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異世界で引きこもりたいけど周りの女性が許してくれない件について  作者: 涼月風
第3章

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第64話 ーーー不思議研究倶楽部ーーー

 




『9時のニュースです。先程、日本時間、午後、8時頃、東南アジアの島が、爆発した模様で半壊しました。外務省によるとその島は、誰も住んでいない無人島との事ですが、現在、爆発の原因を調査中との事です。また、日本人が被害を受けたという情報は、入ってきておりませんが、黒煙が立ち登り、島近辺の街では、周辺の建物のガラスが割れたなどの被害が出ているようです。次のニュースです……』


「何だろうね……火山かな?」

「そんな事より、シロウはどこ行ったの? 」

「睦美が知るわけないじゃん。三季姉の携帯に連絡入ってるんじゃないの?」

「母さんも今日は夜勤だし、二葉姉は仕事だし……あれっ!サツキは?」

「今、お風呂入ってるよ。次は私が入るからね〜〜」

「早く出てよねーー。あとが使えてるんだから〜〜」


「全く……シロウは、高校に入ってから、夜遊びばかりして……これは、説教だな!」


 三季は、思うように短距離走のタイムが伸びないので少しイライラしていた……




 ◇◇◇



 俺は、湖のほとりにドアを開いた。少し陽が落ち始めてきたが、周辺の木々が陽を(さえぎ)り、薄暗く感じる。

 ここからだと、別荘まですぐだ。俺は、ペリンにその墓の場所を訪ねた。


「すぐそこです。少し、小高いとこが見えますよね。その上にあります」


 その丘は、湖が見渡せる眺めの良い場所だった。エリックと思われるお爺さんの別荘もここからだと良く見える。


「父は、毎日、ここに来てました。私が薬草を採って持ってくるときは、ここで湖を眺めながら物思いに耽っていました……」


 丘の上には、小さな石が置かれていた。表面に何か刻まれていたあとがあるが風化しており、読むことができない。

 ペリンは、その石の前でお祈りしながら、土を掘り、持ってきたロザリオを埋めた。その時、爽やかな風が吹いたのは、きっと偶然だろう。


「誰のお墓なの?」

「名前までは知りません。でも、大切な人だとしか言ってませんでした」


 シアンは、妖精の眼で見ているのだろう。じっと目を凝らしてその石を見つめている。俺も鑑定を使って、その石を鑑定した。


 ……………

 花崗岩カコウガン

 火成岩の一種で、大陸北部で主に産出される。

 御影石とも呼ばれ、その用途は汎用である。

 ……………


 石の情報しか出てこない……


 シアンはどうだ?……


「シアン、何かわかった?」

「ううん。石の情報しか見えない……」


 俺と同じみたいだ……鑑定レベルを上げればわかるのか?


「シアン、レベルを上げれば何かわかるかも知れない。その時、また来よう」

「うん……」


 俺達は、その石に向かってお祈りをし、エリックが見ていたと思われる景色を眺めていた。




 ◇◇◇



 ペリンを送り届け、俺等は、急いで日本に帰った。ドアを直接開いたので、予想通りなら、時間が経過している。


「何ーー!もう、夜の11時じゃん!」

「えっ!そんな時間なの? お母さんに連絡しないと怒られるわ」

「スズネ、早く電話した方がいいよ。お父さんに知れたら怒られるから〜〜」


 スズネのお父さんは、娘を溺愛してる。俺と一緒にこんな時間までいたと知られたら、何を言われるかわかったものではない。


「あっ、お父さん、今、シロウ君と一緒にいるの〜〜これから帰るからね〜〜」


 ……何で、お父さんに連絡するの?しかも、俺の名前だしてるし……


「シロウ君? 今、ここにいるよーー。えっ!変わるの?」


 ……何ですとーー!……


「シロウ君、お父さんが話しあるって〜〜」

「……出ないとダメ?」

「何か重要な話しだって〜〜」

「……わかった……もしもし……」


『鈴風君!今、何時だかわかっているのかねーーっ!!』

「はい……」


 予想通り、スズネのお父さんは、激おこだった……

 俺は、散々注意された挙句、近々、スズネの家に来い、と言われてしまった。


 俺達は、それぞれの家に帰った。俺は、自分の家に帰っても三季姉から散々怒られた。



 ◇◇◇



 俺は、反省していた。ドアを直接開くのは、時間に余裕がある時じゃないと難しい……と。つい、便利なので使ってしまっていたが、時間経過がこんなにも、危険をはらんでいるなんて……特にスズネのお父さんなのだが……


 しかし、午後の授業は、何で眠くなるんだろう?

 しかも、エリックさんの授業だし……何で映画鑑賞?

 この、映画、彗星が地球に向かってくるやつだよね……

 何年か前、DVDを借りてみんなで見たやつだ……

 穴掘り職人たちが彗星に乗り混んで爆弾仕掛けるやつ…

 うちのお父さんが、トンネル工事をしてるからって、見たんだよなぁ……

 今、海外のどこで工事してんのかなぁ?

 ちっとも、連絡こないからわかんないや……

 もうすぐ終わりそう……エンディングの曲がかかってる……

 エリックさん、ノリノリだよ……この歌、そんなに好きなの?


「は〜〜い。皆さん。この映画は、とても良い映画デス。特に、最後のシーンと曲が最高なのデス。歌ってるのは、エ◯ロスミスというバンドデス。興味ある人は、聴いて下さい。英語は、楽しみながら覚えた方が良いデス。こういう映画を字幕で見ながら、勉強するのも一つも考え方デス。今日は、これでお終いデス」


 こういう授業は楽で良いけど、試験に出ないからなぁ……


 授業が終わると、スズネが俺のところに来た。


「シロウ君、今日、部活見学するでしょう?シアンも誘って、一緒に行こう」

「わかった。用意するから……」


 俺達は、不思議研究倶楽部の見学の行くことにした。部活なんてどこでも良いのだが、約束してしまった以上、一度は行かないとあとが面倒くさい。


 この学校は、旧校舎があり、そこに各部室がある。不思議研究倶楽部の部室は、三階の一番奥だった。しかも、部室のドアには、不思議研究同好会となっており、『不思議研究同好会の諸君!速やかに部室を明け渡して下さい』という生徒会からの張り紙が貼られていた。


「もう、この倶楽部、廃部になるんじゃないの?」

「張り紙が貼ってあるしね〜〜」

「どこでも良い。早く見て帰ろう」


 俺達は、ドアをノックして部室に入る。すると、見るからに勉強ばかりしてそうな、メガネの男の先輩がいた。


「すみませ〜〜ん。高志間先輩の紹介で見学に来ました〜〜」

「君達は……鈴風君と神屋代君とシアン君だね。高志間君から聞いているよ。僕は部長で3年の銅嶋(どうじま) (かける)だ。さぁ、さぁ狭いが、ゆっくりしてくれたまえ」


 部室の中はいろいろな資料が山のようにあふれていた。中央に大きなテービルがあり、椅子も用意されている。ホワイトボードには、わけのわからない記号や新聞の切り抜きが所狭しと貼られている。


「銅嶋先輩、ここで何をするのですか?」

「そうだねーー、高志間君から聞いているように、この世界で起こってる不思議な事を研究しているんだよ。最近では、池袋、北口のホテルが破壊された事件だとか、この近くの公園の洋館が破壊された事件とか調べているけどね。それと、昨日の、東南アジアの島が半壊した事件も、今、高志間君がネットで情報を集めてるよ」


 ……それって、全部、俺達が関わってる事なんですけど〜〜……


「わっ〜〜面白そ〜〜う」


 ……スズネ!池袋の件は、あんたが壊したんだって! 面白そうって……でも、東南アジアの島の半壊事件って、あの島か?それは、知らなかったぞ……


「ちっーーす!先輩、先輩!」


 いきなり噂の高志間先輩が現れた。


「あっ、みんな〜〜来てくれたんだ〜〜良かった。これで、部に復活できるわ!」

「あの……まだ、見学しに来ただけなんですけど〜〜」

「いいの、いいの、遠慮しないで、ここに、学年とクラスと名前を書いてね。それより、東南アジアの件、映像をゲットしました!」

「良くやった!高志間君。早速、見てみよう」


 高志間先輩は、抱えていたノートパソコンを開いて、その映像を流した。


「ちょっと、不鮮明ですが、ドライブレコーダー搭載してる車からの映像です」

「このあたりだね。黒煙が立ち上ったのは?」

「はい。一瞬ですが、空まで突き抜けてます」


 その映像を見せてもらうと、車がカーブを曲がるとき、一瞬だけ、黒煙が天まで届いていた様子が映されていた。


 ……よく見えないが……これって、リーナがパンドラの箱から出た時と似てるよ。もちろん規模は小さいけど……


「きっと、これは、悪魔召喚を行った時に出た黒煙だと私は考えます」


 ……あの一瞬でそう思うの? 嘘でしょ〜〜う。普通は、火山の煙とかじゃないの?この人、思い込み凄いよ〜〜……


「これだけでは、そう判断するのは軽率すぎるぞ!高志間君」

「じゃあ、銅嶋先輩は、何だと考えるんですか?」

「火山が爆発した時の煙じゃないかね。棒状に見えてるのは、距離が離れているせいで、大気の揺らぎでそう見えているのかも知れない。ここは、日本と違って暑い国だしね」


 ……この先輩は、常識のある人みたいだ……


「これは、悪魔がこの世に顕現した証拠」


 ……シアン、何、言ってるの?……


「私もそう思うわ」


 ……スズネまで……みんな、どうしちゃったの?……


「そうでしょう。ほらっ、先輩、女性達は真実が見抜けるんですよ!」

「鈴風君は、どう思うかね?」

「俺は、銅嶋先輩の意見と同じです……」

「これは、男性と女性で意見が分かれたね〜〜この案件は、継続案件としよう」


 この倶楽部、妙に的を得てるから怖い……でも、この倶楽部にいれば情報を操作

 できるかも……敵に回すより、味方でいた方が都合が良いかもしれない……


「どう? 面白そうでしょう? 入部するでしょう?えっ!シアンさんも神屋代さんも、書いてくれたの?わぁ〜〜ありがと〜〜う。あとは鈴風君だけね」


 ……2人とも、入部届け、いつ記入したの?……


 俺は、仕方なく、入部届けに名前を書いた。




 ◇◇◇



 家に着く頃、リーナから念話が入った。クルミを連れて冥府に来て欲しいという事だった。


 俺は、クルミのところに行き、マイルームからドアを開き冥府に行った。






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