第6話 ーーー王宮内での尋問ーーー
私は、アンリエット=ムサシ=ミリエナ、17歳。二年前成人したミリエナ国の第一王女よ。
あれっ、前に自己紹介しましたっけ?失礼しました。今の事は忘れて下さい。
とにかく、この国の王女です。王女なんです。
ですが……最近、おかしいのです。何か胸の中でモヤモヤして……
そうような時は、決まってあの殿方の事を考えてしまいます。
そう。あの裸の……ち、違います。そんな如何わしい事ではありません。あの時の事です。あの黒い魔人が現れた時の事です。
そう、あれは、侍女のソランジュがあの殿方が市中曳き回しの上、張り付けの刑罰にあっていると言っているのを聞いた時です。
私は、前の日から眠れずにおりました。それは、あのステッキをネコババ……ち、違います。無断でお借りした事を悔いていたのでした。
「こんな素敵な物ですもの。きっと大切な物なんですわ。それを私は……」
ですので、あの殿方にもう一度お会いして、謝罪をしこのステッキをお返ししようと行動に出たのですわ。それを、侍女のソランジュが大声で引き止めるから妹のカトリーヌまで知られる事になってしまったの。
誰に止められようと私の決心は揺らぎませんわ。だって、王女ですから………
結局、側近の者達は、私の行動に同行する事で同意を得ましたの。妹のカトリーヌまでついてくるとは、意外でしたけど……
王宮前広場に着いた時は、変わり果てたお姿に心を痛めましたわ。あの方はお疲れのご様子でしたし、周りの者達も騒がしいので遠くから謝罪を致しました。あの方の耳には聴こえてなかったかもしれません……
でも、突然あの殿方が「ごめんなさい」と私に向かって言ってくれましたの。きっと、私の部屋に無断で入った事に心を痛めていたのね。あの時の事は……
事故ですわ。そうなのです。それでも、謝罪をされるなんて、なんとお優しいお方なのでしょうか……
その時です。城の方から爆発音が響いたのは……
私は、とっさに結界を張りました。そうあの方のステッキを使って……
驚いたのは、魔法の威力が桁違いに大きく発動できた事です。普段でしたら精々2〜3人分の結界が限界でしたのに、それを遥かに上回る魔法が簡単に発動したんですもの。お陰で、騎士やそこにいた民まで結界で覆う事ができ皆さんをお護りする事が出来たのですから……
本当に素敵なステッキ……
でも、あの黒炎が来た時は、私は覚悟を決めましたわ。恐怖の為、声を上げる事も出来ない、強そうな魔人でしたもの。私の結界もやすやす壊されてしまいましたし……
ですが、あの殿方は、勇気のある方でした。薄れゆく私の手を取り魔力を授けて下さいましたし、あの魔人に立ち向かって私達を助けてくれました。
本当に感謝しかありませんわ。だから、あの人がお倒れになった時、すぐに回復魔法をかけ、私の魔力では、補いきれない分を侍女のソランジュに手伝ってもらって、一命を繋ぎ止める事が出来ましたの。お役に立てて嬉しいです。それに、あの殿方は、あの華奢なお身体にどれだけ強いお心をお持ちなのでしょうか? あの華奢なお姿の……でへっ
「アンリエット様、アンリエット様」
「あっ、ソランジュ。どうしたの?」
「アンリエット様が外をご覧になられて、一人で何かおっしゃっていたので心配になってお声をおかけしたのですが………お口からよだれが出ておいでですよ」
「えっ!そ、そうだったの。心配かけたみたいね……ゴシゴシ」
「お口を拭くのは袖でなさらない方がよろしいかと思います」
「たまたまよ。もう、この服を着替えようと思っていたから丁度いいのよ」
「そうでしたか……では、着替えをお持ちいたしますね。そうそう、あの野蛮人が目を覚ましたそうですよ。先程、事務官筆頭のドリトス様が言っておりました」
「そうなのーーへぇ〜〜良かったわ……」
「アンリエット様 嬉しそうですね。もしかして、あの殿方に……」
「ソランジュ !着替えは、少し楽な服がいいわ。今日は何か肩がこるから」
「そ、そうですか。わかりました、すぐにお持ちします」
ソランジュは、足早に部屋を出て行った。
そう……あの方が目を覚まされたのですね……
◇◇◇
王宮内会議室では、シロウの事でまた、会議がおこなわれていた。
「先日の魔人は、古代遺跡から持ち込んだ遺物の一つから出現したという訳ですね」
「は〜い。その通りで〜す」
王宮事務筆頭のドリトスは、研究所所長シルベルにそう尋ねる。
「しかし、不思議じゃのう。入れるはずのない王宮内に侵入した不審者、それに呼応するように出現した魔人。しかも、不審者が魔人を討伐しよった。これは、偶然かのう?」
魔法術師最高位の導師の位を持つグラハムは、不思議に思っていた。
「偶然かどうかわかりませんが、姫様達をお助けしたのは事実です。レベル2の平民がどのように倒したのかわかりませんが、その場にいた者は、あの者が命を賭して魔人に向かって行ったと言っています。その行動は、評価されてもよいのではないでしょうか?」
「不思議で〜すねーー。いろいろ身体を調べてみたいでーーす」
「陛下も姫様を救った者に会いたいとおっしゃってます。危険な人物とは思えませんが、皆様の意見をお聞きしたいです」
「彼奴が目をさまして、状況を確認してからじゃ。万が一陛下に害をなす行動に出ることも考慮しなければなるまい」
「そうですね。あの者が目を覚ましからですね。事情を聴取する時は、皆様もご同席ねがいます」
「是非とも、話を聞きたーーいです」
「あい、わかった」
「失礼します。例の不審者が目を覚ましたようです」
伝令に来た兵士はそう告げる。
「そうか、目を覚ましたすぐ後では、記憶も曖昧じゃ。一時経ってから面談しようかのーー」
「わかりました。では、皆様、そうのようにお願いいたします」
不思議じゃ。こんな事は、ここ何百年なかったことじゃ。まして、魔人の襲撃など1000年前以来じゃ。この国、いや、この世界に何が起ころうとしているのじゃ。
彼奴は、魔人への魔法攻撃を一瞬で無意味だと見破った。余程の戦闘経験を積んだ者でなければわかるまい。
しかし、彼奴はレベル2の平民じゃ。もしかしたら、伝説の渡り人か?そんな事、この国建国以前のことじゃ。
これから、この世界を揺るがす出来事の為に、神によって導かれたのか?
いや、そんな話は、おとぎ話の中だけじゃろうし……
儂も、そのようなことを考える羽目になるとは、歳をとりたくないものじゃ
◇◇◇
「ここは、どこ?」
俺が目を覚ましてのは、豪華な部屋の中のベッドの上だった。あたりを見回している間に、あの時、気を失って倒れた事を思い出していた。
「うーーむ。部屋は豪華だけど、ベッドはあまり良くないな。弾力性が無いからなぁ。作りは凝ってるけど、重要なのは、飾りじゃなくてマットだよ。わかってないなぁーー。この世界には、スプリングが無いのかなぁ。あれがあれば、随分違うと思うけど……今の主流は、ポケットコイルだけど、そこまで贅沢は言わないよ。せめて、クッション性の高いマットレスでもあれば良いけど……
それに、あそこの家具は、凝った装飾だけどガラスが無いとすぐホコリだらけになっちゃうよ。あれじゃ、フィギュアを飾ったって、細かい細工部分に汚れがついちゃう。絶対、ガラスケースが最強だと思うんだけど……
それと、この部屋少しホコリが溜まってるよ。掃除してないのかなぁ。雑巾でもあれば、吹くんだけど……
あっ、この布使えそう。使っても平気だよね。俺の荷物があれば、タオル入ってるのに……何か言われたら、あとで新しいタオルを返せばいいんだもんね。これじゃ、三季姉の机の上と変わんないよ。磨けば綺麗に……ほらっ光り出した。やはり、こうじゃなくっちゃ!こっちは、こういう風に、ここは……
俺は、いつもの癖で掃除を始めてしまった。家事手伝いスキルのおかげであっという間に綺麗になる。
「ふぅーーやっと綺麗になった……」
その時、部屋のドアが開きゾロゾロ部屋に入ってきた。
俺も入ってきた人達もみんな固まってしまった。
張り詰めた空気が重いよ……
「わはははは、これはお主が掃除したのかのう?」
……あっ、広場で俺を助けてくれた爺さんだ……
「はい……ダメだったでしょうか?」
「嫌々、驚いておるのじゃよ。部屋が見違えるように綺麗になっているからのう〜〜」
「あっ、広場では助けていただきありがとうございました」
「そんな事はない。礼を言わなければならないのは、こちらの方じゃ。なんせ魔人を倒した英雄殿じゃしなぁ〜〜」
「英雄?俺がですか!とんでもない。とんでもないです。たまたまです」
「たまたまで、倒せる相手では無かったと思うのじゃがのう……」
「…………」
……言えない。俺の部屋にいるなんて。そういえば、あのラスボスどうなったんだろう?マイルームを見るのが怖い……
「あなたの身体には、とーーても興味ありま〜〜す。是非とも、調べさせてくださ〜〜い」
研究者らしい格好をしたベートーベンのような髪型の人が俺に近寄って来た。
「俺は、普通の人間です。痛くしないなら、調べてもらっても構いませんけど……」
「そうで〜〜すか。ほんとは、頭の中とかお腹の中をじ〜〜くり見たーーいのですけど……」
「ひっーーそれは、勘弁してくださーーい」
「ひっひひ……驚かなくても大丈〜〜夫です。髪の毛一本頂ければ、それで済みまーーす」
「お、驚かさないでくださいよーー。も〜〜う」
「ひゃっははは〜〜それで、どうやって、あの魔人を倒したのですか?」
……この人、抜け目のない人だ。慎重に答えないと……
「俺にも、わかりません。死ぬ覚悟で突っ込んで行っただけです」
「あなたは、死ぬのが怖くな〜〜いのですか?」
「もちろん怖いですよ!でも、刑罰にあってもう終わりだと思っていましたから、どうせ死ぬなら、あの黒い奴に少しでもダメージを与えられたら、と思っただけです」
「そうなのですか〜〜ひゃっははは」
「オッホン! 私は、事務官筆頭のドリトスです。貴殿にいくつか聞きたい事があって、ここに参りました。早速ですが、貴殿は、何処の出身ですか?」
……困った……日本って言ってもわからないだろうし、異世界だしね……
そうだ。市内に晒されてた時、誰かが言ってたっけ……
「東の小さな島国の出身です……」
「ほーー確かに東国には貴殿と同じような黒い髪をしている人が暮らしていると聞いた事がある……」
「どうやって、ここまで来たのだ」
「前にも言ったように、自分の部屋の扉を開いたら、ここにいたんです。どうしてなのかは、俺も知りたいです」
「確かに、前もそのように言っていたのは記録を見て承知している。失われた転移の魔法でも使ったのか?」
「俺、魔法は使えません。どうやったら使えるのかわかりません」
「ほほーー魔法の使い方がわからんのか。あとで私が教えてあげよう」
「本当ですか! お爺さんありがとう」
「導師様!お戯れは大概にしてください。導師様に直接、教えて頂くなど魔法師にとっては夢のような事なんですから! 貴殿もこのお方をお爺さんと呼ぶのは、控えなさい。不敬罪に取られますよ。これからは、導師様と呼ばれますように」
「すみません。すみません。俺、こういう世界始めてなので良くわからなくて……」
「お主には、家族がおるのか?」
「はい。両親と兄、姉妹の8人家族です」
「そうか、そうか。さて、お主はどうしたい。ここで何をしたいんじゃ?」
「俺は、自分の部屋に帰りたいです」
「自分の部屋? 家のことじゃな。しかし、転移でもできればすぐにも帰れるじゃろうが、馬車や歩きで帰ろうとすれば十中八苦死ぬ事になるぞ。お主のレベルでは、この先の、森を抜けるのも至難の技じゃ」
……マイルームを使えばすぐに帰れるけど、言えないし……ここにいつまでも居る事も出来ないし、特にさっきから睨んでるあのメイド服の女性が恐いし……
そうだ!
「では、冒険者になって、レベルを上げたら帰ることにします。この国に冒険者はいますか?」
「勿論、冒険者はいますけど、貴殿は、大丈夫なのですか? 魔物とかの討伐もありますし、話を聞く限りでは魔法も使えないみたいですし……」
「でも、薬草の採取とか危険ではない仕事とかもありますよね。時間がかかっても出来る事をして頑張ります」
「確かにそのような仕事もありますけど、いいのですね。時間がかかっても」
「はい。少しづつ強くなります。そして、家族の元に帰りたいと思います」
「では、魔法を教授しよう。これも何かの縁じゃしな」
「導師様!」
「いいって。いいって。これも儂のためじゃ。暫く教鞭をとって無かったものでなぁ。教え方が古臭いと言われるのを直すのにちょうど良い」
「ありがとう御座います」
「そ、そのーー」
「アンリエット様、このような方にお声掛けなど……」
「大丈夫よ。ソランジュ。初めましてでよろしいですか? 貴方様とは、何度かお会いしているのですが……わ、私はアンリエットです。この度は、助けて頂いてありがとうございます。それと、貴方様の大切なス……ステッキを無断で拝借してごめんなさい」
「い、いえ。俺は、スズカゼ=シロウです。シロウが名前です。こちらこそ色々大変な目に合わせてしまってごめんなさい」
「いいえ、こちらこそ」
「こっちこそ」
「………」
「その辺でよろしいのではございませんか。アンリエット様」
「そ、そうね。ソランジュ。私とした事が……」
「若〜〜い人達は、仲がよろしくて、結構な事でありまーーす」
「な、何を言ってるのかしら、シルベルったら……」
と言って、アンリエットは顔を真っ赤にしていた。そして、慌てて部屋を出て行ったのだが、あの怖いメイド服の女性に思いっきり睨まれてしまった。
「では、儂らも行くかのう」
「はい。貴殿には暫く城内で過ごして頂きます。制限付きですが、ある程度の自由を保障します。お世話係として誰かを派遣致しますので、あとでその者に詳しく聞いてください」
「はい。わかりました」
「では、これで」
そう言って、みんなが部屋から出て行く。俺は、大きなため息を一つついた。
◇◇◇
次の日、俺は王様に呼ばれた。魔人を倒し娘達を救ってくれた事に感謝していた。報酬を受け取ってほしいと言われ、丁重にお断りしてすると、それでもという訳で金貨300枚を受け取った。
この国の貨幣の価値がわからないので、呆然としてたら、あとで、お世話係のメイドが、教えてくれて、日本円で3000万円ぐらいの価値がある事を知り驚いた。
そうそう、この俺付きのお世話係のメイドが、あの怖い目つきのメイドの妹らしく、俺を見る目つきが怖かった。きっと監視のための意味合いが大きいのだろう。
俺は、早くここを出たくて、目つきの怖いメイド2号に言ったのだが、明日には、出て行ってもらっても構わないと冷たい口調で言われた。
本当にもう勘弁してほしい……
できれば、ここを出る前に、魔法の使い方を教えてもらいたい。そう思って俺は、あの爺さんのところに行くのだった。
「あの〜〜」
「其方か。どうしたのじゃ」
「実は、魔法の使い方を……」
「おぉーーそうじゃった、そうじゃった。では、裏庭にでも行くかのう」
そこは、木々も生え綺麗な庭園もある広い場所だった。
「あちらに、広場がある。そこで、練習しようかのう」
お爺さんが指差したところに歩いて行く。そこは、王宮正面程ではないが石畳の綺麗な広場があった。
「ここらで良いじゃろう。其方、魔法を使うのは初めてかのう?」
「はい」
「魔法は、身体の中から溢れ出す[気]によるものじゃ。身体には血液があるじゃろう。あれが体内を巡り身体の隅々まで行き届いておる。それを、感じることから始めると、上達が早いのじゃ。[気]は中々感じづらいものじゃからのう」
「はい。やってみます」
俺は、体内に流れる血液を感じるように心がけた。心臓で押し出された血液が俺の身体を巡り、また心臓に戻って行くというイメージを思い浮かべる。すると、身体が、熱くなってきた。
「ほうーー少し教えただけでここまでできるとは、なかなかたいしたものじゃ。今、お主の身体から魔法の元となる気が溢れておった」
瞑想法と同じような感じだ。自律神経が刺激され身体が熱くなる。これは、前に本で読んだ事ある自律神経訓練法とよく似ていた。
「では、儂をよく見ておれ【フャイヤー】」
すると、爺さんの手の平の上に炎が出現した。爺さんは、それを投げつける。近くの石畳が焼け焦げていた。
「今のが火魔法の初歩じゃ。ほれっ お主もやってみるがよい」
「はい」
俺は、手の平の上に火が出現するイメージを浮かべた。すると、俺の手の平の上に炎が出現する。俺は、それを爺さんみたいに先の石畳に投げかけた。
「ほうーー、一回で成功しよるとは、たいしたものじゃ」
俺は、爺さんの驚き方に警戒した。もしも、色々な魔法が使えるようになってしまったら、面倒くさいことになるんじゃないかと……。
「すみません。魔法は一種類しか使えないのですか?つまり、属性とか……」
「大概のものが一種類じゃ。優れたものでも3種類がいいとこじゃ」
「そうなんですか……」
「お主は、火の適性があるようじゃな」
「導師様は、何属性の魔法が使えるのですか?」
「儂か、儂は、火、風、水、土じゃ」
「凄い。四種類も使えるんですね」
「ほっほほほ、儂もまだまだ修行中じゃーー」
これは、困った。多分今の感じだと俺は全種類の魔法を使えそうな感じがする。それを、この場で発動してしまったら、また、騒ぎになるだろうし、これ以上関わりたくない……
「では、次は水をやってみよ。先ほどの火と同じ要領じゃ」
「はい」
俺は、水を作り出す手前までやってできない振りをしようと思った。
「はぁーはぁーすみません。できないみたいです」
「そうか……惜しかったのう。もう少しでできそうじゃったのだが……」
爺さんは、少し首を傾げ何か納得したような感じをしていた。
「導師様ありがとうございました。冒険者になったら練習して使いこなせるようになってみます」
「日々の精進が大事じゃぞ。それからな、魔力量を増やすには、[気]の流れを感じる練習をするとよいぞ。お主の魔力量は平均以下じゃからのう」
「はい。やってみます」
「よいのう。若いってことは。ほほほほほ」
そう言って、爺さんは広場から去っていった。俺は、上手く誤魔化せたか気が気じゃなかった。
◇◇◇
その夜、みんなが寝静まった頃、俺の部屋に近づく人がいた。
俺は、王宮内では、常に全マップ探索を発動していた。あんな怖そうな世話係と称した監視役をつけているくらいだ。信用されていないのはわかっている。
俺は、近づいてくる人を以外に思った。あの裸の子、第一王女だったからだ。
マップ探索でみると、俺の部屋のドアの前でウロウロしている。俺は、どうしたものかと考えていたが、入ってくるまで素知らぬ振りをしていた方が良さそうだ。なにせ、相手は姫様だ。二人でいるところを誰かに見られでもしたらまた大騒ぎになる。
すると、10分ぐらいだろうか、姫様はウロウロを辞め自分の部屋に帰って行った。何か言いたい事でもあったのだろうが、謝罪はしたし、こちらに用はない。
俺は、静かに目を閉じた。




