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異世界で引きこもりたいけど周りの女性が許してくれない件について  作者: 涼月風
第2章

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第46話 ーーーマイルームでの騒ぎーーー

 




「ここは、どこなのですか?」


 アンリエット王女のごく自然な問いかけだ。


「ここは、俺の能力で生み出した部屋の中です。ここから、俺の国に行きたいと思います。でも、ちょっと、待ってて下さい」


 俺は、抱えていたメイド1号をベッドに寝かし、チラシからお菓子や和菓子を注文し、用意した。備え付けの小さな台所でお湯を沸かし、紅茶を入れる。


「俺の国のお菓子です。和菓子と言います。どうぞ、お召し上がり下さい」

「シロウ様のお国のお菓子なんですか?とても、綺麗な細工がなされてます。こちらは、うさぎですか?こんな可愛いもの食べてしまっては可哀想です」

「食べてもらった方がうさぎも喜びます。お菓子なんですから……」

「それも、そうですね。では、頂きます。あら、お、おいしい……」

「それは、良かったです。アンリエット様には急にこちらに連れて来てしまって、さぞ、驚かれている事でしょう。でも、俺の事を知ってもらうにはこの方法しか思いつかなかったんです。お許し下さい」

「驚いておりますけど、シロウ様の事を知りたいという気持ちの方が優っていますわ」

「少しづつお話するつもりですが、見てもらった方が早いと思います」


 すると、空間から、また、女神エリーゼが登場した。


「シロウ、どういう事ですか? 取っ替え引っ換え女を連れ込むとは?」

「女神さま、そんな誤解を生むような言葉、どうにかなりませんか?」

「そちらに寝ているのも女性のようですね。アレですか?シロウは、三人で乳繰りあう気ですか?3Pですか?」

「なっ、何を言ってるんですか!そんな事するわけないでしょう!」

「若い男性なら、そういう衝動に掻き立てられるのも仕方のない事ですが場所をわきまえて下さい。ここは、私の憩いの場なのですから……」

「なに、言ってるのですか?いつから女神様の憩いの場になったんですか? ここは、俺の部屋です!」

「いいえ。私の憩いの場所です!」

「女神様ーー!」

「シロウーー!」


『むっーーー!!』


「あの〜〜そちらの方は、どなた様でしょうか?先程から、シロウ様が女神様と呼んでいるみたいですが……」


「私は女神エリーゼです。敬いなさい」

「め、女神様なのですか? どうして……シロウ様とお知り合いなのですか?」

「シロウは、私の下僕です」


「何、言ってんですか?いつ、女神様の下僕になったんですか?」

「前からです!」

「あっ、わかりました。その態度。ゼウス様に全部バレちゃったから開き直ってるんでしょう? 女神様もお子様なんですね」

「なっ、何を言ってるんでしょう。シロウはーー。お子様って何ですか!私は神なのですよ。言葉をわきまえなさい!」

「そっちこそ、言葉を選んで話して下さい!」

「シロウーー!」

「女神様ーー!」


『むっーーー!!』


 すると、また、空間から女性が現れた。女神メサイヤだった……


「えっ、メサイヤ!?」


「シロウ、お久しぶりです」

「女神メサイヤ様でしたか?どうかしたんですか?」


「シロウ!なんでメサイヤを知ってるんですか!なんでここに入って来られたのですか?」

「前に一度……l

「前にですってーー!」


 ……あっ!内緒の話だった……


「私がここに来たのは、私の管轄の世界の姫が消え、この空間にいたからです」

「メサイヤ様って、ミリエナ国のある世界の管轄だったんですか?」

「そうです。シロウ。私を褒め称えなさい」


「シロウ様、メサイヤ様って……女神メサイヤ様のことですか?」

「アンリエット王女は知ってるんですか?」

「知ってるも何も、ミリエナ国の教会で祀られております神様です。私も、洗礼を受けております」


 女神メサイヤは、ドヤ顔だ。一方、女神エリーゼは、顔を赤くして怒っている。


「メサイヤ、あんたなんでここに来るのよ!」

「それは、先程、話しましたわ」

「ここは、私の憩いの場なんですからっ!」

「仕方ありませんわ。私の世界の姫が拐われたんですから」

「それは、シロウが勝手にやった事でしょう?ここに来る理由にならないわ」

「シロウが勝手にするのも、全て監督者であるエリーゼの責任ですわ」


「シロウ、何勝手な事してんのよーー!」

「シロウ、私の世界の姫をどうするつもりなのですか?」


『シロウーー!!』


 どうやら、矛先は俺に向いたようだ。俺は、仕方なく経緯を話した。




 ◇◇◇




「シロウ様は、トラックという馬車の様な移動する乗物に跳ねられて死んで女神様から能力をもらって異世界、つまり、ミリエナ国に転生する事になったのに、生き返っちゃって、でも、能力はそのまま持ってて、しかも、二つの世界を行ったり来たりしてて、お連れの方の悪魔達と契約されて、今、日本という国のお隣さん同士だと言うのですね」


 ……サツキと神屋代の時とデジャブる……


「そうです……」

「それで、今回、私とカトリーヌがシロウ様のお国に行くというので隠しておけず、私だけにお話しするつもりだったのですね」

「はい……」

「わかりましたわ。シロウ様には、ご迷惑をおかけしました」

「それじゃ……」

「私、日本っていう国に行ってみたいですわ」


 ……えっーー!ここで、諦めてくれると思ったのに……


「それは、シロウが悪いわね。さっさと結婚しちゃえばいいのよ」

「私の世界の姫には、シロウには勿体ないわ。でも、本人同士の気持ちも大事です」


「俺、まだ、15歳ですよ。生活能力もありませんし王女様を養っていけませんよ」

「王女と結婚すれば王様になれるのだから、ヒモでいいんじゃない?」

「いいえ。シロウには、見合うだけの勉強と生活力を要求します。でないと私の世界が崩壊し兼ねません」


「そんな……」


 その時、メイド1号が目を覚ました。


「ここは……アンリエット様!き、貴様ら何者だーー!」


 ……また、厄介な人が……


 アンリエット王女は、ソランジュに事情を話した。メイド1号の視線がさらに俺に突き刺さる。


 俺は、メイド1号が話を聞き終わるまで待つ事にした。




 ◇◇◇




 メイド1号は話を聴くと、女神様達に土下座状態だ。気分を良くした女神達は……


「シロウ、あの者を見習いなさい。そして、私にプリンをご馳走するのです」

「シロウ、信心は大切ですわ。あの者の様に私に感謝し、お菓子を食べさせなさい」


 ……結局、食べたいだけじゃん……


「エリーゼ様、今日は、プリンのチラシがありません。和菓子で良いですか?」

「それは、残念……その和菓子とやらは美味しいのですか?」

「先程、アンリエット王女も食べてましたけど、おいしいですよ」

「わかりました。用意をしてください。そちらの侍女さんはお茶をお願いね」


「かしこまりました。女神様」


 メイド1号も女神に対しては素直らしい。


 みんなで食卓を囲んでいると女神メサイヤが


「そういえば、言葉はどうするのですか?シロウは加護がありますからどの世界でもお話しできるでしょうが、そちらの姫と侍女は日本とかいう国に行っても話せませんよ」

「そうだったーー忘れてたーー!」

「相変わらず、知恵が足りませんわね」


「シロウ様の国に行ってもお話しできませんの?」

「俺達とは話せるけど……う……む」


「仕方ありませんね。私が加護を2人に授けましょう。ですが、必ず私の世界に戻って来る事。それと、この事は誰かに話したりしてはいけません。

わかりましたね」

「はい。メサイヤ様、ありがとうございます。神様からご加護を受けられるなんて、何て私は幸せ者なのでしょう」

「貴女は、とても素直で好感が持てますわ。では、2人とも〜〜えいっ!」


 アンリエット王女と侍女ソランジュは淡い光に包まれた。


『あ、温かい……メサイヤ様、ありがとう御座います』


 2人は気持ちよさそうに余韻に浸っている。


「では、私は先に失礼しますわ。御機嫌よう」


 そう言って女神メサイヤは去って行った。すると、


「シロウ、何でメサイヤをここに入れたの?私への裏切り行為よ!」

「違いますって……エリーゼ様が最近素っ気なくいつもすぐどこかにいちゃうのであとをつけてきたみたいですよ。ここに、入るのに、殆ど力を使い切ったみたいでしたし……」

「シロウが、入れたわけじゃないのね」

「勝手に入って来たんです。あとをつけられたエリーゼ様の不手際でもあるんですから」

「そ、それなら仕方ないわね。お茶おかわり頂けるかしら……」


 ……本当、この女神は……俺を下僕扱いしてるよ……


 結局、女神エリーゼは、ワインを飲み、しばらく駄々を捏ねていて、俺にグチを散々話し、帰っていった。


「シロウ様は、神様とお知り合いだったのですね。素敵です。夢を見てるみたいですわ」

「その点に関しては、アンリエット様に同意見です……が、ゴミはゴミらしく、そこら辺に、カビでも生やしていればよいのです」


 ……メイド1号は、ブレないな〜〜ある意味、尊敬するよ……


「では、俺達も行きましょうか?」

「シロウ様のお国に行けるのですね。楽しみですわ」

「アンリエット様に何かしたら許しませんから……」

「何もしないですって……行きましょう」


 この後も、みんなに紹介したりして、大変そうだ。もう、今日の分のHP使い切っちゃったよ……

 それに、神屋代まで加わったら……

 あの親父さん怖いし……


 ドアを手にかけ、俺はそう思っていた。

 ドアのプレートには、日本国 神屋代家と書かれていたが、見ていなかった。




 ◇◇◇




 ドアを開けると、そこには全裸のおっさんがいた……






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