叩かれた。少し、悪意がこもってたと思う。


 お昼は、エリックさんの許可で屋上でお弁当タイムとなった。ここの方が前、食べてた場所より、気持ち良い。

 今日は、ドラ子の分もある。アスカを含め、5人で食べていると、


「いたいた、シロウーー!」

「何だ。三季姉か………」

「いいなぁーーこんなとこでお弁当か〜〜」

「何でここに居るってわかったの?」

「エリックさん、じゃないや、先生に聞いたんだよ」

「で、三季姉、何のようなの?」

「そうそう、シロウ、帰りにサポーター買っておいてくれない。私、忙しく

て買いに行けないから〜〜」

「いいけど、どこの部分の?」

「足首だよ。少し痛むんだ」

「わかったよ。サイズはS、M?」

「Sだよ。じゃあ、お願いね〜〜」


 そう言って、逃げるように走り去って行った。


 ……そうだ。お金もらうの忘れてた……もしかして、それで、俺に……仕方がない……家計費から捻出しよう……


 放課後、シアンとスズネは、不思議研究倶楽部の高志間先輩に捕まって部室に連れて行かされた。俺は、用事があると断ったので、今日は、すんなり帰れそうだ。アスカは、空の散歩をしている。


 ドラ子が、姿を顕現し三季姉のサポーターを買いに、この前のドラッグストアーに寄った。


「結構、種類があるけど……これ、980円だし、これにしようか……っとサイズが合わないや。Sっだったよな〜〜ぎょえ〜〜Sは、この3980円のしかない……」


 店の人に聞いたけど、Sサイズは、これしかないと言われた。他の店に行く時間もない為、その高いサポーターを購入した。


 ……三季姉ーー、あとでお小遣いから徴収してやる〜〜!……


「シロウ様、怪我されているなら回復魔法で治せばよろしいんじゃないですか?」

「この世界には、魔法の概念はあっても使える人は、いないんだ。もし、そんな魔法使ったら、大騒ぎになるだろう?」

「そういう事ですか……でも、お姉さんですよね〜〜隠す必要もないのでは?」

「そうなんだけど……こんな能力、この世界では、異常な事なんだ。もし変な事件に巻き込まれでもしたら大変だろう?」

「確かに、異質の能力は、誰かに利用されやすいですが……まぁ、これはシロウ様のお考えに従っておきましょう」

「ドラ子は、頭良いよね〜〜。さすがというか、すごいというか……この世界の事もすんなり受け入れて、馴染んでるし……」

「伊達に長く生きてませんから」

「そういえば何歳なの?」

「女性の歳を聞くのはマナー違反ですが、シロウ様は、特別です。私は、3994歳になります」

「えっ……リーナよりお姉さんだったんだ……」

「リーナ様が生まれた時はよく覚えております。母親は、人族の女性でしたが、とても綺麗な方でした」

「そうだったんだ……」


 ……きっと、この世にはもういないのだろう……聞いてはいけない気がした……


「シロウ様、それとあとで血を頂けませんか?」

「構わないよ」

「そろそろ、魔力も回復させておきませんと……」

「わかった。人気のないところなら構わないよ」

「ありがとうございます」


 俺はリーナの家の一室でドラ子に血を提供した。

 その後の事は、皆さんのご想像に任せます……。






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