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異世界で引きこもりたいけど周りの女性が許してくれない件について  作者: 涼月風
第1章

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第26話 ーーー国境付近ではーーー

 




 サラマー国の軍隊とルアンダ国の軍隊は、国境に流れる割と大きな川で対峙し現在は休戦状態みたいだ。

 アザゼルと一体化した第二王子は、少し小高い丘に陣を構えていた。一方、ルアンダ国の国王グラン=ルアンダは、森の中に陣を取っている。双方の睨み合いが続いており、緊張感が周りの空気を冷え込ませている。


 俺とリーナは、このままではいつ衝突が起きてもおかしくない状態なので、アザゼル率いるサラマー国に立ち向かう為、一旦、ルアンダ国に行く事にした。


 俺は、サツキに念話を入れる。


『サツキ聞こえる?』

『聞こえるよ』

『そっちはどう?』

『今、シロクマ耳に夢中なの』

『えっ?なんだって?』

『だから、シロクマ耳』

『頭でも打ったのか?』

『何言ってんの。馬鹿兄貴!』

『うん。いつものサツキだ。今、何処?』

『城の中だよ。休ませてもらってる』

『よく入れたな。城の中に』

『だから、シロクマ耳だよ』

『……よくわからないけど、一度合流しようと思う。サラマー国は危険だから、そっちに行って大丈夫?』

『うん。こっちは大丈夫だよ』

『じゃあ、行くよ』

『は〜〜い』


 俺は、リーナに場所を告げて転移してもらった。




 ◇◇◇



 俺とリーナが転移した先は、やはりシロクマ耳だった。


 ……なにこれっ……超可愛いんですけど……フィギュアにしたい。飾りたい


「シロウ、今、この獣を可愛いって思ってた。処罰」


 リーナの黒炎が俺の身体に纏わりつき一瞬で気絶寸前状態まで追い込まれた。


「わーー息が、息ができない。リーナが一番。リーナ様〜〜!」

「そう、初めから素直になればいい」


 黒炎を解かれた俺は、床にうつ伏せ状態で、かろうじて息をしていた。


「あ、あの……そちらの方は……」

「あっ、モモちゃん。こちらがリーナさん。とても綺麗で強いの。それで床にカエルの死体みたいになってるのが私のお兄ちゃん」

「まぁ、サツキ様のお兄様達ですのね。はじめまして。私は、このルアンダ国の王女モモリー=ルアンダと言います」


「ホーホー、シロウ殿は、挨拶もできない状態のようでありますな」

「ごめんね。モモちゃん。お兄はダメっ子で……」

「いいえ。それより、今、急に現れましたが、もしかして、転移魔法ですか?」

「そう」

「あの失われた転移魔法をお使えになられるなんて、すごい魔法師の方なんですね」

「違う。私は悪……l

「そ、そうなんです。リーナさんはともて凄い魔法師なんです!」

「やはり、そうでしたか。尊敬いたします」


「それで、リーナ様、アザゼルは、どのような様子でありますか?」

「ほぼ全回復状態。このままでは、危険」

「そうでありますか……全回復状態のアザゼルとなると冥府の大君主たる私でも止めるのは困難でしょうなぁ」

「ソラスだけじゃない。私でも困難」

「う〜〜む。困りましたなぁ」


 ここで俺は、やっと起き上がれるようになった。


「ひどいよ。リーナ。死にそうだったよ」

「手加減した。感謝すべき」

「そうだけど……」


「シロウおにいちゃん。まちゃあえちゃでちゅう」

「永遠に会えなくなるとこだったけどね」


「で、どうしよう。リーナ達が真正面から挑んだら、ここら辺の地形が変わっちゃうし、下手すると世界が滅びそうだ」

「えっ!世界がですか?」

「あっ、サツキの兄です。シロウと言います」

「私は、モモリーです」

「王女様なんですよね?」

「はい」


「この辺で、とても広い場所はありませんか?」

「広い場所ですか?」

「はい。とてつもなく大きな攻撃があっても、被害が出ないようなところです」

「北西部にガラシャ渓谷がありますけど、そこなら獣人も人もおりませんし、被害は無いと思います。でも……」

「でも?」

「そこは、龍の住処があるところなんです。ですので、誰も近寄れません」

「龍か……住処を荒らすと怒りそうだな。それに、アザゼルだけをそこまで連れて行くのは、難しいし……」


「アザゼル率いる兵士達もきっと喰われてる。もう、都合の良い駒」

「巻き込むつもりなのか?」

「駒は駒」

「それは、俺は賛成できないな。出来るだけ被害を少なめにしたいんだ」

「シロウがそう言うならそうする」


 ……何か良い方法はないものか?……


「リーナとアザゼルは知り合いなんだろう。リーナが行けばアザゼルは話に応じると思う?」

「それは、わからない。奴の気分次第」

「でも、兵士達がいるしなぁーー」

「アザゼルを前にして兵士達に手加減する余裕がない」


「兵士達を動けないようにする事は出来ます」

「ソラス、何か方法があるの?」

「我の睡眠魔法で眠らせるだけです」

「それは、アザゼルにも有効なの?」

「無理であります。もちろん、リーナ様やミミー様にも効きません」


「じゃあ、兵士達はソラスに任せるよ。俺とリーナは、アザゼルの真正面から行く。サツキとミミーは、瘴気の薄い後方からの援護という事でいい?」

「シロウがよければ」


「お兄大丈夫なの?」

「何とかするよ」


「あの〜〜これは、どういう事なのでしょうか?」

「えーーっと、戦争を止めようと思って思案中です」

「えっ!そんな事出来るんですか?あなた方は何者なんですか?」

「ただの冒険者です」

「私は、見習いだけどね」


「はぁ〜〜!?」


 俺達の話にモモリー姫は不思議がっていた。




 ◇◇◇




 全マップ探索で国境付近を見てみると、獣人側の動きが活発になっている。どうやら、先に仕掛けようとしているみたいだ。


「獣人達が戦闘を始めようとしているみたいだ」

「きっと、父上でしょう。森を戦場にしたくないんです」

「モモリー様。俺達ときてくれませんか?獣人達を止めたいんです。今、戦闘が起これば、獣人達にも多大な被害が出ます」

「私がお役に立てるなら構いませんが、戦場まで行くのに半日はかかります」


「それなら、心配ないです。大丈夫だよね。リーナ」

「問題ない。シロウがその獣にうつつを抜かさなければ……」

「何言ってんの。こんな時に。俺には、リーナとミミーだけだよ」


 ……これ以上、いろんなことに関わりたくない……


「私だけなんて……」


 ……あーー、こんな時に、リーナのモジモジが始まっちゃた……


「リーナ!場所はここ。転移頼むね」

「……わかった」


 俺達は、リーナの黒い影に包まれる。モモリー姫は驚いていたが、すぐに転移が始まった。


「ここは……あっ!お父様」

「モモリーではないか?急に現れたので驚いたぞ!」

「はい。こちらの方々の連れてきてもらいました。今すぐ、戦闘をお止め下さい」

「何を言う。これ以上、森を荒らされたくはない。それに、怪我を負ってる兵士達もおる。これ以上、時間をかければこちらが不利だ」


「あの〜〜」

「そなたは、誰だ!」

「私は、冒険者のシロウです。少しだけ、俺達に時間をくれませんか?」

「お主らにか……」

「はい。少し、時間を頂ければ、この状況をどうにかしてみせます」

「得体の知れない人族なんかに、国も一大事を任せろと……?」


 ……そうですよね〜〜。普通は、無理ですよね〜〜……


「お父様、こちらの方は、ルアンの森にいる傷ついた兵達を治してくれました。私からも、是非にお願いします」

「先の戦闘で傷ついた兵士達をか……しかし……」

「この方達は、信頼できます。どうかお願いします」

「モモリーをそこまで言わせるほど、この者達を信頼しているのか?」

「はい」


 ……サツキ、ルアンダ国で何かしたのか?……


「わかった。半時だ。それ以上は、待てん」

「わかりました。それでやってみます」


 白熊王の決断に感謝した。時間は少ないけど……


「お父様、ありがとうございます」

「モモリー姫、お口添えありがとうございます。せっかく頂いた時間、有効に使わせてもらいます」

「サツキ、ここにいる傷ついた兵達を治してくれ。ミミーは、ここで待機。何かの時には全力で守る事。いいね」

「わかちゃでちゅう」

「シロウ兄行くの?」

「あーー」

「気をつけて……」

「わかってるって。リーナ、ソラス行こう」


「シロウ殿が何か逞しく見えるので間違いでありますか?」

「ソラス、ちがう。シロウは、たまにこうなる。変態」

「リーナ、それ、酷いよ……」


「行こう。いざ、アザゼルのもとへ……」






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