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異世界で引きこもりたいけど周りの女性が許してくれない件について  作者: 涼月風
第2章

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第36話 ーーーハンバーガーショップではーーー

 




 今、俺は、神屋代の家にいる。お祖父さんは、旅行に出ているらしく留守だそうだ。

 俺の前には、起こされて不機嫌そうなパジャマ姿の男性が俺を睨んでいる。それもそのはずだ。もう、日にちが変わった真夜中なのだから……


「そんなに緊張しなくてもいいんですよ」


 優しそうなパジャマ姿の女性が俺に声をかける。神屋代の母親だろう。俺の隣には、訳のわからない外国の男女がお茶を飲んでるし、もう、俺帰っていいよね……


「あの〜〜もう遅いですし、俺、帰ります」

「ちょっと、待てーー!き、君、鈴風君と言ったかな。鈴音とはどういう関係なんだ!」


 ……怖い。目が充血してる。圧が……圧がすごい!……


「クラスメイトです……」


「その二人の外人さんは祖父さんの知り合いだという事はわかった。でも鈴風君は鈴音と今まで何してたのかね?」


 ……退魔師の仕事を無理やり付き合わされていたなど言える雰囲気ではない。


「えっと……散歩?」

「何だってーー!」


「お父さん、うるさいよ。シロウ君は私と吸血鬼を探してもらってたの」

「吸血鬼ーー?」

「いるんだって〜〜近くに。感じるんだもん」


「おーー私達もバンパイヤを追ってここまで来ました」


 男性の神父もどきの外人さんがそう話す。


「最近、日本にたくさん集まってる。ローマ聖教は、その事をとても重要な事と認識している」


 今度は、女性のシスターもどきの外人さんがそう言った。


「鈴音。いくらなんでも、非常識だ。こんな遅くに同級生の男子と夜の町を彷徨ってるなんて、何かあってからでは遅いんだぞ!」


 ……うん、うん。ごもっともです……


「そういう訳ですので、俺は帰ろうかなぁ……」

「ちょっと、待てーー!」

「な、何でしょうか……」

「今日は、もう遅い。家には電話を入れておくから泊まっていきなさい。古い家だが、部屋は空いてる」

「とんでもありません。これ以上、ご迷惑をおかけして……」

「泊まっていきなさい!」

「……はい」


 神屋代のお母さんは、ニコニコしていた。お父さんとは、対照的に……




 ◇◇◇



 何でこうなるの?同級生の、しかも、女の子の家に泊まるなんて……


 俺は、布団に寝転びながらいろいろな事を考えていた。


 見慣れない天井だ。しかも、合成版じゃなくて、竹を編み込んでる?

凝った作りだな〜〜。それに、布団もフカフカで気持ち良い。

 神屋代のお父さんは、怖いけど常識のある人だ。何で神屋代みたいな子が育ったのだろう……謎だ……

 お母さんは優しそうな人だし、神屋代は良い家庭に育ったんだな……


 しかし、この部屋。8畳もある。畳だし、床の間には掛け軸もかかってる。

何て書いてあるんだろう……随分、達筆だなぁ……読みにくい……

えっーーと『色即是空』? よく読めん。確か般若心経の一節だったかな?


 ……なんか旅館みたいだ……


 俺は、絶対、こんな状況では眠れないだろうと思っていたが、疲れてたのか、朝まで、目が覚めることなくぐっすり寝てしまった。



 ◇



 目が覚めると、そこには俺のほっぺたをツンツンしている外人女性がいた。


「あの〜〜何してるんですか?」

「ツンツンしてる?」

「何で疑問形?」

「あなた面白い?」

「はい?」

「悪魔の匂いがする?」

「…………」


「シロウ君起きたーー?」

「あーーうん。起きたというかツンツンされたというか……」

「ご飯よ。顔洗ってきて食べましょう」


「ご飯だそうですよ。確か、シアンさんでしたよね」

「そう。シロウはシロウ?」


 ……意味よくわかんないんだけど……


「シロウです」

「そう?」


 ……だから、何故に疑問形なの?……


「あなた、悪魔と契約してるでしょう?」


 ……こういう関係の人って何でド直球なの?……


「シアンさんは、何かわかるんですか?」

「う〜〜ん。よくわからない」


 ……きっと、この人、宇宙とお友達の人だ……


 すると、


「シアンご飯食べましょうデスネーー」


 と、男性神父も登場した。シアンは連れて行かれ、やっと俺は起きる事ができた。


 食卓には、朝食らしいメニューが並んでる。うちと違うのは、ご飯と味噌汁がある事だ。


「わぁーー朝の味噌汁っていいですよねーー。うちは、パンなので憧れます」

「黙って食べなさい……」


 そうだ。ここには、あの、怖いお父さんがいたんだ。


「シロウ君、家に帰ってから学校に行くの?」

「特に用はないけど、このまま学校に行くよ」

「じゃあ、一緒に行こう」

「そうだね……」


 ……なんか、凄い形相で睨んでるんですけど……


 その時、リーナから念話が入った。


 ……[念話中]……

『シロウ、学校行く?』

『あ……このまま行くよ』

『シロウいないから、休む』

『具合悪いのか?』

『違う。今、いいとこ』

『何が?』

『テレビ』

『わかった。先生には言っとくよ』

『そう。お願い』

 ……[念話終]……


 ……朝から、何のテレビ観てんだ?あ〜〜俺も学校休んでのんびりしたい……


 俺は、重苦しい視線と空気の中、朝食を頂くのだった。




 ◇◇◇



「シロウ君、今日も行くでしょう?」

「えっ、今日はさすがに家に帰らないと……」

「そんな事言ってる場合じゃないよ。学校行ってる間だって、誰か襲われているかもしれないんだよ」


 ……この娘は、退魔の事しか頭にないのか?……


「そうだけど、リーナ達をほっとくわけにもいかないし、それに、あのエクソシストの人達だっているだろう。今日は、無理だよ」


 ……今日も、夜一緒にいたのがバレたらあの親父さんに殺されかねない……


「そうかーー、残念。結構、ドキドキして楽しかったのに……」

「ドキドキって、違う意味だよね」

「他にどんな意味があるの?」

「………」


 ……何をおっしゃってるんだろう。この人は……


「そうだ。私、女神様に念話できるようにしてもらったんだ。シロウ君にもするね」

「あ〜〜女神様が……」


 ……余計な事しなくてもいいのに……


「じゃあ、またね」


 神屋代は、そう行って、下駄箱に走って行った。クラスメイトとはいえ他の人に見られるのは恥ずかしいのだろう。


 俺は、ため息ひとつついた。




 ◇◇◇



「シロウ、見たぞ〜〜」


 そう話しかけてきたのは、幼馴染の大林 隼人だ。


「何を?」

「今朝、神屋代と一緒に学校来ただろう」

「あ〜ちょっとな、用があって一緒だったんだ」

「リーナちゃんがいるのに何してるんだ。リア充め」

「隼人、それは、本物のリア充の人に言ってくれ」

「シロウは違うと?」

「当たり前だろう。知ってるくせに……」

「はい、はい。ところでリーナちゃんは?」

「今日は休むとか言ってたぞ」

「はは〜〜ん。それで、神屋代と一緒だったわけか……」

「だから、いろいろあるんだよ」

「ほう?いろいろネ〜〜。あっ、そう言えばお前に言わなきゃならない事があるんだった」

「何だよ」

「押入れのアレがうちのかーちゃんにバレた……」


「何ですとーー!」


「で、すぐにでも撤去してもらいたいんだが……」

「そうか。わかった。今日にでも取りに行く」

「あ〜〜頼むよ」


 ……ヤバい。あのグッズ達を何処に置こう……そうだ。マイルームドア2がある。今は、空き部屋だ……


 俺の大事なアレ達は、お気に入りの品々ばかりだ。もう、手に入らない物まで揃っている。


 ……絶対、死守しなければ……


 俺は、その事ばかり考え、授業の内容は全然、頭に入ってこなかった。




 ◇◇◇



 今、幼馴染の大林 隼人と下校中だ。一緒に帰るのは、一学期以来だ。隼人はいつもサッカー部で忙しいし、俺は家の事で忙しいため、時間があまり合わない。


「シロウと帰るのは久し振りだな。二葉姉さん元気か?」

「あ〜〜うるさいくらいにな」

「綺麗だよな〜〜二葉の姉貴は。全くシロウが羨ましいぜ」

「俺は、お前が羨ましいよ。自分の部屋持ってるし」

「お互い、無い物ねだりということか……」

「そういう事」


「あれっ、あそこにいるのは睦美ちゃんじゃねーーか」

「あっ、本当だ」

「変な外人に捕まってるみたいだな?」

「あっ、あの二人は……」

「シロウ知ってるのか?」

「あ〜〜神屋代の知り合いの人達だよ」


「おーーい、睦美ちゃん。どうかしたのかーー?」

「おい、馬鹿やめろ……」


「あっ。シロウ兄ちゃんと隼人だ」


「オーーシロウいたネーー。探してたですヨ」

「シロウはシロウ……」


「シロウ兄ちゃん。この人達がシロウ兄ちゃんに用事あるって……」

「そうか。睦美ありがとな」

「いいよ。隼人も元気そうじゃん」

「相変わらず生意気だな。睦美は」

「えへへへ」


「そういえば、どうしたんですか?エリックさんとシアンさんは?神屋代なら家に帰りましたよ」

「シロウに会いにきたですネーー」

「シロウはシロウ……」


 ……シアンさんは、宇宙に旅立っているらしい……


「シロウすげーーな。こんな綺麗な外人さんと知り合いなんだ」

「昨日、会ったばかりだけどね」


「シロウ、ちょっと話したいです。時間いいですか?」

「ちょっと、今、忙しい……」


「シロウ、アレは俺がどうにかしとくよ。睦美ちゃんは送ってくし……」

「悪いな。せっかくなのに……」

「いいって事よ。ほらっ。睦美ちゃん帰ろうぜ」

「シロウ兄ちゃん。またねーー」


「シロウ、あそこで話しましょう。私のおごりデス」

「はい……」


 ……嫌な予感しかしないんだけど……




 ◇◇◇



 ここは、某ハンバーガーショップの2階席。

 目の前には、夢中でハンバーガーにガブリつく宇宙人とその保護者がいる。


「シロウも食べるデス」

「はい。ありがとうございます」

「実は、シロウに聞きたい事あります。正直に答えて下さい」


 ……リーナ達の件だよねーー。どうしよう……


「実は……魔法巻毛少女くるくるパッツンのフィギュアは何処に行けば買えるのでしょう?」

「はい?」

「エリックは、変態人形好き」

「日本に来たからには、是非ともあの変身シーンのフィギュアが欲しいデス。しかし、いろいろ探しましたが、何処にもありません。是非ともアレが欲しいのデス」


 ……エリックは、お仲間なのか?……


「アキバに行けば売ってると思います」

「アキバ、アキバ。オーーマイゴット!私とした事が失念してました。そうデス。アニメのアキバデス」

「だから、昨日言った。アキバに行けば買えるかもって」


 ……よかった。ただのアニメ好きか……


「アキバに行けば、サタンの姫とかベルゼブブの娘に会えますか?」

「なっ……」


 ……俺が周りに隠していたオタクグッズの事やリーナやミミーの種族まで知ってるという事か……どれだけの情報網を持ってるんだ。こいつらは……


「シロウ、どうかしましたか?」


 ……全てを知って、俺に接触してきたんだ。学校帰りを見計らって睦美に接触したのも、家族の事も把握済みと思わせたかったのか……


「私達は、エクソシストデス。ローマ聖教の名にかけて、全ての魔を滅ぼします」

「シロウはシロウ?それとも、悪魔の一味?」


 俺は、何と答えれば……






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